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恋は七転び八起き (7)
2015.09.07 Mon
「『また』言うなぁ…」
「『また』じゃん。『また』告白しに行って、『また』振られたんでしょ?」
圭人よりも情け容赦なく言い切った七海に、央はもう突っ込む気力もないのか、再び机に突っ伏した。その様子に七海は、ちょっと冷たくし過ぎたか…とも思ったが、しかし、このくらいのことを言われても仕方のないことをしているとも思う。
だって、もう8回だ。8回も振られている。確かに失恋は、人を地の底まで凹ませる。立ち直れない気持ちにさせる。何度経験したって、慣れるものではないとは思う。けれどそれは、失恋して、新たな恋に向かったものの、また失恋してしまった場合だろう。同じ相手に8回も振られたら、いい加減、耐性が出来ていてもよさそうだ。
「てか、こんだけ振られてんのに、また告りに行けるって、すごいわ、央ちゃん。ホント尊敬する。普通、8回も告る前に諦めるって」
「ななみん…、それ誉めてない…」
圭人もわりと空気は読めないほうだが、七海ほどではないと思う。圭人だって、央のこの8回の告白と失恋には呆れたというか、飽きたというか、そんなだけれど、それを央に言う勇気はない。まぁ七海の場合、分かっていて言っているところもあるのだろうが、央にダメージを与えているという意味では、自覚の有無は関係ない。
「ううぅ…明日こそは…」
「え、明日? まさか明日も行く気?」
顔を上げないまま、弱々しい声で新たな決意を固め出した央に、声を上げたのは圭人だった。思わず嫌そうな顔をしてしまったが、央は机に伏していて、圭人のことを見ていなかったから、まぁセーフだろう。
「明日も行く! 今度こそは…」
「今度こそ、て…、もう8回も振られてんのに、何で今度こそはオッケーしてもらえるとか思ってんの?」
「………………」
せっかく央が『明日も行く!』と元気よく顔を上げたのに、七海の余計な一言で、再び机のお友だちになった。 圭人は七海を睨もうと思ったが、この一言で、央が明日の告白を断念してくれたらそれに越したことはないので、やめておいた。もし告白しに行くとなったら、どうせまた圭人が付き合わされるのだ。
「でも、今度こそはオッケーしてくれるかもしれないじゃん…?」
「だから、その根拠て何! 昨日と明日で何が変わんの? 今日何かするわけ?」
「…………」
七海に矢継ぎ早に言われて、央は黙り込んだ。
これが8回も同じ相手に告白して、振られた男のやることだろうか。数打ちゃ当たる理論もいいけれど、何か告白を成功させるための行動だとか駆け引きだとかなしに、ただ告白しているだけでは、一生オッケーの返事なんて貰えないだろう。9回目の告白をしに行く前に、央はそこのところをもう少し考えたほうがいい。でなければ、七海は断言できる、9回目の告白も失敗だ。
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「『また』じゃん。『また』告白しに行って、『また』振られたんでしょ?」
圭人よりも情け容赦なく言い切った七海に、央はもう突っ込む気力もないのか、再び机に突っ伏した。その様子に七海は、ちょっと冷たくし過ぎたか…とも思ったが、しかし、このくらいのことを言われても仕方のないことをしているとも思う。
だって、もう8回だ。8回も振られている。確かに失恋は、人を地の底まで凹ませる。立ち直れない気持ちにさせる。何度経験したって、慣れるものではないとは思う。けれどそれは、失恋して、新たな恋に向かったものの、また失恋してしまった場合だろう。同じ相手に8回も振られたら、いい加減、耐性が出来ていてもよさそうだ。
「てか、こんだけ振られてんのに、また告りに行けるって、すごいわ、央ちゃん。ホント尊敬する。普通、8回も告る前に諦めるって」
「ななみん…、それ誉めてない…」
圭人もわりと空気は読めないほうだが、七海ほどではないと思う。圭人だって、央のこの8回の告白と失恋には呆れたというか、飽きたというか、そんなだけれど、それを央に言う勇気はない。まぁ七海の場合、分かっていて言っているところもあるのだろうが、央にダメージを与えているという意味では、自覚の有無は関係ない。
「ううぅ…明日こそは…」
「え、明日? まさか明日も行く気?」
顔を上げないまま、弱々しい声で新たな決意を固め出した央に、声を上げたのは圭人だった。思わず嫌そうな顔をしてしまったが、央は机に伏していて、圭人のことを見ていなかったから、まぁセーフだろう。
「明日も行く! 今度こそは…」
「今度こそ、て…、もう8回も振られてんのに、何で今度こそはオッケーしてもらえるとか思ってんの?」
「………………」
せっかく央が『明日も行く!』と元気よく顔を上げたのに、七海の余計な一言で、再び机のお友だちになった。 圭人は七海を睨もうと思ったが、この一言で、央が明日の告白を断念してくれたらそれに越したことはないので、やめておいた。もし告白しに行くとなったら、どうせまた圭人が付き合わされるのだ。
「でも、今度こそはオッケーしてくれるかもしれないじゃん…?」
「だから、その根拠て何! 昨日と明日で何が変わんの? 今日何かするわけ?」
「…………」
七海に矢継ぎ早に言われて、央は黙り込んだ。
これが8回も同じ相手に告白して、振られた男のやることだろうか。数打ちゃ当たる理論もいいけれど、何か告白を成功させるための行動だとか駆け引きだとかなしに、ただ告白しているだけでは、一生オッケーの返事なんて貰えないだろう。9回目の告白をしに行く前に、央はそこのところをもう少し考えたほうがいい。でなければ、七海は断言できる、9回目の告白も失敗だ。
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