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恋の女神は微笑まない (284)
2015.03.03 Tue
yamato
前に千尋が倒れたのは、コンサートが終わった後の楽屋で、そのときは自分が宿泊するホテルの一室に連れて行ったから、部屋の中のことは好き勝手に出来たけれど、ここは千尋の家だ。
もう何回か来ているから、家の中の様子は分かっているけれど、家主がこの状態なのに、あまりウロウロするのも落ち着かない。
何度か声を掛けたけれど、千尋は小さく反応するだけで、目を覚まさない。
ずっと抱き抱えているのも(体力的なことだけでなく)しんどいので、どこかに寝かせてやりたいと思うが…………寝室? いや、別に変な意味でなくて!
意識する必要も、言い訳する必要もないのに、大和は1人で大いに慌てる。
「お邪魔しまーす…」
部屋に他に誰もいないことは千尋から聞いたけれど(今まで2人であれだけの大騒ぎをして、やっぱり中に男が隠れていた、なんて修羅場はないと信じたい)、それでも大和は一応一声掛けて、中に入る。
千尋を抱き上げて中へと進み、ソファにしようか、やっぱりベッドか……と思っていたら、突然、パチリと千尋が目を開けた。
「うわあああぁぁっ!」
「ちょっ危なっ!」
目を開けた千尋は、その視界に大和を見つけた途端、とんでもない勢いで驚いて体を跳ね上げたが、その瞬間に、自分が抱き上げられていると気付いたらしく、手足をバタつかせたので、大和は体勢を崩しそうになる。
「危ないっ、ちーちゃん、危ないっ!」
「あ…?」
まだ状況を理解できていない千尋がジタバタするものだから、大和は千尋を落とさないよう、咄嗟にしゃがんで身を低くした。
「ビックリした…」
「え? え? 何? あれ??」
大和がホッと胸を撫で下ろしていると、千尋は大和の腕の中で、辺りをキョロキョロする。
「さっき、玄関でちーちゃん、急にぶっ倒れちゃうから…。呼んだけど起きないし、ずっと玄関にいるわけにもいかないから、ゴメン、勝手に上がらせてもらいました」
「あ……うん、すみませんでした…」
大和に説明されて、少しは何が起こったのか分かったのか、千尋はばつが悪そうに視線を外した。
「どこかに寝かせたほうがいいかな、て思ったんだけど、目が覚めたなら大丈夫だよね?」
「うん…。はぁ~……心臓に悪い…」
「いや、それ、こっちのセリフだから、ちーちゃん」
目の前で人が意識を失って倒れるのを見るなんて、なかなか経験するものではないのに、大和はこれでもう2回目だ。しかも同じ相手。
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前に千尋が倒れたのは、コンサートが終わった後の楽屋で、そのときは自分が宿泊するホテルの一室に連れて行ったから、部屋の中のことは好き勝手に出来たけれど、ここは千尋の家だ。
もう何回か来ているから、家の中の様子は分かっているけれど、家主がこの状態なのに、あまりウロウロするのも落ち着かない。
何度か声を掛けたけれど、千尋は小さく反応するだけで、目を覚まさない。
ずっと抱き抱えているのも(体力的なことだけでなく)しんどいので、どこかに寝かせてやりたいと思うが…………寝室? いや、別に変な意味でなくて!
意識する必要も、言い訳する必要もないのに、大和は1人で大いに慌てる。
「お邪魔しまーす…」
部屋に他に誰もいないことは千尋から聞いたけれど(今まで2人であれだけの大騒ぎをして、やっぱり中に男が隠れていた、なんて修羅場はないと信じたい)、それでも大和は一応一声掛けて、中に入る。
千尋を抱き上げて中へと進み、ソファにしようか、やっぱりベッドか……と思っていたら、突然、パチリと千尋が目を開けた。
「うわあああぁぁっ!」
「ちょっ危なっ!」
目を開けた千尋は、その視界に大和を見つけた途端、とんでもない勢いで驚いて体を跳ね上げたが、その瞬間に、自分が抱き上げられていると気付いたらしく、手足をバタつかせたので、大和は体勢を崩しそうになる。
「危ないっ、ちーちゃん、危ないっ!」
「あ…?」
まだ状況を理解できていない千尋がジタバタするものだから、大和は千尋を落とさないよう、咄嗟にしゃがんで身を低くした。
「ビックリした…」
「え? え? 何? あれ??」
大和がホッと胸を撫で下ろしていると、千尋は大和の腕の中で、辺りをキョロキョロする。
「さっき、玄関でちーちゃん、急にぶっ倒れちゃうから…。呼んだけど起きないし、ずっと玄関にいるわけにもいかないから、ゴメン、勝手に上がらせてもらいました」
「あ……うん、すみませんでした…」
大和に説明されて、少しは何が起こったのか分かったのか、千尋はばつが悪そうに視線を外した。
「どこかに寝かせたほうがいいかな、て思ったんだけど、目が覚めたなら大丈夫だよね?」
「うん…。はぁ~……心臓に悪い…」
「いや、それ、こっちのセリフだから、ちーちゃん」
目の前で人が意識を失って倒れるのを見るなんて、なかなか経験するものではないのに、大和はこれでもう2回目だ。しかも同じ相手。
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