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恋の女神は微笑まない (273)
2015.02.14 Sat
「あ……ゴメン、やっぱ帰ったほうがいい……よね?」
「は?」
何だか歯切れの悪い大和の言葉に、千尋はしおらしい態度もどこへやら、眉を寄せて大和を睨んでしまった。いや、睨むつもりはなかったが、ついそういう表情になっていた。
だって、あれだけチャイムを鳴らしておいて、千尋が出た途端に帰るとか、どういうつもりだ。だったら、千尋が居留守を使っているうちに、来訪者が大和だと気付く前に、帰ってくれたらよかったのに。
「どういうこと? 大和くん、わざわざピンポンダッシュしに来たの?」
「や、そうじゃないけどっ…、やっぱ迷惑だったかな、て思って…」
「今さらでしょ。これだけピンポンしといて?」
また大和に会えて嬉しいくせに、会えるなんて思っていなかった驚きも相俟って、素直でない千尋は素っ気ない態度を取ってしまう。
けれど、こんな時間にこれだけチャイムを鳴らしておいて、迷惑だとか気を遣われても、本当に今さらだ。
「いや、ピンポンしてるうちに、やっぱまずかったかな、て思ったんだよ。誰か来てるとか全然考えないでちーちゃんち来ちゃって…。でも、何か中ですごい音するから心配になって…」
「………………ぅん?」
中ですごい音がするから…は、まぁいい。千尋が椅子に引っ掛かって転んだときのことか、足を滑らせてドアにおでこをぶつけたときのことを言っているのだろう。
それはそうとして、誰か来てるとか考えないで、とは? もしかして大和は、今千尋の家に誰か来ていると思っている?
……………………。
まぁそうだよね、クリスマスイブだし。
普通、何の連絡もなしに、突撃訪問する日ではない。恋人同士ならともかく、少なくとも元カレのすることではない。
もしかして大和は、チャイムが鳴っても千尋が出なかったのを、誰か来ているからだと思ったのだろうか。この場合の『誰か』は当然、単なる友だちではなくて、新しい恋人だろう。
だから、その誰かが大和に知られないように居留守を使って大和が帰るのを待っていたとか、それでも大和がなかなか帰らないから、慌てて中を片付けて大和を出迎えたとか。
妙にバタバタうるさかったのも、慌てて痕跡を隠そうとしていたから…というのも、筋書きとしては成り立つ。
(すっごいベタなソープオペラ…)
となると千尋は、旦那が出張の隙を狙って浮気する団地妻か。
昭和の香りがすごすぎる。
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「は?」
何だか歯切れの悪い大和の言葉に、千尋はしおらしい態度もどこへやら、眉を寄せて大和を睨んでしまった。いや、睨むつもりはなかったが、ついそういう表情になっていた。
だって、あれだけチャイムを鳴らしておいて、千尋が出た途端に帰るとか、どういうつもりだ。だったら、千尋が居留守を使っているうちに、来訪者が大和だと気付く前に、帰ってくれたらよかったのに。
「どういうこと? 大和くん、わざわざピンポンダッシュしに来たの?」
「や、そうじゃないけどっ…、やっぱ迷惑だったかな、て思って…」
「今さらでしょ。これだけピンポンしといて?」
また大和に会えて嬉しいくせに、会えるなんて思っていなかった驚きも相俟って、素直でない千尋は素っ気ない態度を取ってしまう。
けれど、こんな時間にこれだけチャイムを鳴らしておいて、迷惑だとか気を遣われても、本当に今さらだ。
「いや、ピンポンしてるうちに、やっぱまずかったかな、て思ったんだよ。誰か来てるとか全然考えないでちーちゃんち来ちゃって…。でも、何か中ですごい音するから心配になって…」
「………………ぅん?」
中ですごい音がするから…は、まぁいい。千尋が椅子に引っ掛かって転んだときのことか、足を滑らせてドアにおでこをぶつけたときのことを言っているのだろう。
それはそうとして、誰か来てるとか考えないで、とは? もしかして大和は、今千尋の家に誰か来ていると思っている?
……………………。
まぁそうだよね、クリスマスイブだし。
普通、何の連絡もなしに、突撃訪問する日ではない。恋人同士ならともかく、少なくとも元カレのすることではない。
もしかして大和は、チャイムが鳴っても千尋が出なかったのを、誰か来ているからだと思ったのだろうか。この場合の『誰か』は当然、単なる友だちではなくて、新しい恋人だろう。
だから、その誰かが大和に知られないように居留守を使って大和が帰るのを待っていたとか、それでも大和がなかなか帰らないから、慌てて中を片付けて大和を出迎えたとか。
妙にバタバタうるさかったのも、慌てて痕跡を隠そうとしていたから…というのも、筋書きとしては成り立つ。
(すっごいベタなソープオペラ…)
となると千尋は、旦那が出張の隙を狙って浮気する団地妻か。
昭和の香りがすごすぎる。
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