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恋は七転び八起き (16)
2015.09.16 Wed
「そんなことしたら、俺、次の日から会社行けなくなるよ…。央ちゃん、お兄ちゃんがこの年でニートになってもいいの?」
「そしたら俺が純平くんのこと養ったげるよ!」
「いや…」
そんなプロポーズのような言葉を兄に投げ掛けなくとも、槇村に央が知りたがっているから、と言わせてくれればそれでいいのだが…。
「央ちゃんお願い! 槇村くんにホントのこと言わせてっ?」
「えぇ~…」
「槇村くんは、央ちゃんが槇村くんのこと好きなの知ってるし、そういう理由だって分かれば、変態だなんて思われないよ」
「…………」
「というかむしろ、俺が知りたいから、てことで聞いたら、俺が変態だって思われるじゃん? 兄ちゃんが変態だってなったら、槇村くん、余計に央ちゃんと距離置きたがるんじゃない?」
「ッ! それは困る!」
央的には、生まれてから17年も一緒にいる純平の生態は知り尽くしていて、彼が変態だろうとそうでなかろうと、今さら好きも嫌いもないが、彼の性癖によって、槇村が自分からより離れて行っては困る。
「…分かった。ホントのこと言ってもいいよ」
「よかった」
「でも! 俺が変態だって思われないように聞いてよっ? お願いだからね!?」
「う…うん…」
一体どんな聞き方をすれば、槇村がボインのオネエちゃんが好きかどうかを弟の央が知りたがっている、という質問で、央が変態だと思われないのだろう…。
願いが聞き入れられてホッとしているかわいい弟を前に、純平は溜め息をつきながらネクタイを緩めた。
始業のチャイムが鳴ったらすぐに仕事に取り掛かれるよう準備さえ整えられれば、出勤時間は決められているものではない。時間ギリギリに来る者もいれば、余裕すぎるほど余裕を持って来る者もいる。
槇村は後者だ。部署の中では、大体いつも1番か2番に出勤している。最初は後輩も合わせて早く来ていたが、槇村が余計な気を遣わなくていいと言ってからは、みんなそれぞれの時間に来るようになった。純平もそのうちの1人だ。
しかし今日は違った。純平は、いつもより何本も早い電車に乗って出勤した。央の願いを叶えるべく、槇村に会うためだ。同じ課で働く槇村とは一日中顔を突き合わせているが、内容が内容だけに、他の人がいない時間がいい。
「まっ槇村くんっ!」
純平が会社に到着すると、槇村はもうすで来ていて、ブラインドを開けているところだった。
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「そしたら俺が純平くんのこと養ったげるよ!」
「いや…」
そんなプロポーズのような言葉を兄に投げ掛けなくとも、槇村に央が知りたがっているから、と言わせてくれればそれでいいのだが…。
「央ちゃんお願い! 槇村くんにホントのこと言わせてっ?」
「えぇ~…」
「槇村くんは、央ちゃんが槇村くんのこと好きなの知ってるし、そういう理由だって分かれば、変態だなんて思われないよ」
「…………」
「というかむしろ、俺が知りたいから、てことで聞いたら、俺が変態だって思われるじゃん? 兄ちゃんが変態だってなったら、槇村くん、余計に央ちゃんと距離置きたがるんじゃない?」
「ッ! それは困る!」
央的には、生まれてから17年も一緒にいる純平の生態は知り尽くしていて、彼が変態だろうとそうでなかろうと、今さら好きも嫌いもないが、彼の性癖によって、槇村が自分からより離れて行っては困る。
「…分かった。ホントのこと言ってもいいよ」
「よかった」
「でも! 俺が変態だって思われないように聞いてよっ? お願いだからね!?」
「う…うん…」
一体どんな聞き方をすれば、槇村がボインのオネエちゃんが好きかどうかを弟の央が知りたがっている、という質問で、央が変態だと思われないのだろう…。
願いが聞き入れられてホッとしているかわいい弟を前に、純平は溜め息をつきながらネクタイを緩めた。
槇村・純平・逢坂
始業のチャイムが鳴ったらすぐに仕事に取り掛かれるよう準備さえ整えられれば、出勤時間は決められているものではない。時間ギリギリに来る者もいれば、余裕すぎるほど余裕を持って来る者もいる。
槇村は後者だ。部署の中では、大体いつも1番か2番に出勤している。最初は後輩も合わせて早く来ていたが、槇村が余計な気を遣わなくていいと言ってからは、みんなそれぞれの時間に来るようになった。純平もそのうちの1人だ。
しかし今日は違った。純平は、いつもより何本も早い電車に乗って出勤した。央の願いを叶えるべく、槇村に会うためだ。同じ課で働く槇村とは一日中顔を突き合わせているが、内容が内容だけに、他の人がいない時間がいい。
「まっ槇村くんっ!」
純平が会社に到着すると、槇村はもうすで来ていて、ブラインドを開けているところだった。
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