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恋は七転び八起き (4)
2015.09.04 Fri
「おぉ~っと槇村くん、どうしちゃったのかなぁ~、朝からそんな顔してぇ!」
朝の挨拶もそこそこに、変な動きをしながら声を掛けて来た純平に、槇村は殺意を覚えたが、とりあえず殴り飛ばすのだけは何とか堪えた。こんなことで、社会的地位を失いたくない。
「やかましいわ。お前が、アホな弟をちゃんと躾けとけば、こんな顔しないで済むんだよ」
「弟…、央ちゃんのこと?」
「他に誰がいるんだよ!」
動きを止めた純平は、キョトンと聞き返した。
純平の弟といえば央しかいないわけで、今さらなことを聞いて来る純平に槇村の苛立ちは募るが、それに加えて、純平が動きを止めた瞬間が、まさに絶賛変な動き中だったため、結果、変なポーズを取ることになり、それが余計に槇村を苛立たせた。
「そうだよねぇ! さすがに親父もお袋も、もうがんばらんよなぁ!」
「デカい声で何言ってんだっ」
純平と央の年齢が一回りも離れているからといって、央の下にさらに年の離れた兄弟がいるとは、槇村だって思ってはいない。独身の槇村が言えたことではないが、もしそんな年齢の子どもが深山家から登場したら、それは純平と央の兄弟ではなく、普通に純平の子どもでなければならないだろう。
「でっ? 僕のかわいい弟がどうしたって?」
「………………、あぁ…、そうだよな、お前がアホだもんな…。アホの弟、躾けられるわけないよな…」
「ちょっ! アホアホ言い過ぎ!」
格好を付けた口調で、それっぽいポーズを決めて尋ねて来た純平に、槇村は冷ややかな視線を返す。弟がアホなら、兄も大概アホだ。兄貴に期待するのはやめておこう。
「何、槇村くん。央ちゃんが何したん?」
「…お前の弟が俺にすることといったら、1個しかないだろ」
槇村が心底怒っているのがようやく伝わったのか、純平は今度こそ大人しく姿勢を正して、真面目に聞き返した。その今さら過ぎる質問と、正した姿勢――――小学生のような気を付けが、槇村の機嫌をさらに悪くしているとは、思ってもいないに違いない。
「また告りに行ったん? そんなの槇村くんがオッケーしたったらいいだけの話でしょ」
「出来るか、アホっ!」
お前は自分の弟が17歳というティーンエージャーだということを忘れたのか! と、ここが会社で、周りに同僚やら後輩やら上司やらがいなかったら、槇村は声を張り上げて突っ込んでいただろう。それを何とか普通の突っ込みだけで乗り切ったところを、褒めてもらいたい。
「何でよ、槇村くん、央ちゃんのこと嫌い?」
「そういうことじゃねぇだろっ」
「そういうことだろ! それ以外に何があるんだっ!」
槇村としては、なるべく声を潜めて話しているのだが、純平の話につい声が大きくなってしまい、それにつられたのか、単にテンションが暴走したのか知らないが、純平まで声が大きくなるので、無駄に焦る。逢坂ほどうまくはないが、とりあえず純平の頭をバシッと叩いておいた。
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朝の挨拶もそこそこに、変な動きをしながら声を掛けて来た純平に、槇村は殺意を覚えたが、とりあえず殴り飛ばすのだけは何とか堪えた。こんなことで、社会的地位を失いたくない。
「やかましいわ。お前が、アホな弟をちゃんと躾けとけば、こんな顔しないで済むんだよ」
「弟…、央ちゃんのこと?」
「他に誰がいるんだよ!」
動きを止めた純平は、キョトンと聞き返した。
純平の弟といえば央しかいないわけで、今さらなことを聞いて来る純平に槇村の苛立ちは募るが、それに加えて、純平が動きを止めた瞬間が、まさに絶賛変な動き中だったため、結果、変なポーズを取ることになり、それが余計に槇村を苛立たせた。
「そうだよねぇ! さすがに親父もお袋も、もうがんばらんよなぁ!」
「デカい声で何言ってんだっ」
純平と央の年齢が一回りも離れているからといって、央の下にさらに年の離れた兄弟がいるとは、槇村だって思ってはいない。独身の槇村が言えたことではないが、もしそんな年齢の子どもが深山家から登場したら、それは純平と央の兄弟ではなく、普通に純平の子どもでなければならないだろう。
