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恋の女神は微笑まない (288)
2015.03.07 Sat
それは、いつになく厳しい口調で、大和は少なからず驚いていた。
もちろん仕事に関しては、南條は大和や琉に対して厳しいことを言うことはあるけれど、プライベートのことに関して、こんなに口を出してくることなどなかったから。
「別に、引っ込みがつかなくなってるわけじゃないけど」
口ではそう反論しながらも、見透かされてるな…と思った。
大和と千尋は、ずっと相手の気持ちを勘違いしていて、勘違いしたまま、縒りを戻すつもりはないとか、付き合わないとか言っていたのに、本当の気持ちが分かった後も、その言葉だけは取り消すことをしなかった。
誰かに自分の気持ちを指摘されても、その言葉を持ち出して、2人の今の関係性を正当化しようとしていた。気持ちは置いてけぼりのまま。
「今日、千尋の家に行って、はっきり言って俺、超ガッカリされたからな」
南條の言葉を素直に認めない大和に、南條はぼやくように言った。
「は? 何でちーちゃんにガッカリするんだよ」
「千尋にガッカリしたんじゃねぇよ。俺がガッカリされたの、千尋に」
「何で」
「行ったのがお前じゃなくて、俺だったからに決まってんだろ」
千尋の家に行ったときのことを思い出したのか、南條は苦々しそうに眉を寄せた。
そこまで嫌そうな顔をしなくても…と思うが、長い付き合いの中で、南條は千尋から酷い目に遭わされたことも多かったから、自然とそういう顔になるのかもしれない。
「…何で南條が行くと、ちーちゃんがガッカリすんだよ。友だちじゃねぇのかよ、お前ら」
『行ったのがお前じゃなくて』の部分はもちろん聞こえていたけれど、それを踏まえて、南條が行ったことに千尋がガッカリしたというなら、それはつい喜んでしまうけれど、あえて気付かない振りで、何でもない振りで、南條に言い返した。
「お前さぁ…………いや、千尋もだけど、相手が自分のことが好きだっていうのを他人越しに知って、密かに喜ぶの、やめてくんない? 千尋も、来たのが俺だって分かって超ガッカリしてたのに、一ノ瀬に頼まれて来たんだって言ったら、超嬉しそうにしてるしよー」
わざわざ行ってやったのは俺なのに…と、ブチブチ言っている南條には悪かったが、その話を聞いて、大和はやっぱり密かに喜んでしまった。もう離れてしまった2人なのに、千尋が自分のことを好きでいてくれることが、嬉しいのだ。
でも、そんな態度を、南條は許さなかった。
「お前らが縒りを戻さないとか、付き合わないって言うなら、それはそれでいいけど、だったらちゃんと、それらしく振る舞え。いつまでも引き摺ってんじゃねぇよ」
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もちろん仕事に関しては、南條は大和や琉に対して厳しいことを言うことはあるけれど、プライベートのことに関して、こんなに口を出してくることなどなかったから。
「別に、引っ込みがつかなくなってるわけじゃないけど」
口ではそう反論しながらも、見透かされてるな…と思った。
大和と千尋は、ずっと相手の気持ちを勘違いしていて、勘違いしたまま、縒りを戻すつもりはないとか、付き合わないとか言っていたのに、本当の気持ちが分かった後も、その言葉だけは取り消すことをしなかった。
誰かに自分の気持ちを指摘されても、その言葉を持ち出して、2人の今の関係性を正当化しようとしていた。気持ちは置いてけぼりのまま。
「今日、千尋の家に行って、はっきり言って俺、超ガッカリされたからな」
南條の言葉を素直に認めない大和に、南條はぼやくように言った。
「は? 何でちーちゃんにガッカリするんだよ」
「千尋にガッカリしたんじゃねぇよ。俺がガッカリされたの、千尋に」
「何で」
「行ったのがお前じゃなくて、俺だったからに決まってんだろ」
千尋の家に行ったときのことを思い出したのか、南條は苦々しそうに眉を寄せた。
そこまで嫌そうな顔をしなくても…と思うが、長い付き合いの中で、南條は千尋から酷い目に遭わされたことも多かったから、自然とそういう顔になるのかもしれない。
「…何で南條が行くと、ちーちゃんがガッカリすんだよ。友だちじゃねぇのかよ、お前ら」
『行ったのがお前じゃなくて』の部分はもちろん聞こえていたけれど、それを踏まえて、南條が行ったことに千尋がガッカリしたというなら、それはつい喜んでしまうけれど、あえて気付かない振りで、何でもない振りで、南條に言い返した。
「お前さぁ…………いや、千尋もだけど、相手が自分のことが好きだっていうのを他人越しに知って、密かに喜ぶの、やめてくんない? 千尋も、来たのが俺だって分かって超ガッカリしてたのに、一ノ瀬に頼まれて来たんだって言ったら、超嬉しそうにしてるしよー」
わざわざ行ってやったのは俺なのに…と、ブチブチ言っている南條には悪かったが、その話を聞いて、大和はやっぱり密かに喜んでしまった。もう離れてしまった2人なのに、千尋が自分のことを好きでいてくれることが、嬉しいのだ。
でも、そんな態度を、南條は許さなかった。
「お前らが縒りを戻さないとか、付き合わないって言うなら、それはそれでいいけど、だったらちゃんと、それらしく振る舞え。いつまでも引き摺ってんじゃねぇよ」
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