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恋の女神は微笑まない (274)
2015.02.15 Sun
「あの…………ちーちゃん…?」
千尋があまりに唖然としていたら、大和が心配そうに様子を窺って来たから、思わず吹き出しそうになって、千尋はごまかすために慌てて口元を手で押さえた。
どこまで行っても自分たち2人は、相手の何かを勘違いする運命にあるらしい。
だって千尋も今、大和がどういうつもりで来たのか分からないから、勝手な想像をするんだけれど、そうすると恐らくは大和の真意とは違うことを考えてしまうのだろう。全然分かり合えない2人なのだ。
そう思ったら、すごくおかしくなって来て、せっかく笑ってない素振りでがんばっていたのに、結局千尋は笑い出してしまった。
「え? え? ちーちゃん??」
「いや……俺たちって、やっぱりどんなにがんばっても、分かり合えないんだな、て思って」
「え?」
「分かり合えない、ていうか……ちゃんと話をすればそんなことないんだけど、いっつも勝手に相手の思ってることとか考えて、勘違いしちゃうじゃん? 俺ら」
わざわざ説明するまでもないことだったかもしれないけれど、今千尋が笑ってしまったことを、また違うように捉えられても厄介だから、ちゃんと言っておく。
すると大和は合点がいったのか、笑って肩を竦めた。
「じゃあ…、誰も来てないの?」
「まぁね」
問われて千尋は正直に頷いたけれど、でもそうだとしたら、どうしてすぐに大和を出迎えなかったのか、という話になる。
風呂に入っていたことにしようとしていたけれど、よく考えたら、今、風呂上がり感ゼロだし…………寝てたことにでもしようか。けれど、大和はまだ何も聞いて来ていないから、言い訳するのも…。
「えっと!」
追及される前に別の話題に変えてしまおう、と千尋は、大和より先に話を切り出した。
「俺も勝手に想像して間違えちゃうとヤダから聞くけど、あの、あ、怒んないで聞いてね?」
「え、うん」
「大和くん、何で来たの?」
「えっ…………」
早く話題転換をしなければ…と、ちょっと焦っていたせいもあってか、思った以上に直球勝負の聞き方になってしまった。大和も言葉をなくしている。
さすがにこの言い方はない。怒らないで、と最初に前置きはしたものの、これでは怒られても仕方がないし、気分を害して大和が帰ってしまっても、文句は言えない。
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千尋があまりに唖然としていたら、大和が心配そうに様子を窺って来たから、思わず吹き出しそうになって、千尋はごまかすために慌てて口元を手で押さえた。
どこまで行っても自分たち2人は、相手の何かを勘違いする運命にあるらしい。
だって千尋も今、大和がどういうつもりで来たのか分からないから、勝手な想像をするんだけれど、そうすると恐らくは大和の真意とは違うことを考えてしまうのだろう。全然分かり合えない2人なのだ。
そう思ったら、すごくおかしくなって来て、せっかく笑ってない素振りでがんばっていたのに、結局千尋は笑い出してしまった。
「え? え? ちーちゃん??」
「いや……俺たちって、やっぱりどんなにがんばっても、分かり合えないんだな、て思って」
「え?」
「分かり合えない、ていうか……ちゃんと話をすればそんなことないんだけど、いっつも勝手に相手の思ってることとか考えて、勘違いしちゃうじゃん? 俺ら」
わざわざ説明するまでもないことだったかもしれないけれど、今千尋が笑ってしまったことを、また違うように捉えられても厄介だから、ちゃんと言っておく。
すると大和は合点がいったのか、笑って肩を竦めた。
「じゃあ…、誰も来てないの?」
「まぁね」
問われて千尋は正直に頷いたけれど、でもそうだとしたら、どうしてすぐに大和を出迎えなかったのか、という話になる。
風呂に入っていたことにしようとしていたけれど、よく考えたら、今、風呂上がり感ゼロだし…………寝てたことにでもしようか。けれど、大和はまだ何も聞いて来ていないから、言い訳するのも…。
「えっと!」
追及される前に別の話題に変えてしまおう、と千尋は、大和より先に話を切り出した。
「俺も勝手に想像して間違えちゃうとヤダから聞くけど、あの、あ、怒んないで聞いてね?」
「え、うん」
「大和くん、何で来たの?」
「えっ…………」
早く話題転換をしなければ…と、ちょっと焦っていたせいもあってか、思った以上に直球勝負の聞き方になってしまった。大和も言葉をなくしている。
さすがにこの言い方はない。怒らないで、と最初に前置きはしたものの、これでは怒られても仕方がないし、気分を害して大和が帰ってしまっても、文句は言えない。
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