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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (15)
2015.04.21 Tue
「だって、ハルちゃんが見られたの、写真買いに行ってるときなんでしょ? そのときハルちゃん、俺の姉ちゃんと一緒じゃなかった? 水落、ハルちゃんが女と歩いてた…て凹んでんだよ? 浮気してるとか思ってんじゃない?」
「え、浮気て……ちーちゃんのお姉ちゃんと?」
「だって水落、俺の姉ちゃん、知らねえじゃん」
「…………」
遥希はゲイだけれど、別に女嫌いでもなければ、女性恐怖症でもないから、普通に女性と会話も出来るし、千尋の姉には写真を買うのによく付き合ってもらっている。
しかし、千尋の言うとおり、琉は千尋の姉は知らないから、遥希が知らない女性と仲良く歩いているように見えたかもしれない。
それだけで遥希が浮気していると思われるのは心外だが、それでも今回の件で遥希が浮気を疑われるとしたら、女性(千尋姉だが…)と一緒に歩いていたことをごまかしたのが原因だ。
もし琉が、遥希が女性と歩いているところを見ただけで、遥希が浮気していると思うような狭量な男だとしても、遥希が正直に答えていたら、それを信じてくれていたはずだ。
「ど…どうしよう、ちーちゃん…」
「どうしようったって…、一緒に歩いてたのは俺の姉ちゃんだって言ったところで、友だちの姉ちゃんなら浮気相手にならないわけじゃないしねぇ。何で一緒にあそこにいたのか言わなきゃ、誤解は解けないんじゃない?」
「でもさ、今さらホントのこと言ったって、1回は嘘ついちゃったことになるよね!?」
「ついちゃってるしね、実際。だから、最初に聞かれたとき、ごまかさないで正直に言っとけばよかったんだよ」
実際のところ、琉たちが見掛けたのは、琉の写真が欲しいのに1人では買いに行けない遥希が、相も変わらず千尋に冷たくあしらわれ、千尋の姉と一緒に買いに行っている姿だ。
こんなこと、いちいち恥ずかしがってないで、素直に言っていれば、ここまで大げさにはならなかったのだ。
「そうだけど…、でもちーちゃんだって、大和くんの写真買いに行ってるの、もし大和くんが『見掛けたよ』て言ってきたら、『見間違いだよ』て言うでしょ?」
「そもそも買いに行かないし」
100万歩譲って、もし大和の写真を買いに行ったとして、今回の遥希のように、その姿を大和に見られたとしたら…………普通に、正直に答えるだろうなぁ…。
写真を買いに行くこと自体は死ぬほど恥ずかしいが、それを大和に知られたからといって、別に恥ずかしいとは思わない。いや、それでからかわれたりしたら、パンチを繰り出すかもしれないけれど、聞かれて答えるくらいは、どうということもない。
「あのさぁ、もう今回のことは起こっちゃったし、ごまかしちゃったから今さらだけど、水落に知られて恥ずかしいなら、そもそも写真買いに行くこと自体、やめたら?」
「そんなの無理っ」
「でもさぁ…、別にハルちゃんも、自分の1日の行動を逐一水落に報告してるわけじゃないだろうから、まぁいいっちゃいいだろうけど、これから先さ、水落の写真買いに行って、でもそれを言わないでいるのって、水落に見られてないとしても、何か隠し事してるみたいに感じない?」
「…………」
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「え、浮気て……ちーちゃんのお姉ちゃんと?」
「だって水落、俺の姉ちゃん、知らねえじゃん」
「…………」
遥希はゲイだけれど、別に女嫌いでもなければ、女性恐怖症でもないから、普通に女性と会話も出来るし、千尋の姉には写真を買うのによく付き合ってもらっている。
しかし、千尋の言うとおり、琉は千尋の姉は知らないから、遥希が知らない女性と仲良く歩いているように見えたかもしれない。
それだけで遥希が浮気していると思われるのは心外だが、それでも今回の件で遥希が浮気を疑われるとしたら、女性(千尋姉だが…)と一緒に歩いていたことをごまかしたのが原因だ。
もし琉が、遥希が女性と歩いているところを見ただけで、遥希が浮気していると思うような狭量な男だとしても、遥希が正直に答えていたら、それを信じてくれていたはずだ。
「ど…どうしよう、ちーちゃん…」
「どうしようったって…、一緒に歩いてたのは俺の姉ちゃんだって言ったところで、友だちの姉ちゃんなら浮気相手にならないわけじゃないしねぇ。何で一緒にあそこにいたのか言わなきゃ、誤解は解けないんじゃない?」
「でもさ、今さらホントのこと言ったって、1回は嘘ついちゃったことになるよね!?」
「ついちゃってるしね、実際。だから、最初に聞かれたとき、ごまかさないで正直に言っとけばよかったんだよ」
実際のところ、琉たちが見掛けたのは、琉の写真が欲しいのに1人では買いに行けない遥希が、相も変わらず千尋に冷たくあしらわれ、千尋の姉と一緒に買いに行っている姿だ。
こんなこと、いちいち恥ずかしがってないで、素直に言っていれば、ここまで大げさにはならなかったのだ。
「そうだけど…、でもちーちゃんだって、大和くんの写真買いに行ってるの、もし大和くんが『見掛けたよ』て言ってきたら、『見間違いだよ』て言うでしょ?」
「そもそも買いに行かないし」
100万歩譲って、もし大和の写真を買いに行ったとして、今回の遥希のように、その姿を大和に見られたとしたら…………普通に、正直に答えるだろうなぁ…。
写真を買いに行くこと自体は死ぬほど恥ずかしいが、それを大和に知られたからといって、別に恥ずかしいとは思わない。いや、それでからかわれたりしたら、パンチを繰り出すかもしれないけれど、聞かれて答えるくらいは、どうということもない。
「あのさぁ、もう今回のことは起こっちゃったし、ごまかしちゃったから今さらだけど、水落に知られて恥ずかしいなら、そもそも写真買いに行くこと自体、やめたら?」
「そんなの無理っ」
「でもさぁ…、別にハルちゃんも、自分の1日の行動を逐一水落に報告してるわけじゃないだろうから、まぁいいっちゃいいだろうけど、これから先さ、水落の写真買いに行って、でもそれを言わないでいるのって、水落に見られてないとしても、何か隠し事してるみたいに感じない?」
「…………」
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