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恋は七転び八起き (22)
2015.09.26 Sat
「けど、人に聞かれたらダメなんです。だからひと気のないところへ…」
「おい、このままひと気のないところ向かうとか、何の罰ゲームだ」
酔っ払いが陽気に肩を組んでいるならまだしも、まだ外は明るく、しかもまだ会社の中だ。このまま社内のひと気のないところに向かうにしても、外に出て2人きりになるにしても、怪しすぎる。
「あーもうっ、ここで話せっ!」
「ちょっ槇村くんっ…!」
自分が勝手に逃げていたとはいえ、今日1日、純平に振り回されたのだ。これ以上好き勝手にされて堪るか、と槇村は純平の腕を振り払った。逃げないから、と最初に言った手前、大人しくそこに留まってはいる。律儀なのだ。
「いや、ここはちょっと…」
それなのに、純平はモゴモゴと口籠った。聞きたくもない話を聞いてやろうとしているのだ、槇村の優しさに感謝し、さっさと話を始めてもらいたい。
「あと5秒以内に話さなかったら、もう一生お前の話は聞かない」
「えっちょっ」
「ごぉ、よん、さん、にぃ、い…」
「槇村くんは、ボインのオネエちゃんが好きですか!?」
「ブッ!」
槇村のファイブカウントに慌てた純平は、ひと気のないところでないと…と言っていたことも忘れて、央から頼まれていた質問をその場でぶちまけてしまった。
純平が切羽詰って槇村のところに来るときは大体が央絡みだから、今回だってそうだと思っていたのに、まさかそんな質問が飛び出してこようとは、槇村も大いに慌てる。そりゃ、ひと気のないところに行きたいわけだ。
「おまっ…ホントおまっバッカじゃね!?」
「あばばばばばっ…」
逢坂のようにスパンッときれいに突っ込みを入れられればよかったのだが、純平の質問があまりにも突拍子のないものだったため、槇村も慌てすぎて、あたふたするしかなかった。いや、純平のセリフがとんでもないものだと、咄嗟に判断できただけでも褒めてもらいたい。
「ちょっだって5秒…!」
混乱する頭で、純平は涙目になりながら、ぶんぶんと首を横に振る。
純平は悪くない。いや、悪いのは純平だけれど、槇村が5秒以内とか言わなかったら、こんなことしなかった。焦らせた槇村が悪いのだ。純平の脳のキャパシティを甘く見ないでほしい。
「分かったから大人しくしろっ…」
「ッ…」
言われて純平は、横に振っていた首を、今度は縦にコクコクと動かす。声に反応して動くおもちゃみたいだ。
槇村は呼吸を整えながら、周囲を窺う。騒いでいる2人をそれとなく見ていく者はいるが、みんな立ち止まらずに通り過ぎて行っているし、先ほどの純平の爆弾発言が広く知れ渡っている様子はない。
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「おい、このままひと気のないところ向かうとか、何の罰ゲームだ」
酔っ払いが陽気に肩を組んでいるならまだしも、まだ外は明るく、しかもまだ会社の中だ。このまま社内のひと気のないところに向かうにしても、外に出て2人きりになるにしても、怪しすぎる。
「あーもうっ、ここで話せっ!」
「ちょっ槇村くんっ…!」
自分が勝手に逃げていたとはいえ、今日1日、純平に振り回されたのだ。これ以上好き勝手にされて堪るか、と槇村は純平の腕を振り払った。逃げないから、と最初に言った手前、大人しくそこに留まってはいる。律儀なのだ。
「いや、ここはちょっと…」
それなのに、純平はモゴモゴと口籠った。聞きたくもない話を聞いてやろうとしているのだ、槇村の優しさに感謝し、さっさと話を始めてもらいたい。
「あと5秒以内に話さなかったら、もう一生お前の話は聞かない」
「えっちょっ」
「ごぉ、よん、さん、にぃ、い…」
「槇村くんは、ボインのオネエちゃんが好きですか!?」
「ブッ!」
槇村のファイブカウントに慌てた純平は、ひと気のないところでないと…と言っていたことも忘れて、央から頼まれていた質問をその場でぶちまけてしまった。
純平が切羽詰って槇村のところに来るときは大体が央絡みだから、今回だってそうだと思っていたのに、まさかそんな質問が飛び出してこようとは、槇村も大いに慌てる。そりゃ、ひと気のないところに行きたいわけだ。
「おまっ…ホントおまっバッカじゃね!?」
「あばばばばばっ…」
逢坂のようにスパンッときれいに突っ込みを入れられればよかったのだが、純平の質問があまりにも突拍子のないものだったため、槇村も慌てすぎて、あたふたするしかなかった。いや、純平のセリフがとんでもないものだと、咄嗟に判断できただけでも褒めてもらいたい。
「ちょっだって5秒…!」
混乱する頭で、純平は涙目になりながら、ぶんぶんと首を横に振る。
純平は悪くない。いや、悪いのは純平だけれど、槇村が5秒以内とか言わなかったら、こんなことしなかった。焦らせた槇村が悪いのだ。純平の脳のキャパシティを甘く見ないでほしい。
「分かったから大人しくしろっ…」
「ッ…」
言われて純平は、横に振っていた首を、今度は縦にコクコクと動かす。声に反応して動くおもちゃみたいだ。
槇村は呼吸を整えながら、周囲を窺う。騒いでいる2人をそれとなく見ていく者はいるが、みんな立ち止まらずに通り過ぎて行っているし、先ほどの純平の爆弾発言が広く知れ渡っている様子はない。
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