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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (13)
2015.04.19 Sun
「大和くんから聞いたんだよ。つか、聞きたくもなかったけど、水落のヤツ、めっちゃ凹んでるらしいよ」
「えっ琉が!? 何でっ?」
「ハルちゃんが、何か隠し事してるみたいー、て」
「………………」
唖然とする遥希に、千尋は先日大和から聞いた話をそのまましてやった。
琉が遥希を見掛けたという話に、遥希が動揺していたこと(その日はバイトだったと言うけれど、バイトしているところを見られても、動揺することもないだろうに)。
どこで見掛けたのか尋ねることもなく、見間違いだということで片付けられたこと。
遥希が何かしらを琉に隠しているのではないかということ。
「まぁ、ハルちゃんが水落に隠してることならあるけどねー」
「…………ぅ……、…ちーちゃん、言っちゃった? あのこと」
「言ってない。ハルちゃんが直接水落に言ってないこと、俺が言うわけないじゃん、しかも大和くんに」
千尋は冷めた目でそう言って、缶チューハイをグビッと煽った。
千尋はどちらかというと破天荒というか、突拍子もない思考を持っている人だけれど、こういうところは意外と律儀だ。
「言ってないけど、『ハルちゃんは俺が何とかする』とは言ったから、ハルちゃん、何とかして」
「何とかって!」
「だって、何とかしないと、水落凹みっぱなしだよ?」
「ぅ…」
「俺は別に水落が一生凹んだままでも構わないけど、ハルちゃんはそれじゃ困るでしょ? 一応、『水落が心配してるようなことはないから、ハルちゃんのことを信用しろ』て伝えるように大和くんには言ったけど」
千尋は、琉の精神状態に関心はなくとも、自分の親友たる遥希が、琉を愛してやまない遥希が、琉を傷付け、それを気付かないままでいる、という状況は、さすがに放っておけないようだ。
「大体さぁ、ハルちゃん嘘つくのへったくそなんだから、水落に言われたとき、ごまかさなきゃよかったんだよ。そうすりゃこんな面倒くさいことにならなかったのに」
「言えるわけないじゃん、そんなのっ!」
「言えないようなことなら、最初からすんな」
「ウグッ…」
あまりにも尤もなことを言われ、遥希は反論できなくなる。
琉に言えないようなことをしたから、琉に見掛けたと言われたときに動揺したのであり、見間違いだとごまかしたのだ。隠し事をしたのだ。それが嫌なら、こんなこと最初からしなければよかったのだ。
「ったく…、たかが水落の写真買いに行ったことくらい、素直に言えばよかったのに」
「だから言えるわけないじゃんっ!!」
心底呆れた声を出す千尋に、自己嫌悪に陥っていた遥希が、それでもがんばって突っ込んだ。
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「えっ琉が!? 何でっ?」
「ハルちゃんが、何か隠し事してるみたいー、て」
「………………」
唖然とする遥希に、千尋は先日大和から聞いた話をそのまましてやった。
琉が遥希を見掛けたという話に、遥希が動揺していたこと(その日はバイトだったと言うけれど、バイトしているところを見られても、動揺することもないだろうに)。
どこで見掛けたのか尋ねることもなく、見間違いだということで片付けられたこと。
遥希が何かしらを琉に隠しているのではないかということ。
「まぁ、ハルちゃんが水落に隠してることならあるけどねー」
「…………ぅ……、…ちーちゃん、言っちゃった? あのこと」
「言ってない。ハルちゃんが直接水落に言ってないこと、俺が言うわけないじゃん、しかも大和くんに」
千尋は冷めた目でそう言って、缶チューハイをグビッと煽った。
千尋はどちらかというと破天荒というか、突拍子もない思考を持っている人だけれど、こういうところは意外と律儀だ。
「言ってないけど、『ハルちゃんは俺が何とかする』とは言ったから、ハルちゃん、何とかして」
「何とかって!」
「だって、何とかしないと、水落凹みっぱなしだよ?」
「ぅ…」
「俺は別に水落が一生凹んだままでも構わないけど、ハルちゃんはそれじゃ困るでしょ? 一応、『水落が心配してるようなことはないから、ハルちゃんのことを信用しろ』て伝えるように大和くんには言ったけど」
千尋は、琉の精神状態に関心はなくとも、自分の親友たる遥希が、琉を愛してやまない遥希が、琉を傷付け、それを気付かないままでいる、という状況は、さすがに放っておけないようだ。
「大体さぁ、ハルちゃん嘘つくのへったくそなんだから、水落に言われたとき、ごまかさなきゃよかったんだよ。そうすりゃこんな面倒くさいことにならなかったのに」
「言えるわけないじゃん、そんなのっ!」
「言えないようなことなら、最初からすんな」
「ウグッ…」
あまりにも尤もなことを言われ、遥希は反論できなくなる。
琉に言えないようなことをしたから、琉に見掛けたと言われたときに動揺したのであり、見間違いだとごまかしたのだ。隠し事をしたのだ。それが嫌なら、こんなこと最初からしなければよかったのだ。
「ったく…、たかが水落の写真買いに行ったことくらい、素直に言えばよかったのに」
「だから言えるわけないじゃんっ!!」
心底呆れた声を出す千尋に、自己嫌悪に陥っていた遥希が、それでもがんばって突っ込んだ。
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