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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (27)
2015.05.03 Sun
yamato & chihiro & nanjo
相変わらず千尋は、自分からメッセージの類は送って来ないし、大和が送ったメッセージも、読みはするけれど返信はしない子だが、それでも、返事を要する内容にはちゃんと返信してくれる性格だ。
だから、琉に見せ付けられた遥希からのメールに触発されて、楽屋で送ったメッセージに対して、千尋から返事が来たことに、大和はさほど驚かなかった。
今晩、食事に行かないか、と誘う内容だったのだ。返事は必要だ。
「…は? 南條?」
しかし、返信があったことには驚かなかったものの、その内容には眉を寄せてしまった。
何しろ千尋からの返信には、何の悪びれたふうもなく、『今日は南條とメシ』と書かれていたのだ。
大和は琉ほど器の小さい男ではないから、千尋が自分よりも友だちを優先させても、怒ったりムカついたりはしないが、その相手が南條なんだとしたら、そこは俺のほうを優先してよ、て思う。
千尋にしたら、南條も友だちだから、そのあたりに対応の差はないのだろうけど、南條は大和と千尋の関係を知る数少ない1人なのだから、他の友だちよりは融通できる気がする。
というか、南條なんかに負けたくないんだけど。
『南條とご飯行くの?』
未練がましい…というか、嫉妬丸出しというか。南條とメシだとはっきり書かれているのに、大和はそんな内容を返信する。
だって、大和は今日帰宅するのに、南條の運転する車で家まで帰って来たけれど、そのとき南條は、今日千尋と食事に行くだなんて、一言も言っていなかった。
もちろん、南條が誰と食事に行こうと構わないし、そんなこといちいち報告してくれなくていいけれど、その相手が千尋なんだったら、千尋は大和の恋人なんだから、教えてくれてもいいのに。
…もしかして、だからこそ言わなかったのだろうか。
でも、千尋がこんなにあっさりばらしてしまったら、南條が内緒にしていた意味が、まったくない。
「は?」
大和がもやもやと悩んでいたら、千尋からメッセージが送られてきた。
しかし、その内容に、再び大和は首を捻るはめになる。
『ムカついたから、南條に奢らせんの。大和くんも来る?』
千尋の傍若無人ぶりを見ている限り、南條が千尋にムカつくことはあっても、その逆はあり得ないと思うのだが、一体南條の何にムカついたというのだろう。
しかも、南條に『奢ってもらう』のではなく、『奢らせる』のだ。相当強い怒りを感じる。
ご飯くらい大和が奢るから、出来れば南條抜きがいいなぁ…と思うが、千尋にとっては、南條に奢らせることに意義があるようなので、そうもいかないのだろう。
とにかく、千尋からお誘いを受けたことに違いはない。邪魔な南條はいるが、行かない手はない。大和は千尋にYesの返信をすると、取るものもとりあえず家を出た。
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相変わらず千尋は、自分からメッセージの類は送って来ないし、大和が送ったメッセージも、読みはするけれど返信はしない子だが、それでも、返事を要する内容にはちゃんと返信してくれる性格だ。
だから、琉に見せ付けられた遥希からのメールに触発されて、楽屋で送ったメッセージに対して、千尋から返事が来たことに、大和はさほど驚かなかった。
今晩、食事に行かないか、と誘う内容だったのだ。返事は必要だ。
「…は? 南條?」
しかし、返信があったことには驚かなかったものの、その内容には眉を寄せてしまった。
何しろ千尋からの返信には、何の悪びれたふうもなく、『今日は南條とメシ』と書かれていたのだ。
大和は琉ほど器の小さい男ではないから、千尋が自分よりも友だちを優先させても、怒ったりムカついたりはしないが、その相手が南條なんだとしたら、そこは俺のほうを優先してよ、て思う。
千尋にしたら、南條も友だちだから、そのあたりに対応の差はないのだろうけど、南條は大和と千尋の関係を知る数少ない1人なのだから、他の友だちよりは融通できる気がする。
というか、南條なんかに負けたくないんだけど。
『南條とご飯行くの?』
未練がましい…というか、嫉妬丸出しというか。南條とメシだとはっきり書かれているのに、大和はそんな内容を返信する。
だって、大和は今日帰宅するのに、南條の運転する車で家まで帰って来たけれど、そのとき南條は、今日千尋と食事に行くだなんて、一言も言っていなかった。
もちろん、南條が誰と食事に行こうと構わないし、そんなこといちいち報告してくれなくていいけれど、その相手が千尋なんだったら、千尋は大和の恋人なんだから、教えてくれてもいいのに。
…もしかして、だからこそ言わなかったのだろうか。
でも、千尋がこんなにあっさりばらしてしまったら、南條が内緒にしていた意味が、まったくない。
「は?」
大和がもやもやと悩んでいたら、千尋からメッセージが送られてきた。
しかし、その内容に、再び大和は首を捻るはめになる。
『ムカついたから、南條に奢らせんの。大和くんも来る?』
千尋の傍若無人ぶりを見ている限り、南條が千尋にムカつくことはあっても、その逆はあり得ないと思うのだが、一体南條の何にムカついたというのだろう。
しかも、南條に『奢ってもらう』のではなく、『奢らせる』のだ。相当強い怒りを感じる。
ご飯くらい大和が奢るから、出来れば南條抜きがいいなぁ…と思うが、千尋にとっては、南條に奢らせることに意義があるようなので、そうもいかないのだろう。
とにかく、千尋からお誘いを受けたことに違いはない。邪魔な南條はいるが、行かない手はない。大和は千尋にYesの返信をすると、取るものもとりあえず家を出た。
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