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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (1)
2015.04.08 Wed
ryu & yamato & nanjo
この界隈は若者の街であり、FATEが所属する事務所の公式ショップもある。
だから、真っ昼間で人通りも多いそんな場所を、琉や大和が堂々と歩けるわけはなかったが、スモークフィルムの貼られた車の窓ガラス越しに眺めるくらいは可能だった。
だから大和は、何となく、窓の外の景色を眺めていた。ただそれだけだったのだ。
「うぇっ!?」
「…ん?」
マネージャーである南條の運転する車で次の現場に向かう途中、リアシートで琉はウトウトしていたが、隣に座っていた大和が変な声を上げたので、目を開けた。
ちょうど赤信号で車を停めた運転席の南條も、ルームミラー越しに大和の様子をチラッと見る。
「何? 何かあんの?」
「えーっ? 何もない何もない。つか南條、何停まってんの? ちゃんと運転してよ」
「信号赤だし」
大和のほうが歩道側の席にいたから、窓の外、歩道か通りのショップに何かあったのかと、琉も窓の外を覗こうとしたら、大和があまりにも出来の悪い芝居でごまかそうとしたので、琉だけでなく南條も眉を寄せた。
「何だよ、何があんだよ」
「何もねぇし! ちゃんと座ってろよ、バカ琉」
「おい、大人しくしてろって――――うえぇっ!?」
リアシートで騒ぎ出した2人を注意した南條は、視界の隅に入った窓越しの光景に、大和と同じように変な声を上げ、おまけにポカンと口を開けた。
わけが分からないのは、琉だ。
一体何なんだと、大和と南條が止めるのも聞かず、窓の外を覗き込んだ―――――そして、固まった。
「えっ………………ハルちゃん…?」
窓の外、歩道を歩いていたのは、琉の愛しい愛しい恋人の、遥希だった。
大和と南條はそれを見て変な声を上げ、琉は固まったのである。
遥希だって大学生だし、遊びに出掛けることくらいあるだろう。今日は土曜日で、大学だって休みだから、昼間からこんなところにいたって、何も問題ない。
問題なのは、遥希の隣にきれいな女性がいて、2人で楽しそうに、幸せそうに笑い合って歩いていることだ。
「ちょっ南條、何発車してんだ、車停めろ~~~っ!」
「信号青ー!」
琉の悲痛な叫び声を無視して、無情にも車は動き出した。
南條だって、あれが本当に遥希なのか、隣の女性は誰なのか、事の真相を追及したいが、信号が青に変わったのだ。後続車にクラクションを鳴らされてしまったら、発車しないわけにはいかない。
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この界隈は若者の街であり、FATEが所属する事務所の公式ショップもある。
だから、真っ昼間で人通りも多いそんな場所を、琉や大和が堂々と歩けるわけはなかったが、スモークフィルムの貼られた車の窓ガラス越しに眺めるくらいは可能だった。
だから大和は、何となく、窓の外の景色を眺めていた。ただそれだけだったのだ。
「うぇっ!?」
「…ん?」
マネージャーである南條の運転する車で次の現場に向かう途中、リアシートで琉はウトウトしていたが、隣に座っていた大和が変な声を上げたので、目を開けた。
ちょうど赤信号で車を停めた運転席の南條も、ルームミラー越しに大和の様子をチラッと見る。
「何? 何かあんの?」
「えーっ? 何もない何もない。つか南條、何停まってんの? ちゃんと運転してよ」
「信号赤だし」
大和のほうが歩道側の席にいたから、窓の外、歩道か通りのショップに何かあったのかと、琉も窓の外を覗こうとしたら、大和があまりにも出来の悪い芝居でごまかそうとしたので、琉だけでなく南條も眉を寄せた。
「何だよ、何があんだよ」
「何もねぇし! ちゃんと座ってろよ、バカ琉」
「おい、大人しくしてろって――――うえぇっ!?」
リアシートで騒ぎ出した2人を注意した南條は、視界の隅に入った窓越しの光景に、大和と同じように変な声を上げ、おまけにポカンと口を開けた。
わけが分からないのは、琉だ。
一体何なんだと、大和と南條が止めるのも聞かず、窓の外を覗き込んだ―――――そして、固まった。
「えっ………………ハルちゃん…?」
窓の外、歩道を歩いていたのは、琉の愛しい愛しい恋人の、遥希だった。
大和と南條はそれを見て変な声を上げ、琉は固まったのである。
遥希だって大学生だし、遊びに出掛けることくらいあるだろう。今日は土曜日で、大学だって休みだから、昼間からこんなところにいたって、何も問題ない。
問題なのは、遥希の隣にきれいな女性がいて、2人で楽しそうに、幸せそうに笑い合って歩いていることだ。
「ちょっ南條、何発車してんだ、車停めろ~~~っ!」
「信号青ー!」
琉の悲痛な叫び声を無視して、無情にも車は動き出した。
南條だって、あれが本当に遥希なのか、隣の女性は誰なのか、事の真相を追及したいが、信号が青に変わったのだ。後続車にクラクションを鳴らされてしまったら、発車しないわけにはいかない。
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