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恋は七転び八起き (31)
2015.10.05 Mon
「18歳未満がダメだったら、恋人同士はとりあえずいいとして、お出掛けとかしない? て誘う。お金貰ってエッチなことしなかったら、大丈夫なんでしょ?」
「そういうものなのかな…。よく分かんないけど。じゃあ、お友だちとして、お出掛けするてこと?」
「うん」
「へぇー…。で、槇村さん、それならいいって? 一緒に出掛けるの」
「まだ聞いてない。今日聞きに行くから、圭ちゃん、一緒に来て?」
やっぱり…!
央は別に、恋人になれなくてもいいから、ちょっと一緒にお出掛けしてみたいなぁ、どう思う? とか、1回くらいはお出掛けしてみたいけれど、どうやって誘ったらいいかなぁ? とか、そんな質問をして、圭人から答えを聞きたかったわけではないのだ。
槇村と一緒に出掛けることも、直接槇村にその話をしに行くことも、圭人について来てもらうことも、央の中ではもう決定事項であり、単にそれを圭人に伝えたかっただけなのである。
「央ちゃん、こないだ振られたばっかりなのに、もう槇村さんに、一緒に遊びに行こ~? とか言いに行くの? バカなの?」
「何でだよ! こないだまでは、恋人にしてほしいて言ってたから断られてたけど、今度は恋人とかじゃなくて、遊びに行くの誘うだけじゃん。友だちじゃん!」
黙って話を聞いていた七海が、圭人に代わって突っ込みを入れた。何も言えずにいた圭人の気持ちを代弁してくれた……というより、央の思考回路に、突っ込まずにいられなかったのだろう。たまたま圭人よりも七海のほうが早く口を突いて出ただけに過ぎない。
「何なん、央ちゃんのそのメンタルの強さ。8回も振られた相手に、友だちでいいから一緒に遊びに行こ、とか普通言えないでしょ。まず、顔合わせたくないじゃん」
「何で。槇村くんの顔だったら、毎日でも見てたい…!」
「いや、そういう意味じゃないけど…」
振られた時点で、普通なら次があるとは考えないから、顔を見てツラい記憶を呼び戻したくないと思うだろうに、央の場合、何度振られても、次こそはうまくいくと思い込む気持ちが強すぎて、そうは考えられないようだ。ポジティブもここまで来ると、ちょっと病的だと思う。
「でも央、もしだけど、もし槇村さんが、出掛けんのいいよ、て言ってくれて、」
「圭ちゃん、『もし』て言いすぎ!」
「あ、お、うん、ゴメン、いや、何だろ……その、央はとりあえず槇村さんと1回お出掛けできれば、いいってこと? それで槇村さんのこと、諦められるの?」
「…ぅん?」
もしと言いすぎだと言われても、だってまだ実際に槇村を誘ったわけでもないし、槇村から出掛けてもいいと言われたわけでもないのだから、そう言わざるを得ないだろう。むしろ、どうしてもう、槇村と一緒に出掛けられる気でいるのだ。
それはまぁともかく、仮に槇村が一緒に出掛けてくれることになったとして、同じ相手に8回も告白して振られるという、とんでもない記録を打ち立ててもまだなおめげずに槇村に恋心を抱いている央が、1回出掛けたくらいで気が済むのなら、どうしてもっと早くそうしていなかったのだ。それでいいなら、槇村も圭人も純平も、こんな苦労をしないで済んだのに。
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「そういうものなのかな…。よく分かんないけど。じゃあ、お友だちとして、お出掛けするてこと?」
「うん」
「へぇー…。で、槇村さん、それならいいって? 一緒に出掛けるの」
「まだ聞いてない。今日聞きに行くから、圭ちゃん、一緒に来て?」
やっぱり…!
央は別に、恋人になれなくてもいいから、ちょっと一緒にお出掛けしてみたいなぁ、どう思う? とか、1回くらいはお出掛けしてみたいけれど、どうやって誘ったらいいかなぁ? とか、そんな質問をして、圭人から答えを聞きたかったわけではないのだ。
槇村と一緒に出掛けることも、直接槇村にその話をしに行くことも、圭人について来てもらうことも、央の中ではもう決定事項であり、単にそれを圭人に伝えたかっただけなのである。
「央ちゃん、こないだ振られたばっかりなのに、もう槇村さんに、一緒に遊びに行こ~? とか言いに行くの? バカなの?」
「何でだよ! こないだまでは、恋人にしてほしいて言ってたから断られてたけど、今度は恋人とかじゃなくて、遊びに行くの誘うだけじゃん。友だちじゃん!」
黙って話を聞いていた七海が、圭人に代わって突っ込みを入れた。何も言えずにいた圭人の気持ちを代弁してくれた……というより、央の思考回路に、突っ込まずにいられなかったのだろう。たまたま圭人よりも七海のほうが早く口を突いて出ただけに過ぎない。
「何なん、央ちゃんのそのメンタルの強さ。8回も振られた相手に、友だちでいいから一緒に遊びに行こ、とか普通言えないでしょ。まず、顔合わせたくないじゃん」
「何で。槇村くんの顔だったら、毎日でも見てたい…!」
「いや、そういう意味じゃないけど…」
振られた時点で、普通なら次があるとは考えないから、顔を見てツラい記憶を呼び戻したくないと思うだろうに、央の場合、何度振られても、次こそはうまくいくと思い込む気持ちが強すぎて、そうは考えられないようだ。ポジティブもここまで来ると、ちょっと病的だと思う。
「でも央、もしだけど、もし槇村さんが、出掛けんのいいよ、て言ってくれて、」
「圭ちゃん、『もし』て言いすぎ!」
「あ、お、うん、ゴメン、いや、何だろ……その、央はとりあえず槇村さんと1回お出掛けできれば、いいってこと? それで槇村さんのこと、諦められるの?」
「…ぅん?」
もしと言いすぎだと言われても、だってまだ実際に槇村を誘ったわけでもないし、槇村から出掛けてもいいと言われたわけでもないのだから、そう言わざるを得ないだろう。むしろ、どうしてもう、槇村と一緒に出掛けられる気でいるのだ。
それはまぁともかく、仮に槇村が一緒に出掛けてくれることになったとして、同じ相手に8回も告白して振られるという、とんでもない記録を打ち立ててもまだなおめげずに槇村に恋心を抱いている央が、1回出掛けたくらいで気が済むのなら、どうしてもっと早くそうしていなかったのだ。それでいいなら、槇村も圭人も純平も、こんな苦労をしないで済んだのに。
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