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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (16)
2015.04.22 Wed
琉とは無関係の、例えば大学の授業で何か分からないことがあって大変だったとかそういうことは、琉との会話で話題に上るかもしれないが、言わないでいても問題のないことだ。
琉に黙っていたからといって、遥希も隠し事をしている意識など湧かないだろうし、いつの間にか何となく忘れてしまうに違いない。
しかし、今回の件があった以上、これから先、琉の写真を買いに行くことを黙っているのは、今感じているような後ろめたさを感じてしまうのではないだろうか。
千尋と違って、何かと気にし過ぎる遥希の性格なら、なおさら。
「まぁ、ハルちゃんの良心が痛まないなら、今回のことは水落の見間違いってことにして、次から、写真買ったんだよ、て言うようにすればいいと思うけど。そうすれば、これから先は、隠し事してる感はないじゃん」
「でも、今回のことは、嘘ついちゃってるよね?」
「まぁね。今さらだけど」
もうすでにこれだけ罪悪感でいっぱいの遥希が、今回のことを正直に琉に言わないでいるのは無理があるような気はするが、遥希の心の中ではまだ、恥ずかしさとの闘いが繰り広げられているのだろうか。
千尋としては、羞恥心と罪悪感のどちらに軍配が上がってもいいけれど、これから先も、写真を買うことを琉に言わないで、ずっとごまかし続けられる自信がないのなら、いずれは写真を買っていることを琉に話して恥ずかしい思いをするのだから、今こんなに悩んでいないで、すべてを正直に話せばいいのに、と思う。
「…ハルちゃーん、全部ホントのこと言うのがいいんじゃない? こないだごまかしたのは、写真買ってたって言うのが恥ずかしかったからだ、て言えば済むことじゃん?」
すっかり冷静さを欠いて蒼褪めている遥希に、千尋は溜め息交じりに助言してやった。
これが最善の策かどうかは千尋にも分からないけれど、遥希に嘘がつき通せるとは思えないし、これから先のことを思うと、さっさと正直に打ち明けるのが得策だと思う。
「ハルちゃんだって、水落に疑われたままなの、嫌でしょ?」
「ヤダっ!」
「今のままだったら、いや、水落はハルちゃんのことを信じるとは思うけど…………俺が信じろって言ったし、でも、心のどっかでずっと引っ掛かったままでいるかもだよ?」
「ヤダ、そんなの…」
実際、琉がいつまでもこのことを引きずって、遥希のことを何かしら疑うような気持ちを持ち続けるかどうかは分からないが、このままでは、結局のところ、遥希自身の気持ちもスッキリしないままだと思う。
「…言う、琉に、ホントのこと」
「そーして。これで俺も嘘つきにならないで済む」
遥希のことは何とかする、と大和に言った手前、事態が何も前進しなかったら、千尋の立場がない。
(大体、南條も南條だよ。ハルちゃんと一緒にいたの、俺の姉ちゃんなんだから、浮気がどうとか言う前に、何とかしろよな)
もー絶対に今度南條に何か奢らせてやる! と、千尋が密かに勝手に決意したことなど、もちろんかわいそうな南條は知るはずもなく、今回もしっかりとばっちりを受けるのだった…。
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琉に黙っていたからといって、遥希も隠し事をしている意識など湧かないだろうし、いつの間にか何となく忘れてしまうに違いない。
しかし、今回の件があった以上、これから先、琉の写真を買いに行くことを黙っているのは、今感じているような後ろめたさを感じてしまうのではないだろうか。
千尋と違って、何かと気にし過ぎる遥希の性格なら、なおさら。
「まぁ、ハルちゃんの良心が痛まないなら、今回のことは水落の見間違いってことにして、次から、写真買ったんだよ、て言うようにすればいいと思うけど。そうすれば、これから先は、隠し事してる感はないじゃん」
「でも、今回のことは、嘘ついちゃってるよね?」
「まぁね。今さらだけど」
もうすでにこれだけ罪悪感でいっぱいの遥希が、今回のことを正直に琉に言わないでいるのは無理があるような気はするが、遥希の心の中ではまだ、恥ずかしさとの闘いが繰り広げられているのだろうか。
千尋としては、羞恥心と罪悪感のどちらに軍配が上がってもいいけれど、これから先も、写真を買うことを琉に言わないで、ずっとごまかし続けられる自信がないのなら、いずれは写真を買っていることを琉に話して恥ずかしい思いをするのだから、今こんなに悩んでいないで、すべてを正直に話せばいいのに、と思う。
「…ハルちゃーん、全部ホントのこと言うのがいいんじゃない? こないだごまかしたのは、写真買ってたって言うのが恥ずかしかったからだ、て言えば済むことじゃん?」
すっかり冷静さを欠いて蒼褪めている遥希に、千尋は溜め息交じりに助言してやった。
これが最善の策かどうかは千尋にも分からないけれど、遥希に嘘がつき通せるとは思えないし、これから先のことを思うと、さっさと正直に打ち明けるのが得策だと思う。
「ハルちゃんだって、水落に疑われたままなの、嫌でしょ?」
「ヤダっ!」
「今のままだったら、いや、水落はハルちゃんのことを信じるとは思うけど…………俺が信じろって言ったし、でも、心のどっかでずっと引っ掛かったままでいるかもだよ?」
「ヤダ、そんなの…」
実際、琉がいつまでもこのことを引きずって、遥希のことを何かしら疑うような気持ちを持ち続けるかどうかは分からないが、このままでは、結局のところ、遥希自身の気持ちもスッキリしないままだと思う。
「…言う、琉に、ホントのこと」
「そーして。これで俺も嘘つきにならないで済む」
遥希のことは何とかする、と大和に言った手前、事態が何も前進しなかったら、千尋の立場がない。
(大体、南條も南條だよ。ハルちゃんと一緒にいたの、俺の姉ちゃんなんだから、浮気がどうとか言う前に、何とかしろよな)
もー絶対に今度南條に何か奢らせてやる! と、千尋が密かに勝手に決意したことなど、もちろんかわいそうな南條は知るはずもなく、今回もしっかりとばっちりを受けるのだった…。
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