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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (28)
2015.05.04 Mon
「……………………」
千尋から店の名前が送らてて来たときは、確かに普通だった……と思う。文章は支離滅裂ではなかったし(言葉足らずなのは、いつものことだ)、変換ミスもなかった。
それから大和が車を飛ばしてここまで来るのに、30分も掛かっていないだろう。それなのに――――
「ひゃはー、大和くん~!」
「バカ、声がデケェ!」
大和が個室に案内されると、すでに千尋はベロベロに酔っ払っていて、南條が何とかそれを取り押さえる、という光景が、そこには繰り広げられているのだった…。
一体どうして…などと、考えるまでもない、2人の前にはそれぞれ、中身が半分ほど入ったビールジョッキがあったが、千尋のそばには他に空ジョッキが3つあるのに対して、南條にはそれが見当たらないのだから。
この酔っ払い具合からして、2人分のジョッキをまとめたのではなく、千尋がすでに3杯飲み干し、4杯目に突入していると思って間違いないだろう(大体、もし2人分をまとめたのなら、南條が自分のほうに寄せたはずだ)。
少なくとも南條は、大和を家に送り届けてから千尋と合流したはずで、千尋はそれより前から飲んでいたのだろうか。
大和にメッセージを送っていたときは、ここまで酔っていなかったにしろ、千尋はもうすでに飲み始めていたのだろうか。
いろいろなことが頭をよぎるが、考えたところで始まらない。
現実は変わらない。
千尋が泥酔している事実は変わらない。
「大和くん、大和くん、大和くん~」
「だから、うるせぇっつの」
パタパタともがきながら大和のほうに手を伸ばす千尋は非常にかわいいが、いくら個室とはいえ、従業員や他にもお客がいる中で、あまり大和の名前を連呼するのもまずい。
酒を飲んでいても、千尋にどれだけ絡まれても、そのことをきちんと気に掛ける南條は、確かな腕を持つマネージャーだ。
「………………」
「………………」
大和が若干呆気に取られていると、南條が無言のまま目で訴え掛けて来た。早く千尋を何とかしろ、と言っているのだ。
言われるまでもなく、どうにかするつもりだ。千尋と南條にしたら深い意味はまったくないだろうが、体勢的に、千尋が南條に寄り掛かっている感じなのが、ムカつく。
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千尋から店の名前が送らてて来たときは、確かに普通だった……と思う。文章は支離滅裂ではなかったし(言葉足らずなのは、いつものことだ)、変換ミスもなかった。
それから大和が車を飛ばしてここまで来るのに、30分も掛かっていないだろう。それなのに――――
「ひゃはー、大和くん~!」
「バカ、声がデケェ!」
大和が個室に案内されると、すでに千尋はベロベロに酔っ払っていて、南條が何とかそれを取り押さえる、という光景が、そこには繰り広げられているのだった…。
一体どうして…などと、考えるまでもない、2人の前にはそれぞれ、中身が半分ほど入ったビールジョッキがあったが、千尋のそばには他に空ジョッキが3つあるのに対して、南條にはそれが見当たらないのだから。
この酔っ払い具合からして、2人分のジョッキをまとめたのではなく、千尋がすでに3杯飲み干し、4杯目に突入していると思って間違いないだろう(大体、もし2人分をまとめたのなら、南條が自分のほうに寄せたはずだ)。
少なくとも南條は、大和を家に送り届けてから千尋と合流したはずで、千尋はそれより前から飲んでいたのだろうか。
大和にメッセージを送っていたときは、ここまで酔っていなかったにしろ、千尋はもうすでに飲み始めていたのだろうか。
いろいろなことが頭をよぎるが、考えたところで始まらない。
現実は変わらない。
千尋が泥酔している事実は変わらない。
「大和くん、大和くん、大和くん~」
「だから、うるせぇっつの」
パタパタともがきながら大和のほうに手を伸ばす千尋は非常にかわいいが、いくら個室とはいえ、従業員や他にもお客がいる中で、あまり大和の名前を連呼するのもまずい。
酒を飲んでいても、千尋にどれだけ絡まれても、そのことをきちんと気に掛ける南條は、確かな腕を持つマネージャーだ。
「………………」
「………………」
大和が若干呆気に取られていると、南條が無言のまま目で訴え掛けて来た。早く千尋を何とかしろ、と言っているのだ。
言われるまでもなく、どうにかするつもりだ。千尋と南條にしたら深い意味はまったくないだろうが、体勢的に、千尋が南條に寄り掛かっている感じなのが、ムカつく。
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