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恋は七転び八起き (36)
2015.10.10 Sat
圭人も今までに告白やらお出掛けの経験もあるが、8回も同じ相手に告白したことはもちろんないし、8回目の失恋からたった3日で、その相手を遊びに誘おうと思ったこともないから、意見を求められても、適切なアドバイスなど出来そうもない。
本音を言わせてもらえば、圭人だったら、絶対に今日という日は選ばない。どのくらいの期間を空けるのが適切かは分からないが、少なくとも、8回目の失恋から3日後はない。しかも、その3日の間に、例のおっぱいの件もあったわけだし。
まぁ、モタモタしている間に誰かに先を越されるかも…という央の気持ちも分からなくはないが、しかしそれは、まだ槇村に1度も告白したことがない時点での心境だろう。8回も告白している人間が、何を今さら。
「じゃあ今日行くことにする。圭ちゃん、一緒に来てね?」
「あーはいはい」
どっちみち道連れになるなら、別にいつだろうと圭人は構わない。下手に圭人がいつがいいのかを示して、それで槇村に断られたら気まずいので、央が決めてくれるに越したことはない。
「圭人は優しすぎる」
七海のその言葉を、圭人は聞こえない振りで流した。
まったく、昨日も最悪だったが、今日はさらに輪を掛けて最悪だった。
純平から逃げまくった昨日のことは、単に槇村の心と体を疲労させただけでなく、やはり同僚たちに好奇の目で見られていたようで、今日は朝から、昨日はどうしたのかとみんなに聞かれまくった。
出勤時間の早い槇村がすでに職場にいるところに、みんなが後からやって来ては、その都度聞いて来るものだから、槇村は何度『何でもない』と答えたことか。
しかし、日中あれだけ逃げ回っていたのが、最終的には純平に捕まり、肩まで組まれて帰っていったが『何でもない』では、みんな腑に落ちないのだろう、口では『そうなんですかぁ』なんて返事をしつつも、何か勝手な憶測をしているのが感じ取れて、槇村にストレスを与えた。
昨日の帰り、槇村が純平に捕まったのは逢坂のせいでもあったわけで、だからというわけでもないのだろうが、今日の逢坂は、下手に話を振って来ることはしなかったし、いつもの調子で槇村に絡もうとする純平をさりげなく槇村から離し、うまく距離感を取ってくれたので、槇村は何とか1日を乗り越えられた。
純平は、昨日のことなどまるで気にせず、むしろ央から頼まれたことをやり遂げた達成感に溢れているようにさえ見えて、逢坂がいなかったら、槇村は本当に純平のことを殴り飛ばしていたかもしれない。
非常にストレスフルな1日を終えた槇村は、さっさと帰ることを決め、席を立った。
これでまた純平に追い掛けられでもしたら大変なことになる…と、純平の様子を窺うと、彼のデスクはまだ少しも片付いていなかったので、タイミングとしては大丈夫だろう。せっかくなので、睨み付けておいた。
こんな日は酒でも飲んで嫌な気分を忘れたいところだったが、賑やかな雰囲気は今の気分ではないし、人とのコミュニケーションに疲れた1日だったから、今日はもう誰にも会いたくはなかった。
1人酒も寂しいけれど、きっとそれが、今の自分に一番合っていると思う。
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本音を言わせてもらえば、圭人だったら、絶対に今日という日は選ばない。どのくらいの期間を空けるのが適切かは分からないが、少なくとも、8回目の失恋から3日後はない。しかも、その3日の間に、例のおっぱいの件もあったわけだし。
まぁ、モタモタしている間に誰かに先を越されるかも…という央の気持ちも分からなくはないが、しかしそれは、まだ槇村に1度も告白したことがない時点での心境だろう。8回も告白している人間が、何を今さら。
「じゃあ今日行くことにする。圭ちゃん、一緒に来てね?」
「あーはいはい」
どっちみち道連れになるなら、別にいつだろうと圭人は構わない。下手に圭人がいつがいいのかを示して、それで槇村に断られたら気まずいので、央が決めてくれるに越したことはない。
「圭人は優しすぎる」
七海のその言葉を、圭人は聞こえない振りで流した。
槇村・央・圭人
まったく、昨日も最悪だったが、今日はさらに輪を掛けて最悪だった。
純平から逃げまくった昨日のことは、単に槇村の心と体を疲労させただけでなく、やはり同僚たちに好奇の目で見られていたようで、今日は朝から、昨日はどうしたのかとみんなに聞かれまくった。
出勤時間の早い槇村がすでに職場にいるところに、みんなが後からやって来ては、その都度聞いて来るものだから、槇村は何度『何でもない』と答えたことか。
しかし、日中あれだけ逃げ回っていたのが、最終的には純平に捕まり、肩まで組まれて帰っていったが『何でもない』では、みんな腑に落ちないのだろう、口では『そうなんですかぁ』なんて返事をしつつも、何か勝手な憶測をしているのが感じ取れて、槇村にストレスを与えた。
昨日の帰り、槇村が純平に捕まったのは逢坂のせいでもあったわけで、だからというわけでもないのだろうが、今日の逢坂は、下手に話を振って来ることはしなかったし、いつもの調子で槇村に絡もうとする純平をさりげなく槇村から離し、うまく距離感を取ってくれたので、槇村は何とか1日を乗り越えられた。
純平は、昨日のことなどまるで気にせず、むしろ央から頼まれたことをやり遂げた達成感に溢れているようにさえ見えて、逢坂がいなかったら、槇村は本当に純平のことを殴り飛ばしていたかもしれない。
非常にストレスフルな1日を終えた槇村は、さっさと帰ることを決め、席を立った。
これでまた純平に追い掛けられでもしたら大変なことになる…と、純平の様子を窺うと、彼のデスクはまだ少しも片付いていなかったので、タイミングとしては大丈夫だろう。せっかくなので、睨み付けておいた。
こんな日は酒でも飲んで嫌な気分を忘れたいところだったが、賑やかな雰囲気は今の気分ではないし、人とのコミュニケーションに疲れた1日だったから、今日はもう誰にも会いたくはなかった。
1人酒も寂しいけれど、きっとそれが、今の自分に一番合っていると思う。
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