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恋は七転び八起き (15)
2015.09.15 Tue
「ありがとう、純平くん!」
「…で、何で知りたいのか教えてよ」
「えー? だからぁ、知りたいからだって」
「だから、何で!?」
堂々巡りの質問の応酬。央はどうしても、本当の理由を言いたくないようだ。言うのが恥ずかしいのだろうか、しかし質問の内容がもう十分恥ずかしいものだから、今さらだろう。
「央ちゃん、ホントのことを言いなさい」
「だって、槇村くんが…」
純平が表情を引き締め、静かに言葉を放つと、央はとうとう観念した。純平がテンション高くふざけているときは、央も調子に乗っていられるけれど、真面目に兄の顔をされると、やはり敵わない。
「だからぁ…、俺、槇村くんのことが好きじゃんかぁ?」
「う…うん」
「でも槇村くん、付き合ってって言っても、全然オッケーしてくれなくて…。それって槇村くんが女のほうがいいからなのかな、て…」
「え…、で、そのボインのオネエちゃんというのは…?」
「でも付き合ってみたら、男だっていいかもしれないじゃん? そう言ったら、でも槇村くんがおっぱい好きなんだったらダメだろ、て言われて。俺、おっぱいないし…」
そう言って央は項垂れた。
そのつむじを見つめながら、央にそんなことを吹き込んだ誰なのかと思いを巡らせれば、思い付く人間は2人しかいない。しかし、浮かんだ2つの顔のうち、すぐに圭人のほうは消えた。こんなろくでもないことを言うのは、七海に決まっている。
「だからお願い! 槇村くんに聞いて来て!」
「………………」
あぁ…、先ほど帰って来たときまで、玄関でのん気に『ただいま』と言ったときまで、時間を遡らせてほしい。出迎えに来てくれた央に喜んで、央の願いなら何でも聞くと言った自分を、殴り飛ばしたい。
「あの央ちゃん…」
「何?」
「その…、その質問をするとき、その理由を槇村くんに話してもいいのでしょうか…?」
「ダメ!」
「えぇ~!」
純平の怖ず怖ずとした質問は、即行で拒絶された。
「そんなんっ…、そんなこと俺が知りたがってるって知られたら、変態だって思われるじゃん!」
「いや、理由もなくそんなこと聞いたら、俺が変態だって思われる!」
「じゃあ、純平くんが知りたくなったから、てことにして!」
「そっちのほうが変態だ!」
どんな状況で、会社の先輩がボインのオネエちゃんが好きかどうかを知りたくなるのだ。確実に変態だ。大人として失格だ。
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「…で、何で知りたいのか教えてよ」
「えー? だからぁ、知りたいからだって」
「だから、何で!?」
堂々巡りの質問の応酬。央はどうしても、本当の理由を言いたくないようだ。言うのが恥ずかしいのだろうか、しかし質問の内容がもう十分恥ずかしいものだから、今さらだろう。
「央ちゃん、ホントのことを言いなさい」
「だって、槇村くんが…」
純平が表情を引き締め、静かに言葉を放つと、央はとうとう観念した。純平がテンション高くふざけているときは、央も調子に乗っていられるけれど、真面目に兄の顔をされると、やはり敵わない。
「だからぁ…、俺、槇村くんのことが好きじゃんかぁ?」
「う…うん」
「でも槇村くん、付き合ってって言っても、全然オッケーしてくれなくて…。それって槇村くんが女のほうがいいからなのかな、て…」
「え…、で、そのボインのオネエちゃんというのは…?」
「でも付き合ってみたら、男だっていいかもしれないじゃん? そう言ったら、でも槇村くんがおっぱい好きなんだったらダメだろ、て言われて。俺、おっぱいないし…」
そう言って央は項垂れた。
そのつむじを見つめながら、央にそんなことを吹き込んだ誰なのかと思いを巡らせれば、思い付く人間は2人しかいない。しかし、浮かんだ2つの顔のうち、すぐに圭人のほうは消えた。こんなろくでもないことを言うのは、七海に決まっている。
「だからお願い! 槇村くんに聞いて来て!」
「………………」
あぁ…、先ほど帰って来たときまで、玄関でのん気に『ただいま』と言ったときまで、時間を遡らせてほしい。出迎えに来てくれた央に喜んで、央の願いなら何でも聞くと言った自分を、殴り飛ばしたい。
「あの央ちゃん…」
「何?」
「その…、その質問をするとき、その理由を槇村くんに話してもいいのでしょうか…?」
「ダメ!」
「えぇ~!」
純平の怖ず怖ずとした質問は、即行で拒絶された。
「そんなんっ…、そんなこと俺が知りたがってるって知られたら、変態だって思われるじゃん!」
「いや、理由もなくそんなこと聞いたら、俺が変態だって思われる!」
「じゃあ、純平くんが知りたくなったから、てことにして!」
「そっちのほうが変態だ!」
どんな状況で、会社の先輩がボインのオネエちゃんが好きかどうかを知りたくなるのだ。確実に変態だ。大人として失格だ。
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