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心臓だけを狙っている (29)
2015.06.14 Sun
今や、女子たちの彼氏にやってもらいたい萌え行為の代名詞たる壁ドンも、この男、安喜隼人にかかれば、ヤンキーのカツアゲ風景にしか見えないから不思議だ。
「やってることは間違ってないのにねー」
「やかましわっ!」
自分でやらせておいて、非常に残念そうな声を上げた翔真に、隼人は噛み付かんばかりに言い返した。
ちなみに、隼人の壁ドンの相手をさせられているのは、隼人の想い人である湊だったが、残念ながら湊にドキドキした様子はない。ドキドキしているのは、隼人1人だけだ。
「大体、何でっ、こんなことっ…」
「いや、おもしろいかなぁ、て思って」
声が裏返り掛けている隼人に、翔真はシレッと言い返す。
先日、蒼一郎に壁ドンされ、それを真大に見られたことにより、いろいろな目に遭った翔真としては、壁ドンに対していいイメージと悪いイメージの両方を持っているのだが、それを隼人と湊にもやらせたのは、単におもしろがってのことだ。
湊のことが好きすぎて、まったく何も出来ない、むしろ小学生のように意地悪をしてしまう隼人の恋路を応援するつもりはあるけれど、こんなことで湊が隼人の気持ちに気付くわけないということも分かっているので。
もういっそ、この壁ドンで告白でもしてしまえばいいのに。
「湊、どう? 隼人の壁ドン」
隼人に壁ドンをされても、顔色どころか表情一つ変えない湊は、恐ろしいまでに鈍感なのか、翔真が蒼一郎に壁ドンされたときのように呆れ返っているのか。
どちらにしても、隼人のほうが先に限界を迎えそうだった。
「隼人くん、カッコいいですね! 何か、俳優さんみたいです」
今まさに自分が壁ドンされている立場だというのに、湊はまるで傍観者のようにそう言う。しかし、ぱぁ…と笑顔になったところ見ると、隼人の壁ドンが様になっていたことには、いたく感動しているのだろう。
隼人にとって、それはそれで大変喜ばしいことだけれど、それだけ…? とも思う。
たとえ翔真に唆されて行った冗談の壁ドンとはいえ、まるで俳優のようだとまで言ってくれるのなら、もう少しドキドキしてくれてもいいじゃないか。
いや、いくら壁ドンが、女の子の思う萌えシチュエーションだと言っても、その女の子ですら、好きでもない相手からの壁ドンには嫌悪感を持つらしいから、湊がここで全然ドキドキしないのも……と、隼人の思考はどんどん落ちていく。
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「やってることは間違ってないのにねー」
「やかましわっ!」
自分でやらせておいて、非常に残念そうな声を上げた翔真に、隼人は噛み付かんばかりに言い返した。
ちなみに、隼人の壁ドンの相手をさせられているのは、隼人の想い人である湊だったが、残念ながら湊にドキドキした様子はない。ドキドキしているのは、隼人1人だけだ。
「大体、何でっ、こんなことっ…」
「いや、おもしろいかなぁ、て思って」
声が裏返り掛けている隼人に、翔真はシレッと言い返す。
先日、蒼一郎に壁ドンされ、それを真大に見られたことにより、いろいろな目に遭った翔真としては、壁ドンに対していいイメージと悪いイメージの両方を持っているのだが、それを隼人と湊にもやらせたのは、単におもしろがってのことだ。
湊のことが好きすぎて、まったく何も出来ない、むしろ小学生のように意地悪をしてしまう隼人の恋路を応援するつもりはあるけれど、こんなことで湊が隼人の気持ちに気付くわけないということも分かっているので。
もういっそ、この壁ドンで告白でもしてしまえばいいのに。
「湊、どう? 隼人の壁ドン」
隼人に壁ドンをされても、顔色どころか表情一つ変えない湊は、恐ろしいまでに鈍感なのか、翔真が蒼一郎に壁ドンされたときのように呆れ返っているのか。
どちらにしても、隼人のほうが先に限界を迎えそうだった。
「隼人くん、カッコいいですね! 何か、俳優さんみたいです」
今まさに自分が壁ドンされている立場だというのに、湊はまるで傍観者のようにそう言う。しかし、ぱぁ…と笑顔になったところ見ると、隼人の壁ドンが様になっていたことには、いたく感動しているのだろう。
隼人にとって、それはそれで大変喜ばしいことだけれど、それだけ…? とも思う。
たとえ翔真に唆されて行った冗談の壁ドンとはいえ、まるで俳優のようだとまで言ってくれるのなら、もう少しドキドキしてくれてもいいじゃないか。
いや、いくら壁ドンが、女の子の思う萌えシチュエーションだと言っても、その女の子ですら、好きでもない相手からの壁ドンには嫌悪感を持つらしいから、湊がここで全然ドキドキしないのも……と、隼人の思考はどんどん落ちていく。
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