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恋は七転び八起き (2)
2015.09.02 Wed
それは、毎度央の告白に付き合わされている圭人も同じようで、初めのうちこそ一緒にドキドキと槇村の返事を待っていたけれど、今ではもう、答えなど聞くまでもないと言わんばかりに無関心。今日なんて、逃げた槇村を捕まえるのには協力したものの、央が槇村に告白するころには、時間を潰すためにスマホを構っていた。
こういうところが、やはり圭人も高校生だ。子どもだ。大人なら、心の中でどんなにそう思っていたって、少なくとも表には出さない。それが礼儀だ。
しかし、それでも8回もこんなことに付き合ってやる圭人は優しく、友情に厚い男だと思う。もし槇村だったら、2度目の時点で、ない。
「あのなぁ、央…」
槇村は頭を抱えて、目の前で真剣な表情をしている央と、その少し後ろで、特に何の感情もなさそうにスマホを弄くっている圭人を見た。
「あー待って、槇村くん! 何も言わないで! 怖いっ!」
槇村が言葉を続けようとするよりも一瞬早く、央は両手で耳を塞ぎ、捲し立てた。槇村の返事を聞くのが怖いらしい。
何を今さら、と思う。央が今日で8回目の告白をしているのは、もうすでに7回槇村に告白をして7回とも断られたからであり、そこまでの連敗記録を持ちながら、怖いも何も。
告白の返事を待つのに胸が詰まるような思いがするのは分かるが、さすがに同じ相手にこれだけ告白していたら、いい加減、慣れてもいい。
「……………………槇村くん、何か言ってよぉ~…」
「いや、お前が黙れ、て言ったんだろ」
耳を塞ぐついでに目もギュウと閉じていた央が、しばらく続いた沈黙に恐る恐る目を開けて情けない声で訴えたので、央の言葉どおりにしていた槇村は、仕方なく突っ込んでやった。
「あのな、央、毎回言ってるけど、お前とは付き合えないんだって。分かるだろ?」
「分かんない! 何で? 槇村くん、俺のこと嫌いなの!?」
「そうじゃないけど、」
「なら付き合ってよ!」
「だからぁ!」
この堂々巡りの会話を断ち切るには、央に『俺のこと嫌いなの!?』と問われたとき、嫌いだと答えればいいのだろうけれど、残念ながら槇村は、そこまできっぱりと言えるほど、央のことを嫌っているわけではない。
しかしそれは飽くまで友情、友人としてであって、恋愛感情があるとか、恋人同士になりたいとか、そういうことではない。言葉は同じ『好き』でも、央と槇村の想いはまったく別なのだ。
そもそも、もし槇村が央のことを、いわゆるlikeでなくloveで好きだとしても、17歳と34歳だ。ダブルスコアだ。付き合えるわけがない。
「央~」
何で伝わらへんのやっ、と槇村が地団太を踏みそうになったところで、気の抜けた声が央を呼んだ。央が槇村に告白をしている間中、ずっとスマホを弄っていた圭人だ。圭人は、よく分からないキラキラしたヤツでデコレーションされたスマホをカバンにしまうと、肩を竦めて央の横に立った。
back next
こういうところが、やはり圭人も高校生だ。子どもだ。大人なら、心の中でどんなにそう思っていたって、少なくとも表には出さない。それが礼儀だ。
しかし、それでも8回もこんなことに付き合ってやる圭人は優しく、友情に厚い男だと思う。もし槇村だったら、2度目の時点で、ない。
「あのなぁ、央…」
槇村は頭を抱えて、目の前で真剣な表情をしている央と、その少し後ろで、特に何の感情もなさそうにスマホを弄くっている圭人を見た。
「あー待って、槇村くん! 何も言わないで! 怖いっ!」
槇村が言葉を続けようとするよりも一瞬早く、央は両手で耳を塞ぎ、捲し立てた。槇村の返事を聞くのが怖いらしい。
何を今さら、と思う。央が今日で8回目の告白をしているのは、もうすでに7回槇村に告白をして7回とも断られたからであり、そこまでの連敗記録を持ちながら、怖いも何も。
告白の返事を待つのに胸が詰まるような思いがするのは分かるが、さすがに同じ相手にこれだけ告白していたら、いい加減、慣れてもいい。
「……………………槇村くん、何か言ってよぉ~…」
「いや、お前が黙れ、て言ったんだろ」
耳を塞ぐついでに目もギュウと閉じていた央が、しばらく続いた沈黙に恐る恐る目を開けて情けない声で訴えたので、央の言葉どおりにしていた槇村は、仕方なく突っ込んでやった。
「あのな、央、毎回言ってるけど、お前とは付き合えないんだって。分かるだろ?」
「分かんない! 何で? 槇村くん、俺のこと嫌いなの!?」
「そうじゃないけど、」
「なら付き合ってよ!」
「だからぁ!」
この堂々巡りの会話を断ち切るには、央に『俺のこと嫌いなの!?』と問われたとき、嫌いだと答えればいいのだろうけれど、残念ながら槇村は、そこまできっぱりと言えるほど、央のことを嫌っているわけではない。
しかしそれは飽くまで友情、友人としてであって、恋愛感情があるとか、恋人同士になりたいとか、そういうことではない。言葉は同じ『好き』でも、央と槇村の想いはまったく別なのだ。
そもそも、もし槇村が央のことを、いわゆるlikeでなくloveで好きだとしても、17歳と34歳だ。ダブルスコアだ。付き合えるわけがない。
「央~」
何で伝わらへんのやっ、と槇村が地団太を踏みそうになったところで、気の抜けた声が央を呼んだ。央が槇村に告白をしている間中、ずっとスマホを弄っていた圭人だ。圭人は、よく分からないキラキラしたヤツでデコレーションされたスマホをカバンにしまうと、肩を竦めて央の横に立った。
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けいったん ⇒ 如月さま~お帰り~♪ヽ(^____^)ノ
「おぉ!(* '∀'人) 央くん、凄い!」と、まず 最初に思った事♪
7回も告って 断られても 8回目にも挑戦するなんて~
どういう 神経をしているんだろうか?
