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恋の女神は微笑まない (257)
2015.01.29 Thu
「…上がる?」
「上がっていいなら」
立ち話も何だし、一応南條は千尋のお世話をしに来たみたいだし…と、千尋は南條を中に通す。
「メシは? 食ったのか? まだなら作るけど」
「マジか! 食っちゃった。レトルトのヤツ、おかゆ。南條が作ってくれるんだったら、食べるの、もうちょっと待ってればよかった」
「いや、俺が作るとしても、おかゆくらいだよ。一応、薬とか食いもんとか買って来たけど」
「…ありがと」
南條はドラッグストアの袋から、風邪薬やらスポーツドリンクやらゼリー飲料やらをやたらと取り出す。
大和が買って来てくれた分もまだあるから、さすがにそこまでの量はなくても大丈夫だとは思うけれど、心配性の南條らしくて、何か言う気にはなれなかった。
「メシ食ったし、じゃあもう寝るだけか? 薬は?」
「忘れてた」
「おい」
そういえば先ほどは、キビキビしゃきしゃきとご飯を食べて、後片付けをした後、すぐにベッドに潜り込んだだけで、薬を飲んでいなかった。普通に忘れていた。
風邪薬は、大和が持ってきてくれたものが残っているから、とりあえずそちらを飲むことにする。
「でも、南條のチャイムの鳴らし方、怖いわ。何あのゆっくりなの」
「は?」
まっとうな人間になる宣言(心の中限定)により、千尋は使ったグラスをすぐに洗って片付ける。
振り返って南條に言うと、南條は買って来たものを冷蔵庫に入れたり、戸棚にしまったりしていた。
「何か超ゆっくり、ピンポン…………ピンポン…………て」
「いや、具合悪いのに、あんまうるさく鳴らすのもアレかな、て思って」
「でもずっと鳴ってたじゃん。超長い間ピンポン…………ピンポン…………ピンポン…………」
「寝てたらなかなか気付かねぇと思って。つか、気付いてたんなら出て来いよな」
なるほど、南條なりの考えがあったらしい。
それにしても、千尋的には南條の行動に突っ込みを入れて優位に立つはずが、逆に墓穴を掘ってしまった。玄関に行けないくらい具合が悪いわけでもない、というのは、もうすでに南條に知られている。
「何か鳴ってるなぁとは思ってたんだけど。でも誰か分かんないし、宅配便とか? 何かの勧誘とかだったら面倒くさいじゃん。だったらお前も電話とかしてくれたらいいじゃん」
「したよ。でも出なかっただろ」
「あれ?」
確かスマホは枕元に置いておいたはずで、鳴ったら気付いただろうに…………もしかして千尋が玄関に向かおうと、寝室を出た後に鳴ったのかもしれない。
つくづく南條とはタイミングが合わないようだ。
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「上がっていいなら」
立ち話も何だし、一応南條は千尋のお世話をしに来たみたいだし…と、千尋は南條を中に通す。
「メシは? 食ったのか? まだなら作るけど」
「マジか! 食っちゃった。レトルトのヤツ、おかゆ。南條が作ってくれるんだったら、食べるの、もうちょっと待ってればよかった」
「いや、俺が作るとしても、おかゆくらいだよ。一応、薬とか食いもんとか買って来たけど」
「…ありがと」
南條はドラッグストアの袋から、風邪薬やらスポーツドリンクやらゼリー飲料やらをやたらと取り出す。
大和が買って来てくれた分もまだあるから、さすがにそこまでの量はなくても大丈夫だとは思うけれど、心配性の南條らしくて、何か言う気にはなれなかった。
「メシ食ったし、じゃあもう寝るだけか? 薬は?」
「忘れてた」
「おい」
そういえば先ほどは、キビキビしゃきしゃきとご飯を食べて、後片付けをした後、すぐにベッドに潜り込んだだけで、薬を飲んでいなかった。普通に忘れていた。
風邪薬は、大和が持ってきてくれたものが残っているから、とりあえずそちらを飲むことにする。
「でも、南條のチャイムの鳴らし方、怖いわ。何あのゆっくりなの」
「は?」
まっとうな人間になる宣言(心の中限定)により、千尋は使ったグラスをすぐに洗って片付ける。
振り返って南條に言うと、南條は買って来たものを冷蔵庫に入れたり、戸棚にしまったりしていた。
「何か超ゆっくり、ピンポン…………ピンポン…………て」
「いや、具合悪いのに、あんまうるさく鳴らすのもアレかな、て思って」
「でもずっと鳴ってたじゃん。超長い間ピンポン…………ピンポン…………ピンポン…………」
「寝てたらなかなか気付かねぇと思って。つか、気付いてたんなら出て来いよな」
なるほど、南條なりの考えがあったらしい。
それにしても、千尋的には南條の行動に突っ込みを入れて優位に立つはずが、逆に墓穴を掘ってしまった。玄関に行けないくらい具合が悪いわけでもない、というのは、もうすでに南條に知られている。
「何か鳴ってるなぁとは思ってたんだけど。でも誰か分かんないし、宅配便とか? 何かの勧誘とかだったら面倒くさいじゃん。だったらお前も電話とかしてくれたらいいじゃん」
「したよ。でも出なかっただろ」
「あれ?」
確かスマホは枕元に置いておいたはずで、鳴ったら気付いただろうに…………もしかして千尋が玄関に向かおうと、寝室を出た後に鳴ったのかもしれない。
つくづく南條とはタイミングが合わないようだ。
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