スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (19)
2015.04.25 Sat
琉が叫んで遮ったから続きを言えなかったが、もちろん遥希は、琉に嘘をついてごまかしたことを謝りたかったのだ。
しかし、琉の話を聞いていると、どうも琉は、遥希が琉と別れたがっていて、今の『ごめんなさい』の後には、『もう別れてください』というセリフが続くと思っているような気がしてならない。
不思議そうにしている琉に、遥希は言葉を続ける。
「えっと…、前にホラ、琉が俺のこと見た、て言ったときあったでしょ? あのとき俺、見間違いだって言ったけど、でもあれ、見間違いじゃなくて…、だから俺、琉に嘘ついちゃったから、謝らなきゃ、て思って…」
「それで謝らなきゃ、て…? それで、俺と別れようと思って、じゃなくて?」
「え?? てか、むしろ何で琉は、俺が琉と別れたがってると思ってるの?」
琉が、嘘をついた遥希と別れたがっているというのならまだしも、どうして遥希が琉と別れたいなどと思うことがあるだろう。
もしかして、琉と一緒にいるときの遥希の態度が、そんなふうに見えるのだろうか。そんなつもりなんか全然ないのに、もしそう受け止められていたとしたら、すごいショック…!
「俺、琉といるの、何か嫌そうに見えた…?」
「ちがっ…、だってハルちゃん、こないだの、あの……見間違いかも、とかって言ったとき、その…女と歩いてたじゃん?」
「え、あ、うん…」
「何かそのこと言いにくそうだったし…、隠したいってことは、その…、その人のほうがよくなったからなのかな、とか思って…。いや、女の人だったけどさ、でも何をきっかけに女の人のほうがよくなるとも限んないし…」
そういえば千尋が、琉は、遥希があのとき一緒に歩いていた女性と浮気していると思ってるかもだよ、とか言っていたっけ。
つまり、遥希は別に琉と別れたそうな雰囲気は出していなかったものの、あのときのことを琉に隠し、ごまかしたことで、琉は遥希に何か疚しいことがあるのでは、という疑念を持ったのだ。
やはり千尋の言うとおり、ちゃんと正直に言っておけばよかった。
「違うの、その…、そのとき何かついごまかしちゃって、琉に嘘ついちゃって、俺はそのことを謝りたかったの。てか、そのこと自体も謝りたいし、琉をそんなに悩ませてたんだとしたら、それも謝りたいっ」
もとは遥希が見間違いだと嘘をついたせいだけれど、とはいえ、遥希は浮気を疑われたのだ。そこまで必死に謝らなくても、恐らくはいいんだろうに、そうもいかないのが遥希だ。
ブンッと音がしそうなくらいの勢いで、再び頭を下げた。
「ちょっハルちゃん!」
放っておいたら、一生頭を下げたままなのではないかと思わせる遥希に、琉は慌てて顔を起こさせた。
back next
しかし、琉の話を聞いていると、どうも琉は、遥希が琉と別れたがっていて、今の『ごめんなさい』の後には、『もう別れてください』というセリフが続くと思っているような気がしてならない。
不思議そうにしている琉に、遥希は言葉を続ける。
「えっと…、前にホラ、琉が俺のこと見た、て言ったときあったでしょ? あのとき俺、見間違いだって言ったけど、でもあれ、見間違いじゃなくて…、だから俺、琉に嘘ついちゃったから、謝らなきゃ、て思って…」
「それで謝らなきゃ、て…? それで、俺と別れようと思って、じゃなくて?」
「え?? てか、むしろ何で琉は、俺が琉と別れたがってると思ってるの?」
琉が、嘘をついた遥希と別れたがっているというのならまだしも、どうして遥希が琉と別れたいなどと思うことがあるだろう。
もしかして、琉と一緒にいるときの遥希の態度が、そんなふうに見えるのだろうか。そんなつもりなんか全然ないのに、もしそう受け止められていたとしたら、すごいショック…!
「俺、琉といるの、何か嫌そうに見えた…?」
「ちがっ…、だってハルちゃん、こないだの、あの……見間違いかも、とかって言ったとき、その…女と歩いてたじゃん?」
「え、あ、うん…」
「何かそのこと言いにくそうだったし…、隠したいってことは、その…、その人のほうがよくなったからなのかな、とか思って…。いや、女の人だったけどさ、でも何をきっかけに女の人のほうがよくなるとも限んないし…」
そういえば千尋が、琉は、遥希があのとき一緒に歩いていた女性と浮気していると思ってるかもだよ、とか言っていたっけ。
つまり、遥希は別に琉と別れたそうな雰囲気は出していなかったものの、あのときのことを琉に隠し、ごまかしたことで、琉は遥希に何か疚しいことがあるのでは、という疑念を持ったのだ。
やはり千尋の言うとおり、ちゃんと正直に言っておけばよかった。
「違うの、その…、そのとき何かついごまかしちゃって、琉に嘘ついちゃって、俺はそのことを謝りたかったの。てか、そのこと自体も謝りたいし、琉をそんなに悩ませてたんだとしたら、それも謝りたいっ」
もとは遥希が見間違いだと嘘をついたせいだけれど、とはいえ、遥希は浮気を疑われたのだ。そこまで必死に謝らなくても、恐らくはいいんだろうに、そうもいかないのが遥希だ。
ブンッと音がしそうなくらいの勢いで、再び頭を下げた。
「ちょっハルちゃん!」
放っておいたら、一生頭を下げたままなのではないかと思わせる遥希に、琉は慌てて顔を起こさせた。
back next
- 関連記事
-
- どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (20) (2015/04/26)
- どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (19) (2015/04/25)
- どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (18) (2015/04/24)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。