それに 圭人も!
最初より態度は変わったにせよ 8回も付き添うなんて・・・ 不思議くんですよね!
まぁ 央くんの言動を見れば 圭人が 何を言おうが 聞く耳持たないでしょうけど。。。( *´艸`)クスクス♪
そして 槇村さん
断っても断っても 告ってくる央に弱り果てているようですね。
今回の8回目の様に きっと 今までも ノラリ~クラリ~な態度と言葉で躱して来たんでしょう
でも ソノ気が 本当に無いなら ここは 心を鬼にして キッパリ冷淡にすべなんじゃないのかな?
絶対に 無理だろうな…(笑)
私の住んでる所は、夜は やっとやっとエアコン無しで 過ごせる様になって来ました。
しかし 日中の屋外の紫外線は まだまだハンパないですし、雨なら雨で 蒸すしで 早く 爽やかない秋が来て欲しいと。
でも 食欲の秋がぁ~~~~!o(⌒囗⌒)oΨ イッタダキマーーース!!...byebye☆
7回も告って 断られても 8回目にも挑戦するなんて~
どういう 神経をしているんだろうか?
それに 圭人も!
最初より態度は変わったにせよ 8回も付き添うなんて・・・ 不思議くんですよね!
まぁ 央くんの言動を見れば 圭人が 何を言おうが 聞く耳持たないでしょうけど。。。( *´艸`)クスクス♪
そして 槇村さん
断っても断っても 告ってくる央に弱り果てているようですね。
今回の8回目の様に きっと 今までも ノラリ~クラリ~な態度と言葉で躱して来たんでしょう
でも ソノ気が 本当に無いなら ここは 心を鬼にして キッパリ冷淡にすべなんじゃないのかな?
絶対に 無理だろうな…(笑)
私の住んでる所は、夜は やっとやっとエアコン無しで 過ごせる様になって来ました。
しかし 日中の屋外の紫外線は まだまだハンパないですし、雨なら雨で 蒸すしで 早く 爽やかない秋が来て欲しいと。
でも 食欲の秋がぁ~~~~!o(⌒囗⌒)oΨ イッタダキマーーース!!...byebye☆
- |2015.09.02
- |Wed
- |11:44
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
> 「おぉ!(* '∀'人) 央くん、凄い!」と、まず 最初に思った事♪
> 7回も告って 断られても 8回目にも挑戦するなんて~
> どういう 神経をしているんだろうか?
ホント……どういう神経をしているのか。
初めはもっと多い回数で書いてたんですけど(倍くらい…)、さすがに多すぎるかな、と思って8回にしたんです。それでも多い…。
それに付き合ってあげる圭人くんは、ホントいい子です。でも、友だちだったら、もっと真剣に止めてあげてもいいですよね…
(苦笑)
槇村さん、受難編です。
暑い暑いと言っていた日が嘘みたいな涼しさになりましたよね。
今年は何だかんだ言って、夏がすごく短かった気がします。というか、8月があっという間に過ぎた…。
暑さが和らいだのはいいけれど、私の住んでいるところは、冬は豪雪ですから、涼しくなってくると、冬のことを考え始めないと…て感じです。
季節の変わり目、体調に気を付けてくださいね。
コメントありがとうございました!
> 7回も告って 断られても 8回目にも挑戦するなんて~
> どういう 神経をしているんだろうか?
ホント……どういう神経をしているのか。
初めはもっと多い回数で書いてたんですけど(倍くらい…)、さすがに多すぎるかな、と思って8回にしたんです。それでも多い…。
それに付き合ってあげる圭人くんは、ホントいい子です。でも、友だちだったら、もっと真剣に止めてあげてもいいですよね…
(苦笑)
槇村さん、受難編です。
暑い暑いと言っていた日が嘘みたいな涼しさになりましたよね。
今年は何だかんだ言って、夏がすごく短かった気がします。というか、8月があっという間に過ぎた…。
暑さが和らいだのはいいけれど、私の住んでいるところは、冬は豪雪ですから、涼しくなってくると、冬のことを考え始めないと…て感じです。
季節の変わり目、体調に気を付けてくださいね。
コメントありがとうございました!
- |2015.09.03
- |Thu
- |07:13
- |URL
- |EDIT|