「でっ? 僕のかわいい弟がどうしたって?」
「………………、あぁ…、そうだよな、お前がアホだもんな…。アホの弟、躾けられるわけないよな…」
「ちょっ! アホアホ言い過ぎ!」
格好を付けた口調で、それっぽいポーズを決めて尋ねて来た純平に、槇村は冷ややかな視線を返す。弟がアホなら、兄も大概アホだ。兄貴に期待するのはやめておこう。
「何、槇村くん。央ちゃんが何したん?」
「…お前の弟が俺にすることといったら、1個しかないだろ」
槇村が心底怒っているのがようやく伝わったのか、純平は今度こそ大人しく姿勢を正して、真面目に聞き返した。その今さら過ぎる質問と、正した姿勢――――小学生のような気を付けが、槇村の機嫌をさらに悪くしているとは、思ってもいないに違いない。
「また告りに行ったん? そんなの槇村くんがオッケーしたったらいいだけの話でしょ」
「出来るか、アホっ!」
お前は自分の弟が17歳というティーンエージャーだということを忘れたのか! と、ここが会社で、周りに同僚やら後輩やら上司やらがいなかったら、槇村は声を張り上げて突っ込んでいただろう。それを何とか普通の突っ込みだけで乗り切ったところを、褒めてもらいたい。
「何でよ、槇村くん、央ちゃんのこと嫌い?」
「そういうことじゃねぇだろっ」
「そういうことだろ! それ以外に何があるんだっ!」
槇村としては、なるべく声を潜めて話しているのだが、純平の話につい声が大きくなってしまい、それにつられたのか、単にテンションが暴走したのか知らないが、純平まで声が大きくなるので、無駄に焦る。逢坂ほどうまくはないが、とりあえず純平の頭をバシッと叩いておいた。
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けいったん ⇒ No title
残念・・・(´。_。`)ゞぅぅぅ
今日の話しで 浮かんだ言葉です!
だって 弟がアレなら 兄もコレなんですもの
普通 兄弟って 下の子の方は 上を見て育ち、どうすれば 親に怒られないかとか 世の中を上手く渡って行けるかとか 学ぶものなのに…(;¬д)(д¬;)ネェ
兄が居る私が言うのですから これは 間違いないと思います!(笑)
残念な兄弟と関わってしまった槇村、御払いでも してもらったら?
御払いの塩マイトコ!(,,`・ω´・)ノ∵'・∵...byebye☆
今日の話しで 浮かんだ言葉です!
だって 弟がアレなら 兄もコレなんですもの
普通 兄弟って 下の子の方は 上を見て育ち、どうすれば 親に怒られないかとか 世の中を上手く渡って行けるかとか 学ぶものなのに…(;¬д)(д¬;)ネェ
兄が居る私が言うのですから これは 間違いないと思います!(笑)
残念な兄弟と関わってしまった槇村、御払いでも してもらったら?
御払いの塩マイトコ!(,,`・ω´・)ノ∵'・∵...byebye☆
- |2015.09.04
- |Fri
- |12:58
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
弟がアレで、兄がコレ。
残念とは、まさにこのことでしょう。
兄から何も学ばない央たん。年が離れすぎているせい…というには、理由が足らないですよね。。。
> 残念な兄弟と関わってしまった槇村、御払いでも してもらったら?
> 御払いの塩マイトコ!(,,`・ω´・)ノ∵'・∵...byebye☆
お祓い!!
確かに彼には必要かも…。
コメントありがとうございました!
残念とは、まさにこのことでしょう。
兄から何も学ばない央たん。年が離れすぎているせい…というには、理由が足らないですよね。。。
> 残念な兄弟と関わってしまった槇村、御払いでも してもらったら?
> 御払いの塩マイトコ!(,,`・ω´・)ノ∵'・∵...byebye☆
お祓い!!
確かに彼には必要かも…。
コメントありがとうございました!
- |2015.09.04
- |Fri
- |22:28
- |URL
- |EDIT|