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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (20)
2015.04.26 Sun
「じゃあハルちゃん、別にその人のほうがよくなったとかじゃないの…?」
「とかじゃないよ、琉のほうがいいよ。…琉がいいよ」
「ッ…! ハルちゃん大好きっ!」
「うぐ」
恐る恐る核心に踏み込んで遥希に尋ねれば、遥希は照れて頬を染めつつも、ハッキリとそう答えた。
遥希のその言葉に、それだけで、琉は復活できる。ここしばらくの凹みまくっていた気持ちが、一気に晴れる。遥希のことが好きすぎて、堪らずに琉は遥希を抱き締めた。
「…でもハルちゃん、いや、まぁいいんだけど…、いい、ていうか、その……結局誰…、あの、何で見間違いてことに…」
遥希を腕に抱いたまま、琉はボソボソと口にする。
本当は、一緒にいた女性が誰なのかを知りたいけれど、たった今『大好き』と言った相手に直球でそれを聞くのは、まだ疑いを持っている感じがするとでも思ったのだろう、遠回しな言い方で聞いてきた。
「あれは…」
聞かれて遥希は、上げた顔を再び伏せた。
今日は、琉に謝ることはもちろんだが、本当のことを話すつもりで、勢い込んで来たのだから、ちゃんと言わないと。
「あの…、………………あれは、ちーちゃんのお姉ちゃん……」
「…………………………」
「…琉?」
遥希が何とかがんばって、正直に打ち明けたというのに、琉からの反応がない。遥希があんまり小さい声で言ったものだから、聞こえなかったのだろうか。
声を大きくして言えないなんて、千尋の姉と何か疚しいことがあったみたいだが、いわゆるそういう意味での疚しいことなど何もなく、ただ単に、ここに至ってもまだなお、琉の写真を買いに行ったことを言うのが恥ずかしくて、つい声が小さくなってしまっただけなのだが。
「えっと…、ちーちゃんのお姉ちゃん…」
「いや、うん、それは聞こえてたんだけど…、千尋の………………姉?」
「うん」
聞こえていなかったのかと思って、もう1度言ってみたら、ちゃんと聞こえていたようだ。
けれど、聞こえていたのにそういう反応ということは、もしかして琉、遥希と千尋姉との関係を何か疑って…………
「ちがっ…ちーちゃんのお姉ちゃんとは何でもないんだよっ!? 琉の写真買うのにいっつも付いて来てもらってるだけでっ……あばばばば」
「……………………写真?」
「あのっ、だから、あのー」
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「とかじゃないよ、琉のほうがいいよ。…琉がいいよ」
「ッ…! ハルちゃん大好きっ!」
「うぐ」
恐る恐る核心に踏み込んで遥希に尋ねれば、遥希は照れて頬を染めつつも、ハッキリとそう答えた。
遥希のその言葉に、それだけで、琉は復活できる。ここしばらくの凹みまくっていた気持ちが、一気に晴れる。遥希のことが好きすぎて、堪らずに琉は遥希を抱き締めた。
「…でもハルちゃん、いや、まぁいいんだけど…、いい、ていうか、その……結局誰…、あの、何で見間違いてことに…」
遥希を腕に抱いたまま、琉はボソボソと口にする。
本当は、一緒にいた女性が誰なのかを知りたいけれど、たった今『大好き』と言った相手に直球でそれを聞くのは、まだ疑いを持っている感じがするとでも思ったのだろう、遠回しな言い方で聞いてきた。
「あれは…」
聞かれて遥希は、上げた顔を再び伏せた。
今日は、琉に謝ることはもちろんだが、本当のことを話すつもりで、勢い込んで来たのだから、ちゃんと言わないと。
「あの…、………………あれは、ちーちゃんのお姉ちゃん……」
「…………………………」
「…琉?」
遥希が何とかがんばって、正直に打ち明けたというのに、琉からの反応がない。遥希があんまり小さい声で言ったものだから、聞こえなかったのだろうか。
声を大きくして言えないなんて、千尋の姉と何か疚しいことがあったみたいだが、いわゆるそういう意味での疚しいことなど何もなく、ただ単に、ここに至ってもまだなお、琉の写真を買いに行ったことを言うのが恥ずかしくて、つい声が小さくなってしまっただけなのだが。
「えっと…、ちーちゃんのお姉ちゃん…」
「いや、うん、それは聞こえてたんだけど…、千尋の………………姉?」
「うん」
聞こえていなかったのかと思って、もう1度言ってみたら、ちゃんと聞こえていたようだ。
けれど、聞こえていたのにそういう反応ということは、もしかして琉、遥希と千尋姉との関係を何か疑って…………
「ちがっ…ちーちゃんのお姉ちゃんとは何でもないんだよっ!? 琉の写真買うのにいっつも付いて来てもらってるだけでっ……あばばばば」
「……………………写真?」
「あのっ、だから、あのー」
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