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恋は七転び八起き (32)
2015.10.06 Tue
「何言ってんの、圭ちゃん。1回て何?」
「へ…?」
恋人になるのは無理だから、友だちとしてでいいから、最後に槇村とお出掛けがしたい、という意味だと思ったから、本当にそれで諦めが付くのかと圭人は尋ねたのに、央に不思議そうに聞き返された。何かおかしなことを言っただろうか。
「18歳になるまでは、お友だちとしてお出掛けするじゃんか。それで、18になったら、恋人にしてもらう」
「えっ…」
冗談でもボケでもなく、本気で真面目にそう言う央に、圭人は完全に言葉を失った。がんばって視線を動かして、七海を見る。早く何か突っ込んでくれ、そう思うのに、七海もポカンと口を開けているだけで、何も言わない。そのくらい、破壊力のある発言だった。
18歳になったら恋人にしてもらう、て…………確かに18歳になれば法律の縛りはなくなるだろうが、そもそも槇村が央に恋愛感情を抱いてくれないことには恋人にはなれないのに、央の計画には肝心のその部分がない。いや、ないように思えるのは、単に央の説明不足なのか。ものすごい秘策があるけれど、今は説明を省略しているだけなのか。そんなすごい作戦があるなら、今すぐにでも決行したらいいのではないか。
いろいろな思いが渦巻き、圭人も七海も何か言おうとするのだが、言葉にならず、ただ口をパクパクするだけだ。何も言わない2人に対して、央は勝手に話を続ける。
「だって、俺が18になるまでに、槇村くんに彼氏とか出来たら困るでしょ? だから、槇村くんいっぱい誘って、いっぱい一緒にいて、槇村くんに彼氏が出来ないか見張るの!」
圭人の脳裏に、七海の言葉が蘇る――――央の思い付くことなんて、ろくなことがない。
央のピント外れの作戦に圭人が慄き、17歳とはいえ、ストーカーは犯罪だからね? と珍しく七海が焦って突っ込もうとしたタイミングで、板屋越が気怠そうに登場したので、それは叶わなかった。
*****
「どーしよぉ…、央がこのままストーカー一直線だったら…」
「でも今までの行動を思い返しても、央ちゃん、ストーカーぽいけどな」
深刻な顔で頭を抱える圭人に、七海は若干呆れ顔で返した。振られても振られても、8回も告白しに行っている時点で、絶対にストーカーだと思う。それだけ告白に付き合わされて、今さらそんなこと言うなんて、圭人の天然もかなりのものだ。
「いや、今までだって、ちょっとはそう思ってたよ? でも、改めて今日、思い知らされたというか…」
「まぁ…、朝の話、すごかったもんな。俺もちょっと焦った」
今までいろいろととんでもない作戦を思い付いては決行して来た央だが、今朝のが一番強烈で、鮮烈だ。いや、戦慄だ。今日、それに付き合わされるのかと思うと、圭人はゾッとする。
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「へ…?」
恋人になるのは無理だから、友だちとしてでいいから、最後に槇村とお出掛けがしたい、という意味だと思ったから、本当にそれで諦めが付くのかと圭人は尋ねたのに、央に不思議そうに聞き返された。何かおかしなことを言っただろうか。
「18歳になるまでは、お友だちとしてお出掛けするじゃんか。それで、18になったら、恋人にしてもらう」
「えっ…」
冗談でもボケでもなく、本気で真面目にそう言う央に、圭人は完全に言葉を失った。がんばって視線を動かして、七海を見る。早く何か突っ込んでくれ、そう思うのに、七海もポカンと口を開けているだけで、何も言わない。そのくらい、破壊力のある発言だった。
18歳になったら恋人にしてもらう、て…………確かに18歳になれば法律の縛りはなくなるだろうが、そもそも槇村が央に恋愛感情を抱いてくれないことには恋人にはなれないのに、央の計画には肝心のその部分がない。いや、ないように思えるのは、単に央の説明不足なのか。ものすごい秘策があるけれど、今は説明を省略しているだけなのか。そんなすごい作戦があるなら、今すぐにでも決行したらいいのではないか。
いろいろな思いが渦巻き、圭人も七海も何か言おうとするのだが、言葉にならず、ただ口をパクパクするだけだ。何も言わない2人に対して、央は勝手に話を続ける。
「だって、俺が18になるまでに、槇村くんに彼氏とか出来たら困るでしょ? だから、槇村くんいっぱい誘って、いっぱい一緒にいて、槇村くんに彼氏が出来ないか見張るの!」
圭人の脳裏に、七海の言葉が蘇る――――央の思い付くことなんて、ろくなことがない。
央のピント外れの作戦に圭人が慄き、17歳とはいえ、ストーカーは犯罪だからね? と珍しく七海が焦って突っ込もうとしたタイミングで、板屋越が気怠そうに登場したので、それは叶わなかった。
*****
「どーしよぉ…、央がこのままストーカー一直線だったら…」
「でも今までの行動を思い返しても、央ちゃん、ストーカーぽいけどな」
深刻な顔で頭を抱える圭人に、七海は若干呆れ顔で返した。振られても振られても、8回も告白しに行っている時点で、絶対にストーカーだと思う。それだけ告白に付き合わされて、今さらそんなこと言うなんて、圭人の天然もかなりのものだ。
「いや、今までだって、ちょっとはそう思ってたよ? でも、改めて今日、思い知らされたというか…」
「まぁ…、朝の話、すごかったもんな。俺もちょっと焦った」
今までいろいろととんでもない作戦を思い付いては決行して来た央だが、今朝のが一番強烈で、鮮烈だ。いや、戦慄だ。今日、それに付き合わされるのかと思うと、圭人はゾッとする。
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