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恋は七転び八起き (11)
2015.09.11 Fri
「だって、おっぱい…。こんなのがいいんでしょ?」
「央、やめなって!」
せっかく圭人が止めたのに、央は結局メロンパンとあんパンを自分の両胸に当てた。服の上からだが、即席の偽おっぱいの完成だ。
「あっはっはっはっ、央ちゃん、キモッ」
本はと言えば、七海のおっぱい発言が原因だというのに、七海は無責任に高笑いしている。
圭人の止める声と、七海のバカ笑いのせいで、クラスメイトの視線が3人……いや、パンでおっぱいを作っている央に向くが、それに気付いたのは圭人だけで、央は「おっぱい…、槇村くん…」と嘆き悲しんでいるだけだし、七海は笑いすぎて噎せ返っているしで、全然ダメだ。
「央、央、とりあえずそのパンを離そうか」
シュンとして俯いてしまったにも関わらず、両手のパンおっぱいだけはそのままの央に、圭人はその手首を掴んで、何とか胸からパンを退かした。
「やっぱり槇村くん、ボインのオネエちゃんが好きなのかなぁ…」
「そりゃそうでしょ、男はみんな、ボインボインのオネエちゃんが好きなんだって」
「うぅ…」
七海は追い討ちをかけると、央からあんパンを奪い返した。
「ななみん、余計なこと言わないで!」
「あっはっはっ」
涙まで浮かべて笑っている七海には、この後、央を慰める気など更々ないだろう。その役目は、そのまま圭人に回って来るのだ、勘弁してほしい。
「央、ホラ、顔上げて、ご飯食べな?」
「圭ちゃ~ん…」
素直に顔を上げた央は涙目で、人一倍の優しさを持っている圭人はそんな央が不憫でならなくて、自分の弁当から央の好物である唐揚げをつまむと、その口に入れてやった。
「でもさぁ、央ちゃんて、槇村さんのどこが好きなわけ?」
「カッコいいところ!」
大好きな唐揚げを食べて少し復活した央が(唐揚げ1つで、単純な男だ…)、七海の質問に元気よく即答する。
「何だ、外見か」
「外見だけじゃないよ、中身もカッコいい」
「例えば?」
「ぅ?」
「中身もカッコいいエピソード、教えてよ」
七海は、1度だけ槇村に会ったことがある。央が告白しに行こうとしたとき、圭人がどうしても都合が悪くて、けれど央がどうしても行くと言うから、代わりに付いて行ったのだ。外見なら、央が一目惚れしたと言ってもあり得なくはないイケメンだったが、たった1度の出会いでは、中身の良さまでは分からない。
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「央、やめなって!」
せっかく圭人が止めたのに、央は結局メロンパンとあんパンを自分の両胸に当てた。服の上からだが、即席の偽おっぱいの完成だ。
「あっはっはっはっ、央ちゃん、キモッ」
本はと言えば、七海のおっぱい発言が原因だというのに、七海は無責任に高笑いしている。
圭人の止める声と、七海のバカ笑いのせいで、クラスメイトの視線が3人……いや、パンでおっぱいを作っている央に向くが、それに気付いたのは圭人だけで、央は「おっぱい…、槇村くん…」と嘆き悲しんでいるだけだし、七海は笑いすぎて噎せ返っているしで、全然ダメだ。
「央、央、とりあえずそのパンを離そうか」
シュンとして俯いてしまったにも関わらず、両手のパンおっぱいだけはそのままの央に、圭人はその手首を掴んで、何とか胸からパンを退かした。
「やっぱり槇村くん、ボインのオネエちゃんが好きなのかなぁ…」
「そりゃそうでしょ、男はみんな、ボインボインのオネエちゃんが好きなんだって」
「うぅ…」
七海は追い討ちをかけると、央からあんパンを奪い返した。
「ななみん、余計なこと言わないで!」
「あっはっはっ」
涙まで浮かべて笑っている七海には、この後、央を慰める気など更々ないだろう。その役目は、そのまま圭人に回って来るのだ、勘弁してほしい。
「央、ホラ、顔上げて、ご飯食べな?」
「圭ちゃ~ん…」
素直に顔を上げた央は涙目で、人一倍の優しさを持っている圭人はそんな央が不憫でならなくて、自分の弁当から央の好物である唐揚げをつまむと、その口に入れてやった。
「でもさぁ、央ちゃんて、槇村さんのどこが好きなわけ?」
「カッコいいところ!」
大好きな唐揚げを食べて少し復活した央が(唐揚げ1つで、単純な男だ…)、七海の質問に元気よく即答する。
「何だ、外見か」
「外見だけじゃないよ、中身もカッコいい」
「例えば?」
「ぅ?」
「中身もカッコいいエピソード、教えてよ」
七海は、1度だけ槇村に会ったことがある。央が告白しに行こうとしたとき、圭人がどうしても都合が悪くて、けれど央がどうしても行くと言うから、代わりに付いて行ったのだ。外見なら、央が一目惚れしたと言ってもあり得なくはないイケメンだったが、たった1度の出会いでは、中身の良さまでは分からない。
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