スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (26)
2015.05.02 Sat
「ハルちゃん、大丈夫?」
「うん…。はぁ~…。あ、琉も写真見る!?」
「えぇっ!? いやっ、俺はいいよ、うん、あの、今はいいやっ…」
「…そう?」
目を輝かせてとんでもない提案をしてきた遥希に、琉はたじろぎながら遠慮を申し出る。
遥希は非常に残念そうな顔でアルバムを引っ込めたが、それこそ、遥希の写真を見せてくれると言うなら喜んで見るけれど、自分の写真を眺めて、一体何が楽しいと言うのだ。琉はそこまでナルシストではない。
「はぁ~…、まさかハルちゃんがここまで写真持ってるとは知らなかったよ…」
「…引いた? 引いたよね? ドン引きだよね?」
ほんの一瞬前まで、興奮気味に琉本人に写真を見せ付けながら熱く語っていたくせに、琉の反応に、遥希は急に弱気になった。
「引きはしないけど、ビックリはしたかな…。置き場所とか……お金とか、大変じゃない?」
「大変だけど、幸せだから平気」
「な…なるほど…」
真顔でそう言って来る遥希は、無理をしているということもなく、本気でそう思っているのだろう。
確かにひどく幸せそうだ。
「ねぇ、琉、だから…」
「ん?」
「…これからも、新しい写真出たら、買いに行っていい?」
「えっ、あ、うん…」
誰か他の男の写真を買うわけでもなく、遥希が自分のお金で購入しようとしているのだから、琉に許可を得る必要などないのだが、今回のこともあったせいか、遥希が尋ねて来る。
改めてそう問われて、ダメだと言えるはずもなく、琉は焦りつつも頷いた。
もちろん最初から琉に止める権利はないのだが、本人が目の前にいても、遥希の心を奪っていく自身の写真に対して、いい気はしないのも事実なのだ。狭量な男なのだ。
「…ハルちゃん、」
積み重ねられたアルバムに手を伸ばそうとしていた遥希の腕を掴む。
原因は琉の勘違いとはいえ、今回、この写真には散々振り回されたのだ。今だけはもう、写真のことは忘れてほしい。琉も忘れたいから、遥希も忘れて。写真のことは考えないで。
「写真の全買いは許すから、俺がいるときは、そのアルバムは絶対にクローゼットの中から出さないで」
「ぅ?」
「お願い」
恐らくそんな男心など微塵も分かっていないであろう遥希に、琉は自分勝手なお願いをして、遥希を腕の中に閉じ込めた。
back next
「うん…。はぁ~…。あ、琉も写真見る!?」
「えぇっ!? いやっ、俺はいいよ、うん、あの、今はいいやっ…」
「…そう?」
目を輝かせてとんでもない提案をしてきた遥希に、琉はたじろぎながら遠慮を申し出る。
遥希は非常に残念そうな顔でアルバムを引っ込めたが、それこそ、遥希の写真を見せてくれると言うなら喜んで見るけれど、自分の写真を眺めて、一体何が楽しいと言うのだ。琉はそこまでナルシストではない。
「はぁ~…、まさかハルちゃんがここまで写真持ってるとは知らなかったよ…」
「…引いた? 引いたよね? ドン引きだよね?」
ほんの一瞬前まで、興奮気味に琉本人に写真を見せ付けながら熱く語っていたくせに、琉の反応に、遥希は急に弱気になった。
「引きはしないけど、ビックリはしたかな…。置き場所とか……お金とか、大変じゃない?」
「大変だけど、幸せだから平気」
「な…なるほど…」
真顔でそう言って来る遥希は、無理をしているということもなく、本気でそう思っているのだろう。
確かにひどく幸せそうだ。
「ねぇ、琉、だから…」
「ん?」
「…これからも、新しい写真出たら、買いに行っていい?」
「えっ、あ、うん…」
誰か他の男の写真を買うわけでもなく、遥希が自分のお金で購入しようとしているのだから、琉に許可を得る必要などないのだが、今回のこともあったせいか、遥希が尋ねて来る。
改めてそう問われて、ダメだと言えるはずもなく、琉は焦りつつも頷いた。
もちろん最初から琉に止める権利はないのだが、本人が目の前にいても、遥希の心を奪っていく自身の写真に対して、いい気はしないのも事実なのだ。狭量な男なのだ。
「…ハルちゃん、」
積み重ねられたアルバムに手を伸ばそうとしていた遥希の腕を掴む。
原因は琉の勘違いとはいえ、今回、この写真には散々振り回されたのだ。今だけはもう、写真のことは忘れてほしい。琉も忘れたいから、遥希も忘れて。写真のことは考えないで。
「写真の全買いは許すから、俺がいるときは、そのアルバムは絶対にクローゼットの中から出さないで」
「ぅ?」
「お願い」
恐らくそんな男心など微塵も分かっていないであろう遥希に、琉は自分勝手なお願いをして、遥希を腕の中に閉じ込めた。
back next
- 関連記事
-
- どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (27) (2015/05/03)
- どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (26) (2015/05/02)
- どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (25) (2015/05/01)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。