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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (21)
2015.04.27 Mon
琉に嘘までついて、今まであんなに必死に隠してきて、今日はそれを打ち明けるつもりでいたものの、なかなか踏ん切りが付かずにモジモジしていたくせに、勢い余ってうっかり喋ってしまった。
ああぁ…、琉も変な顔をしている。
どんなふうに言っても、きっと琉は『は?』と思っただろうけど、もうちょっと違う言い方をすればよかった。
こんな焦ったふうに言ったのでは、千尋姉と何かあって、それで慌てて嘘を重ねたと思われかねない。いや、いくら慌てたとはいえ、嘘が下手すぎると思っただろうか。
「…………。…写真?」
「…うん」
「俺の?」
「……うん」
琉に問われるがまま、遥希はコクリと頷いた。
あぁ~…、こんな変な空気の中で知れてしまうのなら、本当、最初に言われたときに、ちゃんと言っておくんだった…!
「えっと…、ゴメン、ハルちゃん、千尋の姉ちゃんと写真買いに? 俺の?」
「うぅ~…、だっ…だからぁ! 琉の写真買いに行くの、ちーちゃんが一緒に行ってくれないから、ちーちゃんのお姉ちゃんと一緒に行ってるのっ! こないだ琉に見られたのも、そのときでっ……」
恥ずかしさのあまり、遥希は真っ赤になりながら、琉の胸に顔を押し付けた。
「えっと…、えーっと…、じゃあ、見間違いとか言ったのって、写真買いに行ったのがばれないように…?」
遥希は顔を上げず、無言のまま頷いた。
別に琉は全然何にも悪くないけれど、何であのとき遥希のことを見つけたんだろう、と思う。
琉に隠し事をするのは嫌だけれど、見つからなければ、遥希はこんなに恥ずかしい思いをすることもなかったし、これから先も、琉の写真を買いに行くことが出来た。
千尋の言うとおり、別に遥希は、自分の行動のすべてを琉に報告しているわけではないから、写真を買いに行ったことをいちいち琉に言わなくてもいいだろうけど、買いに行く子なんだ…とは思われ続ける。
それに、今回のことで、写真を買いに行くことを意識するようになっちゃったから、行ったことを黙っていたら、何となく心苦しい気持ちになりそう。
「えっと…、あの、ハルちゃん、ちょっと聞いてもいい? あの…無神経だと思われるかもだけど…、その…何がそんなに恥ずかしいの?」
「…!」
それなのに、遥希がこんなに、こんなに、こーんなに恥ずかしくて死にそうになっているのに、琉がそんなことを言って来るから、信じられなくて、遥希はバッと顔を上げた。
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ああぁ…、琉も変な顔をしている。
どんなふうに言っても、きっと琉は『は?』と思っただろうけど、もうちょっと違う言い方をすればよかった。
こんな焦ったふうに言ったのでは、千尋姉と何かあって、それで慌てて嘘を重ねたと思われかねない。いや、いくら慌てたとはいえ、嘘が下手すぎると思っただろうか。
「…………。…写真?」
「…うん」
「俺の?」
「……うん」
琉に問われるがまま、遥希はコクリと頷いた。
あぁ~…、こんな変な空気の中で知れてしまうのなら、本当、最初に言われたときに、ちゃんと言っておくんだった…!
「えっと…、ゴメン、ハルちゃん、千尋の姉ちゃんと写真買いに? 俺の?」
「うぅ~…、だっ…だからぁ! 琉の写真買いに行くの、ちーちゃんが一緒に行ってくれないから、ちーちゃんのお姉ちゃんと一緒に行ってるのっ! こないだ琉に見られたのも、そのときでっ……」
恥ずかしさのあまり、遥希は真っ赤になりながら、琉の胸に顔を押し付けた。
「えっと…、えーっと…、じゃあ、見間違いとか言ったのって、写真買いに行ったのがばれないように…?」
遥希は顔を上げず、無言のまま頷いた。
別に琉は全然何にも悪くないけれど、何であのとき遥希のことを見つけたんだろう、と思う。
琉に隠し事をするのは嫌だけれど、見つからなければ、遥希はこんなに恥ずかしい思いをすることもなかったし、これから先も、琉の写真を買いに行くことが出来た。
千尋の言うとおり、別に遥希は、自分の行動のすべてを琉に報告しているわけではないから、写真を買いに行ったことをいちいち琉に言わなくてもいいだろうけど、買いに行く子なんだ…とは思われ続ける。
それに、今回のことで、写真を買いに行くことを意識するようになっちゃったから、行ったことを黙っていたら、何となく心苦しい気持ちになりそう。
「えっと…、あの、ハルちゃん、ちょっと聞いてもいい? あの…無神経だと思われるかもだけど…、その…何がそんなに恥ずかしいの?」
「…!」
それなのに、遥希がこんなに、こんなに、こーんなに恥ずかしくて死にそうになっているのに、琉がそんなことを言って来るから、信じられなくて、遥希はバッと顔を上げた。
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