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恋は七転び八起き (34)
2015.10.08 Thu
「槇村くん、絶対に教えてくれないんだもん。純平くんに聞いても知らない、て言うし」
「兄ちゃんも知らないの? 同じとこで仕事してんのに? 知ってるけど、知らないて言ってるんじゃなくて?」
「違う。スマホのアドレス帳とか、みんな見せてくれたけど、載ってなかった」
「…偽名で登録しとるとか」
「別にいいて言ってるのに、1個1個、全部誰なのか説明されたし。何なら全部電話して確認してもいいとか言うから、まぁホントに知らないんだろうな、て思ってるけど」
「………………」
兄のスマホチェックをする弟というのも大層気持ち悪いが、純平が、何ならすべて確認してもいいと提案するあたり、この兄弟のヒエラルキーが窺い知れる。
純平はどちらかというと央の恋を応援しているし、例のおっぱいの件も、わざわざ槇村に質問してやるくらいだから、槇村のことに関して央に嘘はつかないだろう。とすると、純平は本当に槇村の連絡先を知らないことになり、槇村の徹底ぶりを思い知らされる。本当に央に連絡先を知られたくないのだ。
「何か央ちゃん、アドレスとか知ったら、めっちゃメールとかしそうだもんね。すげぇ鬱陶しそう」
「何だそれ! お前になんか全然何も送ってないだろ!」
恐らく七海の言っていることは正解で、もし央が槇村の連絡先を知った日には、毎日欠かさず、それも、いわゆる意味なしメールを送りまくるだろう。この手のメールは、好きな人は好きだが、そうでない人にとっては、非常に鬱陶しいものだ。
槇村もそれを察して、頑なに連絡先を教えようとしないに違いない。しかしその結果、央が槇村の家に押し掛ける事態になっているで……一体どちらがいいものなのか、考えてしまうところではある。
「でも、アドレスとかは知らないのに、何で槇村さんちの場所は知ってるわけ? ホントにストーカーしたの? 俺、央ちゃん逮捕されたら、さすがに泣くけど」
「してないわ!」
最近の央の行動と言動を見る限り、冗談とも言い切れない冗談を言った七海は、さっそく央にど突かれる。
七海は、央のことに関しては、大体正論を言うことが多いが、その分、ど突かれることも多い。こうなることが分かっているのだから、少しは黙っていればいいのに、しかしそれだけ突っ込みどころの多い発言をしているのだろう、央は。
「じゃあ何よ」
「えー? だからぁ、初めて槇村くんに告ったのが、駅だったの。な、圭ちゃん」
「…ん」
本当のことを言えば、七海はそこまで央の槇村くん愛について知りたいわけではないのだが、さすがにどうやって家の場所を知ったのかについては興味がある。本当に央がストーカーしたわけではないことを、はっきりさせたい。
「あれ。最初に告ったときも、圭人、一緒だったんだっけ?」
「一緒、一緒。央、全然関係ない駅で、急に電車降りるんだよ。しかも俺連れて。で、改札出たとこで、いきなり槇村さんに告ったんだよね」
「何してんの、央ちゃん」
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「兄ちゃんも知らないの? 同じとこで仕事してんのに? 知ってるけど、知らないて言ってるんじゃなくて?」
「違う。スマホのアドレス帳とか、みんな見せてくれたけど、載ってなかった」
「…偽名で登録しとるとか」
「別にいいて言ってるのに、1個1個、全部誰なのか説明されたし。何なら全部電話して確認してもいいとか言うから、まぁホントに知らないんだろうな、て思ってるけど」
「………………」
兄のスマホチェックをする弟というのも大層気持ち悪いが、純平が、何ならすべて確認してもいいと提案するあたり、この兄弟のヒエラルキーが窺い知れる。
純平はどちらかというと央の恋を応援しているし、例のおっぱいの件も、わざわざ槇村に質問してやるくらいだから、槇村のことに関して央に嘘はつかないだろう。とすると、純平は本当に槇村の連絡先を知らないことになり、槇村の徹底ぶりを思い知らされる。本当に央に連絡先を知られたくないのだ。
「何か央ちゃん、アドレスとか知ったら、めっちゃメールとかしそうだもんね。すげぇ鬱陶しそう」
「何だそれ! お前になんか全然何も送ってないだろ!」
恐らく七海の言っていることは正解で、もし央が槇村の連絡先を知った日には、毎日欠かさず、それも、いわゆる意味なしメールを送りまくるだろう。この手のメールは、好きな人は好きだが、そうでない人にとっては、非常に鬱陶しいものだ。
槇村もそれを察して、頑なに連絡先を教えようとしないに違いない。しかしその結果、央が槇村の家に押し掛ける事態になっているで……一体どちらがいいものなのか、考えてしまうところではある。
「でも、アドレスとかは知らないのに、何で槇村さんちの場所は知ってるわけ? ホントにストーカーしたの? 俺、央ちゃん逮捕されたら、さすがに泣くけど」
「してないわ!」
最近の央の行動と言動を見る限り、冗談とも言い切れない冗談を言った七海は、さっそく央にど突かれる。
七海は、央のことに関しては、大体正論を言うことが多いが、その分、ど突かれることも多い。こうなることが分かっているのだから、少しは黙っていればいいのに、しかしそれだけ突っ込みどころの多い発言をしているのだろう、央は。
「じゃあ何よ」
「えー? だからぁ、初めて槇村くんに告ったのが、駅だったの。な、圭ちゃん」
「…ん」
本当のことを言えば、七海はそこまで央の槇村くん愛について知りたいわけではないのだが、さすがにどうやって家の場所を知ったのかについては興味がある。本当に央がストーカーしたわけではないことを、はっきりさせたい。
「あれ。最初に告ったときも、圭人、一緒だったんだっけ?」
「一緒、一緒。央、全然関係ない駅で、急に電車降りるんだよ。しかも俺連れて。で、改札出たとこで、いきなり槇村さんに告ったんだよね」
「何してんの、央ちゃん」
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