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恋は七転び八起き (13)
2015.09.13 Sun
央・純平
「ただいまー」
「あっ、純平くんだ!」
夕食のトンカツを口に運んでいた央は、玄関から聞こえて来た純平の声に、バタバタと玄関に駆け出した。
いつもは純平が帰って来ても知らん顔で夕食を食べている央が、顔を輝かせて純平を出迎えに行くものだから、両親は何事かと顔を見合わせた。
「純平くん、お帰りっ!」
「おぉ~央ちゃん、どうした」
純平にとっても、央のお出迎えなんて滅多にないことだから、喜びのあまり、デレッと顔を崩す。
「なぁ純平くん、お願いがあるんだけど! 聞いてくれる?」
「お願い? 何でしょう! かわいい弟のためなら、何だってしようじゃありませんか!」
「ホント!? だったらお願い! 槇村くんに、ボインのオネエちゃんが好きかどうフガッ」
何でも聞くと言った手前、純平は最後まで話を聞こうとしたが、飛び出したワードがあまりにもどえらいものだったので、慌てて央の口を塞いだ。
ここは家の玄関で、ちょっと向こうの台所には両親がいるのだ。槇村の名前だけならギリギリセーフだが、その後のボインのオネエちゃんはまずい。非常によろしくない。
「央ちゃん、お部屋行こっか?」
純平が声を潜めて尋ねると、央は黙ったままコクコクと頷いたが、果たして彼に、純平が口を塞いだ理由と、部屋に行こうと行った理由が理解できただろうか。
「純平くん、お願い! 槇村くんに、ボインのオネエちゃんが好きかどうか聞いて!」
「……………………はい?」
素直に純平の言うことを聞いて、無言で部屋まで付いて来た央は、部屋に入った途端、先ほど途中で遮られたお願いを一気に伝えた……が、純平の反応は薄かった。玄関を開けて、『ただいま』と言ったときのテンションはど
こに行ったのだろう。
「えー…っと、央ちゃん、何て?」
「ぅん? だからぁ、槇村くんに、ボインのオネエちゃんが好きかどうか聞いて?」
純平があまりにも静かに聞き返すものだから、つられたのか、央も普通の声色に戻って、しかし変わらずとんでもない内容を言うのだった。
「………………、えーっとですね、」
央にしたら、もう3度も同じことを言っているのだ。これ以上聞き返したら、確実に切れられる。しかし純平は、それでももう1度確認したかった。1度と言わず、何度でも。
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