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恋は七転び八起き (5)
2015.09.05 Sat
「あのな…、もう何回も言ってるけど、俺、男だからな?」
「知ってるよぉ。で、央ちゃんも男だ、て言いたいんだろ? みなまで言わないで!」
「言わなくても分かるんだったら、何とかしろっ」
セクシャルマイノリティに対して、偏見を持っているわけではない。しかし自分は、恋愛するなら男より女のほうがいいわけで、それについては央にももう何遍も言っているし、それと同じだけの回数は純平にも言っているのだ。それなのに、どうして央にはそれが伝わらず、加えて純平にもそれが伝わらないのだ。まったく、嘆いても嘆き切れない。
「でもそんなの、付き合ってもみないで、勝手に決め付けたらダメだよぉ。付き合ってみたら、すっごいいいかもしれないじゃん。やりもしないで諦めたらダメだよ、槇村くん!」
「いや…、そんなすごいいい感じで言わないで」
青春ドラマのノリを引っ張り出して来る純平に、槇村は怒りを通り越して、溜め息をついた。央に告白されたことについて、兄である純平に苦情を申し立てれば、逆に自分が疲れるはめになることは、それこそ央が告白して来たのと同じだけの回数、槇村は経験しているというのに、それでも言いたくなる気持ちを、少しは察してほしい。
「お前、自分の弟の年齢知らないわけじゃないだろ?」
「ピッチピチの17歳でっす」
「俺は34のおっさんだぞ?」
「槇村くん…、愛に年齢は関係ないんだよ…?」
「そのキャラやめろ、腹立つ」
無意味なカッコ付けキャラを再登場させた純平は、当然ながら、槇村に先ほどよりも強く頭をど突かれた。
「100万歩譲って男同士はいいとして、高校生はダメだろうが」
「そんなん大丈夫だって、槇村くん。相思相愛なら逮捕されないから!」
「軽々しい!」
何度ど突かれても、純平は平気でとんでもないことを口走る。むしろ、ど突かれすぎて、どうにかなってしまったんだろうか。
というか、今の時代、確かに性別やら恋愛対象やらは多様化してきているけれど、それでも、実の弟が17歳にして男に走ろうとしていたら、普通、兄として全力で止めるものだと思う。それを、どうしてこの男は積極的に応援しているのだろう…。
「とにかく! お前はちゃんと央を教育しろ! 兄貴だろ!」
「あぁん、槇村くん、怖いぃ~」
「…………」
兄がこんな調子だから、弟もああなってしまうのだろうか。他人の弟ながら、槇村は本気で心配になって来る。央には健やかに真っ直ぐに育ってもらいたいのに。
コイツには何を言っても無駄だ…と、槇村はそう思い、溜め息を零した。これで8回目のことだ。
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「知ってるよぉ。で、央ちゃんも男だ、て言いたいんだろ? みなまで言わないで!」
「言わなくても分かるんだったら、何とかしろっ」
セクシャルマイノリティに対して、偏見を持っているわけではない。しかし自分は、恋愛するなら男より女のほうがいいわけで、それについては央にももう何遍も言っているし、それと同じだけの回数は純平にも言っているのだ。それなのに、どうして央にはそれが伝わらず、加えて純平にもそれが伝わらないのだ。まったく、嘆いても嘆き切れない。
「でもそんなの、付き合ってもみないで、勝手に決め付けたらダメだよぉ。付き合ってみたら、すっごいいいかもしれないじゃん。やりもしないで諦めたらダメだよ、槇村くん!」
「いや…、そんなすごいいい感じで言わないで」
青春ドラマのノリを引っ張り出して来る純平に、槇村は怒りを通り越して、溜め息をついた。央に告白されたことについて、兄である純平に苦情を申し立てれば、逆に自分が疲れるはめになることは、それこそ央が告白して来たのと同じだけの回数、槇村は経験しているというのに、それでも言いたくなる気持ちを、少しは察してほしい。
「お前、自分の弟の年齢知らないわけじゃないだろ?」
「ピッチピチの17歳でっす」
「俺は34のおっさんだぞ?」
「槇村くん…、愛に年齢は関係ないんだよ…?」
「そのキャラやめろ、腹立つ」
無意味なカッコ付けキャラを再登場させた純平は、当然ながら、槇村に先ほどよりも強く頭をど突かれた。
「100万歩譲って男同士はいいとして、高校生はダメだろうが」
「そんなん大丈夫だって、槇村くん。相思相愛なら逮捕されないから!」
「軽々しい!」
何度ど突かれても、純平は平気でとんでもないことを口走る。むしろ、ど突かれすぎて、どうにかなってしまったんだろうか。
というか、今の時代、確かに性別やら恋愛対象やらは多様化してきているけれど、それでも、実の弟が17歳にして男に走ろうとしていたら、普通、兄として全力で止めるものだと思う。それを、どうしてこの男は積極的に応援しているのだろう…。
「とにかく! お前はちゃんと央を教育しろ! 兄貴だろ!」
「あぁん、槇村くん、怖いぃ~」
「…………」
兄がこんな調子だから、弟もああなってしまうのだろうか。他人の弟ながら、槇村は本気で心配になって来る。央には健やかに真っ直ぐに育ってもらいたいのに。
コイツには何を言っても無駄だ…と、槇村はそう思い、溜め息を零した。これで8回目のことだ。
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