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恋の女神は微笑まない (291)
2015.03.10 Tue
そんなことを言われたら、一体先ほどの決意は何だったのかと自分でも呆れるくらい、大和の気持ちは急激に千尋に傾いてしまう。
しかし、ならば付き合ってほしい、とストレートに言ったところで、千尋は頑なであることは、勝手な想像…というより、これまでの経験から学習して分かっていたので、あえて遠回しな言い方をした。
遠回しだけれど、逃げ道のない。
駆け引きとも言えないようなものだったけれど、千尋はとうとう、大和がいいと言葉にしてくれた。大和のことが好きだから、離れたくない、と。
…千尋に泣かれたのは、想定外だったけれど。
それも、こんな大号泣とは。
それでも千尋は泣き顔を大和に見られたくないのか、意地でも顔を上げまいとしているし、上げたら上げたで、ものすごい目力で睨んで来るし(千尋的には睨んでいるつもりはないのだろうけど)、シリアスな場面のはずなのに、何だか微笑ましい気分になって来た。
千尋のことはずっと好きだったけれど、もっと、ますます好きになって、好きだっていう気持ちが溢れて来て、ちゃんと千尋の目を見て伝えたいな、と思ったのに、大和が千尋の手を離して、その頬を両手で挟んだら、千尋はまた目を閉じてしまった。
もしかして、キスされると思ったのかな?
確かに、キスできそうなくらいの距離に顔を近づけたけれど、まさかこんなかわいい反応をされるとも思っていなかったから、すごく意外だった。一瞬だけ開けて、また閉じちゃうとか。
けれど、そんなのん気なことを思っていられたのも束の間、顔を真っ赤にした千尋が意識を飛ばしてしまったから、そこから先は大慌てだ。
まぁ、これが初めてのことではないから、前のときのように、どうしたらいいか分からずに焦るということはなかったけれど、ここが千尋の家だということでの焦りはあった。
やっぱり人の家だし、勝手に上がるのは緊張する。
それなのに千尋は、今日1日で2回も気を失って、こうしているわけだ。
「んん…」
「ちーちゃん?」
むにゃむにゃと、まるで朝、眠りから覚めるみたいに、千尋が身じろぐ。
大和が声を掛けても、千尋は眠い目をこするみたいにしていて、さっきあれだけ目をこするなって言ったのに…と思う反面、気を失うって結構ヤバいことなのに、千尋がこんな調子だから、こちらものん気な気分で構えてしまう。
「ちーちゃん、大丈夫?」
「…ん? だいじょー………………うわっ! うわうわっ! あうっ!」
「ちょっ、ちーちゃん!」
大和の存在に気付いて返事をした千尋は、自分の今の状況――――大和に膝枕されていることに驚いて、華麗な反射神経で体を起こしたが、起こしたら起こしたで、大和にうんと顔が近付いて、今度はそれに驚いて元の体勢に戻ったが、それだとやはり膝枕だから、また起きようとして、バランスを崩して床に落ちた。
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しかし、ならば付き合ってほしい、とストレートに言ったところで、千尋は頑なであることは、勝手な想像…というより、これまでの経験から学習して分かっていたので、あえて遠回しな言い方をした。
遠回しだけれど、逃げ道のない。
駆け引きとも言えないようなものだったけれど、千尋はとうとう、大和がいいと言葉にしてくれた。大和のことが好きだから、離れたくない、と。
…千尋に泣かれたのは、想定外だったけれど。
それも、こんな大号泣とは。
それでも千尋は泣き顔を大和に見られたくないのか、意地でも顔を上げまいとしているし、上げたら上げたで、ものすごい目力で睨んで来るし(千尋的には睨んでいるつもりはないのだろうけど)、シリアスな場面のはずなのに、何だか微笑ましい気分になって来た。
千尋のことはずっと好きだったけれど、もっと、ますます好きになって、好きだっていう気持ちが溢れて来て、ちゃんと千尋の目を見て伝えたいな、と思ったのに、大和が千尋の手を離して、その頬を両手で挟んだら、千尋はまた目を閉じてしまった。
もしかして、キスされると思ったのかな?
確かに、キスできそうなくらいの距離に顔を近づけたけれど、まさかこんなかわいい反応をされるとも思っていなかったから、すごく意外だった。一瞬だけ開けて、また閉じちゃうとか。
けれど、そんなのん気なことを思っていられたのも束の間、顔を真っ赤にした千尋が意識を飛ばしてしまったから、そこから先は大慌てだ。
まぁ、これが初めてのことではないから、前のときのように、どうしたらいいか分からずに焦るということはなかったけれど、ここが千尋の家だということでの焦りはあった。
やっぱり人の家だし、勝手に上がるのは緊張する。
それなのに千尋は、今日1日で2回も気を失って、こうしているわけだ。
「んん…」
「ちーちゃん?」
むにゃむにゃと、まるで朝、眠りから覚めるみたいに、千尋が身じろぐ。
大和が声を掛けても、千尋は眠い目をこするみたいにしていて、さっきあれだけ目をこするなって言ったのに…と思う反面、気を失うって結構ヤバいことなのに、千尋がこんな調子だから、こちらものん気な気分で構えてしまう。
「ちーちゃん、大丈夫?」
「…ん? だいじょー………………うわっ! うわうわっ! あうっ!」
「ちょっ、ちーちゃん!」
大和の存在に気付いて返事をした千尋は、自分の今の状況――――大和に膝枕されていることに驚いて、華麗な反射神経で体を起こしたが、起こしたら起こしたで、大和にうんと顔が近付いて、今度はそれに驚いて元の体勢に戻ったが、それだとやはり膝枕だから、また起きようとして、バランスを崩して床に落ちた。
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