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恋は七転び八起き (10)
2015.09.10 Thu
「何で槇村くん、俺と付き合ってくれないのかなぁ…?」
はぁ…と溜め息を零して、央は半分ほど食べた焼きそばパンを机に置いた。先ほどの七海の言葉には、答える気はないようだ。
「央ちゃんが男だからじゃない?」
自分の話が無視されたことは特に気にせず、七海は結構デリケートな央の質問に、あっさりばっさり、何のデリカシーもなく答えた。
男である央に告白されて、それを気持ち悪がったり嫌悪したりすることはないから、少なくとも同性愛に対して偏見はなさそうだが、だからといって、槇村も男が好きかと言ったら、必ずしもそうとは限らないだろう。
「槇村くん、女のほうが好きなのかなぁ…?」
「そうなんじゃない? 知らんけど」
適当に答えて、七海はパックの牛乳を吸い込んだ。そういえば七海はよく牛乳を飲んでいるけれど、やっぱり牛乳を飲むとこうも身長が高くなるのか…と、170cm台にも届かない圭人はしばしば思う。
「でもさぁ! 付き合ってみたら、おっ…男だっていいかもよ…?」
「いや…、それ、俺らに言われても…」
急に力強く声を上げて、でも内容が内容だけに最後は声を潜めて央はそう言ったけれど、それを七海や圭人に言われても困る。
「じゃあ、槇村くんに言ってみたらいいの? そしたらオッケーしてくれるかな!?」
「どうだろうなぁ…」
「何だよ! お前が、何かしろとか、俺らに言っても…とか言ったんだろ!」
七海の発言だけ考えれば、朝から切れどころはたくさんあったはずなのに、なぜか今さらこんなタイミングでぶち切れた央に、しかし七海はのん気に構えているから、圭人が代わりに央を宥めてやった。
「あぁ~もう、何でなの槇村くんっ…」
「んー…アレなんじゃない? 槇村さん、めっちゃおっぱい好きとか」
「は?」
「だって央ちゃん、全然おっぱいないじゃん? おっぱい好きなら、男もいいかも…とは思わなくない?」
「そ…そっかぁ…」
何だその理論は、と圭人は呆れた気持ちで七海を見たが、央にはものすごく説得力のある説明だったようで、七海に尊敬の眼差しを向けていた。
ちなみに、一回り以上年上の槇村のことを、当然圭人も七海も『さん付け』で呼ぶが、兄の純平の影響からか、央は普通に『槇村くん』と呼んでいるのだ。
「おっぱい…」
央は、焼きそばパンの次に食べるつもりだったメロンパンと、七海が封を開けようとしていたあんパンを手に取ると、おもむろにそれを自分の胸元へと持って行った。
「央!」
慌ててそれを止めたのは圭人だ。七海はあんパンを取られて、え~ちょっとぉ、みたいな顔をしたが、それはあんパンに対しての執着だけで、その後の央の行動など気にしていない。
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はぁ…と溜め息を零して、央は半分ほど食べた焼きそばパンを机に置いた。先ほどの七海の言葉には、答える気はないようだ。
「央ちゃんが男だからじゃない?」
自分の話が無視されたことは特に気にせず、七海は結構デリケートな央の質問に、あっさりばっさり、何のデリカシーもなく答えた。
男である央に告白されて、それを気持ち悪がったり嫌悪したりすることはないから、少なくとも同性愛に対して偏見はなさそうだが、だからといって、槇村も男が好きかと言ったら、必ずしもそうとは限らないだろう。
「槇村くん、女のほうが好きなのかなぁ…?」
「そうなんじゃない? 知らんけど」
適当に答えて、七海はパックの牛乳を吸い込んだ。そういえば七海はよく牛乳を飲んでいるけれど、やっぱり牛乳を飲むとこうも身長が高くなるのか…と、170cm台にも届かない圭人はしばしば思う。
「でもさぁ! 付き合ってみたら、おっ…男だっていいかもよ…?」
「いや…、それ、俺らに言われても…」
急に力強く声を上げて、でも内容が内容だけに最後は声を潜めて央はそう言ったけれど、それを七海や圭人に言われても困る。
「じゃあ、槇村くんに言ってみたらいいの? そしたらオッケーしてくれるかな!?」
「どうだろうなぁ…」
「何だよ! お前が、何かしろとか、俺らに言っても…とか言ったんだろ!」
七海の発言だけ考えれば、朝から切れどころはたくさんあったはずなのに、なぜか今さらこんなタイミングでぶち切れた央に、しかし七海はのん気に構えているから、圭人が代わりに央を宥めてやった。
「あぁ~もう、何でなの槇村くんっ…」
「んー…アレなんじゃない? 槇村さん、めっちゃおっぱい好きとか」
「は?」
「だって央ちゃん、全然おっぱいないじゃん? おっぱい好きなら、男もいいかも…とは思わなくない?」
「そ…そっかぁ…」
何だその理論は、と圭人は呆れた気持ちで七海を見たが、央にはものすごく説得力のある説明だったようで、七海に尊敬の眼差しを向けていた。
ちなみに、一回り以上年上の槇村のことを、当然圭人も七海も『さん付け』で呼ぶが、兄の純平の影響からか、央は普通に『槇村くん』と呼んでいるのだ。
「おっぱい…」
央は、焼きそばパンの次に食べるつもりだったメロンパンと、七海が封を開けようとしていたあんパンを手に取ると、おもむろにそれを自分の胸元へと持って行った。
「央!」
慌ててそれを止めたのは圭人だ。七海はあんパンを取られて、え~ちょっとぉ、みたいな顔をしたが、それはあんパンに対しての執着だけで、その後の央の行動など気にしていない。
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