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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (22)
2015.04.28 Tue
「あ、いやっ…、だからその、ゴメン、ハルちゃん、そんな顔しないで!」
一応、『無神経だと思われるけど』と前置きしていたから、琉も多少は自覚していたんだろうけど、それ以上に遥希が恥ずかしがり、傷付いた様子だったので、慌てたようだ。
「あのっ、えっと、恥ずかしかったんだよね、写真、千尋の姉ちゃんと一緒だったの、知られるの」
「えっ…………ちーちゃんのお姉ちゃんと一緒だったのは、別に恥ずかしくないけど…」
「えぇっ!?」
琉がものすごくアワアワするから、今度は逆に遥希のほうがちょっと冷静になる。
琉の写真をショップにまで買いに行っていることを知られるのが恥ずかしかっただけで、千尋の姉と一緒に行ったことは、別に恥ずかしくなんかない。
むしろ、1人で行く恥ずかしさを緩和してもらっているから、すごく助かっている。
「え…、じゃあ、ホントにただ……ただ写真を買いに行ってるのが知られるのが恥ずかしかった、てこと…?」
「他に何の恥ずかしいことがあるのっ!」
「いやっ…、えーっと…」
再び遥希が頬を染めて、力一杯そう言って来るものだから、突っ込みたいところは山のようにあるものの、琉はそれ以上言い返すことは出来ず、何となく曖昧に頷いた。
確かに、写真を売っている公式ショップのお客は、その99%が女の子と言っていい。
コンサートに来る男よりも、その割合は少ないはずで、だから遥希が写真を買いに店を訪れるのを恥ずかしがるのは、分からないでもない。
しかし、遥希が、CDやDVD、雑誌をすべて買い、琉が出ているテレビをすべて録画し、必死にチケットを入手しては欠かさずコンサートに参戦し、グッズも全買いする熱烈なファンであることは、もうすでに琉の知るところなのだ。
写真を買いに行くことが恥ずかしかったとしても、それを琉に知られることの何がそんなに恥ずかしいというのだ。
大体、遥希が琉の写真を持っていることは、初めて会ったとき――――路地で偶然ぶつかったあのときから知っている。遥希がぶちまけた荷物の中に、琉の写真があったから。
あれはコンサートでの売り物ではなくて、ショップで売っているタイプのもので、真面目な遥希が、そうした写真を公式以外で買うわけがないと考えるのは、自然なことだ。
なのに、何を今さら――――!?
琉は唖然も呆然も通り越して、驚愕のあまり卒倒しそうになったが、遥希のほうが、恥ずかしさでどうかなりそうになっていたので、自分までそうなるわけには…と、何とか持ち堪えた。
「そ…そっかぁ、恥ずかしかったかぁ…」
遥希の羞恥心のポイントやレベルは、琉には分かりかねるが、とにかく、ショップで写真を買っていることを知られるのだけは恥ずかしいということだけは分かった。
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一応、『無神経だと思われるけど』と前置きしていたから、琉も多少は自覚していたんだろうけど、それ以上に遥希が恥ずかしがり、傷付いた様子だったので、慌てたようだ。
「あのっ、えっと、恥ずかしかったんだよね、写真、千尋の姉ちゃんと一緒だったの、知られるの」
「えっ…………ちーちゃんのお姉ちゃんと一緒だったのは、別に恥ずかしくないけど…」
「えぇっ!?」
琉がものすごくアワアワするから、今度は逆に遥希のほうがちょっと冷静になる。
琉の写真をショップにまで買いに行っていることを知られるのが恥ずかしかっただけで、千尋の姉と一緒に行ったことは、別に恥ずかしくなんかない。
むしろ、1人で行く恥ずかしさを緩和してもらっているから、すごく助かっている。
「え…、じゃあ、ホントにただ……ただ写真を買いに行ってるのが知られるのが恥ずかしかった、てこと…?」
「他に何の恥ずかしいことがあるのっ!」
「いやっ…、えーっと…」
再び遥希が頬を染めて、力一杯そう言って来るものだから、突っ込みたいところは山のようにあるものの、琉はそれ以上言い返すことは出来ず、何となく曖昧に頷いた。
確かに、写真を売っている公式ショップのお客は、その99%が女の子と言っていい。
コンサートに来る男よりも、その割合は少ないはずで、だから遥希が写真を買いに店を訪れるのを恥ずかしがるのは、分からないでもない。
しかし、遥希が、CDやDVD、雑誌をすべて買い、琉が出ているテレビをすべて録画し、必死にチケットを入手しては欠かさずコンサートに参戦し、グッズも全買いする熱烈なファンであることは、もうすでに琉の知るところなのだ。
写真を買いに行くことが恥ずかしかったとしても、それを琉に知られることの何がそんなに恥ずかしいというのだ。
大体、遥希が琉の写真を持っていることは、初めて会ったとき――――路地で偶然ぶつかったあのときから知っている。遥希がぶちまけた荷物の中に、琉の写真があったから。
あれはコンサートでの売り物ではなくて、ショップで売っているタイプのもので、真面目な遥希が、そうした写真を公式以外で買うわけがないと考えるのは、自然なことだ。
なのに、何を今さら――――!?
琉は唖然も呆然も通り越して、驚愕のあまり卒倒しそうになったが、遥希のほうが、恥ずかしさでどうかなりそうになっていたので、自分までそうなるわけには…と、何とか持ち堪えた。
「そ…そっかぁ、恥ずかしかったかぁ…」
遥希の羞恥心のポイントやレベルは、琉には分かりかねるが、とにかく、ショップで写真を買っていることを知られるのだけは恥ずかしいということだけは分かった。
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