スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
恋は七転び八起き (41)
2015.10.15 Thu
「センセー、央ちゃんが」
「一応社会の礼儀を教えてやったんだから、返事くらいしろ」
文句を言いつつも、鮎川はベッドの用意をしてくれる。圭人に利用者名簿を書かせ、央がもそもそとベッドに這い上がっている間に、体温計を出して来た。
「ほれ」
央は素直に体温計を受け取った。
「気分は?」
「最悪…」
「学校来てる場合じゃないだろ、最初から病院行かんかい。昨日、どんくらい寝た?」
「…………」
「素直に答えろ」
「……寝てない…」
鮎川に詰め寄られ、央は観念して答えた。その答えに鮎川は大きな溜め息をつき、七海は圭人を見た。圭人は視線に気付いて七海のほうを向いたが、その事実は知らなかったようで、小さく首を振った。
「熱は……なし。まぁ、もうあからさまに寝不足が原因だって分かるけどな。大人しく寝とけ」
央から受け取った体温計を見た鮎川が、そう診断を下す。さすがに一睡もしていないとなれば、医者でなくとも、そのくらいのことは分かる。というか、保健医でなくても、七海や圭人にだって分かる。
「お前らは教室戻れー。授業始まるぞ」
「…はーい。央ちゃん、また来るなぁ」
寝不足だから寝る、ということになったら、七海や圭人がここにいても邪魔になるだけだから、大人しく言うことを聞いて、2人は保健室を出た。
「ぞんで、昨日何があったわけ?」
保健室を離れたところで、七海は小声で圭人に尋ねた。央のことなのだから、本当は央自身に聞くか、少なくとも央がいるところで聞くべきなのだろうけど、さすがにあの状態の央には聞きづらいので。
圭人は眉を下げ、今にも泣き出しそうな顔を向けた。
「何? 何があったん。槇村さんのとこ行ったんでしょ? で、また断られた――――だけだったら、ここまでじゃないよな?」
「…断られた、ていうか……そこまでの話にもならなかったかな」
「どういうこと?」
「何か槇村さん、最初から機嫌悪い感じで…、央に帰ってくれ、て言ったんだけど、央も急にそんなん言われたから、何でなん!? て突っ掛かっかっちゃって…」
「で?」
「俺のこと嫌いなの!? て央が言ったら、そうだ、てはっきり言われた…」
back next
「一応社会の礼儀を教えてやったんだから、返事くらいしろ」
文句を言いつつも、鮎川はベッドの用意をしてくれる。圭人に利用者名簿を書かせ、央がもそもそとベッドに這い上がっている間に、体温計を出して来た。
「ほれ」
央は素直に体温計を受け取った。
「気分は?」
「最悪…」
「学校来てる場合じゃないだろ、最初から病院行かんかい。昨日、どんくらい寝た?」
「…………」
「素直に答えろ」
「……寝てない…」
鮎川に詰め寄られ、央は観念して答えた。その答えに鮎川は大きな溜め息をつき、七海は圭人を見た。圭人は視線に気付いて七海のほうを向いたが、その事実は知らなかったようで、小さく首を振った。
「熱は……なし。まぁ、もうあからさまに寝不足が原因だって分かるけどな。大人しく寝とけ」
央から受け取った体温計を見た鮎川が、そう診断を下す。さすがに一睡もしていないとなれば、医者でなくとも、そのくらいのことは分かる。というか、保健医でなくても、七海や圭人にだって分かる。
「お前らは教室戻れー。授業始まるぞ」
「…はーい。央ちゃん、また来るなぁ」
寝不足だから寝る、ということになったら、七海や圭人がここにいても邪魔になるだけだから、大人しく言うことを聞いて、2人は保健室を出た。
「ぞんで、昨日何があったわけ?」
保健室を離れたところで、七海は小声で圭人に尋ねた。央のことなのだから、本当は央自身に聞くか、少なくとも央がいるところで聞くべきなのだろうけど、さすがにあの状態の央には聞きづらいので。
圭人は眉を下げ、今にも泣き出しそうな顔を向けた。
「何? 何があったん。槇村さんのとこ行ったんでしょ? で、また断られた――――だけだったら、ここまでじゃないよな?」
「…断られた、ていうか……そこまでの話にもならなかったかな」
「どういうこと?」
「何か槇村さん、最初から機嫌悪い感じで…、央に帰ってくれ、て言ったんだけど、央も急にそんなん言われたから、何でなん!? て突っ掛かっかっちゃって…」
「で?」
「俺のこと嫌いなの!? て央が言ったら、そうだ、てはっきり言われた…」
back next
- 関連記事
-
- 恋は七転び八起き (42) (2015/10/16)
- 恋は七転び八起き (41) (2015/10/15)
- 恋は七転び八起き (40) (2015/10/14)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:恋は七転び八起き