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恋の女神は微笑まない (258)
2015.01.30 Fri
「でもお前も思ったより具合よさそうだし、俺、もう帰るな?」
「えー? 何でだよ、もっとお世話してけよ、俺のこと!」
「何の世話だよ。もう寝るだけだろ?」
「風呂入る」
先ほどは忘れてもう寝ようとしていたけれど、そういえばまだ風呂に入っていなかった。
明日は仕事に行くんだし、やっぱりお風呂入っていないのは、よくない。明日の朝に入ることも出来るけれど、病み上がりでそれは、風邪を悪化させそうだ。
「いや…、入りたきゃ入れよ。俺が何するんだよ」
「頭洗って、体洗って」
「アホだろ、お前」
「俺が風呂ん中で倒れて溺れて死んじゃったらどうすんだよー」
「…上がるまで待っててやっから、早く入って来いっ」
すごく嫌そうな顔で南條に言われて、けれど千尋はニヤニヤと笑いながら風呂場に行こうとしたが、ふと気が付いた。
「そういえば、まだお湯溜めてないや、お風呂」
「おい」
「シャワーだけでいっか、まぁ」
「風邪引いてんだから、お湯溜めて入れよ。あったまれっ!」
普段からわりとシャワーで済ませがちなので、今だってシャワーでもいいんだけれど、この状況でシャワーだけなのは風邪を悪化させるかな、と思ったら、南條にも釘を刺された。
仕方なく千尋は、風呂のスイッチを入れに行く。こんなことなら、ご飯の前にスイッチを入れておけばよかった。
「南條ー」
「ん?」
千尋が戻って来ると、南條はタブレットで何か確認していた。
先ほど千尋は、昼から仕事の大和が、こんな時間に仕事が終わるわけがないと思ったけれど、その大和たちのマネージャーをしている南條だって、本当はまだ仕事中なのかもしれない。
大和に頼まれたとはいえ、仕事中にこんなところに来ていていいのかな、と千尋は今さらながらに心配になって来る。
「…仕事は?」
「今さら聞くか」
「だって」
千尋は南條の隣に座って、まったくの無遠慮に南條のタブレットを覗き込む。
南條は『何だ?』という顔で千尋を見たものの、タブレットの画面を見る千尋にやめろとは言わなかった。見られても困らないものなのか、見たところで千尋には分からないと思ったのか、それは知らない。
「今、番組の収録中だけど、スタジオに事務所の人間がいるから、とりあえず抜けて来たんだよ」
「…大和くんに頼まれたの?」
「そうだけど…………お前、一ノ瀬と別れたんじゃねぇの?」
「別れたよ」
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「えー? 何でだよ、もっとお世話してけよ、俺のこと!」
「何の世話だよ。もう寝るだけだろ?」
「風呂入る」
先ほどは忘れてもう寝ようとしていたけれど、そういえばまだ風呂に入っていなかった。
明日は仕事に行くんだし、やっぱりお風呂入っていないのは、よくない。明日の朝に入ることも出来るけれど、病み上がりでそれは、風邪を悪化させそうだ。
「いや…、入りたきゃ入れよ。俺が何するんだよ」
「頭洗って、体洗って」
「アホだろ、お前」
「俺が風呂ん中で倒れて溺れて死んじゃったらどうすんだよー」
「…上がるまで待っててやっから、早く入って来いっ」
すごく嫌そうな顔で南條に言われて、けれど千尋はニヤニヤと笑いながら風呂場に行こうとしたが、ふと気が付いた。
「そういえば、まだお湯溜めてないや、お風呂」
「おい」
「シャワーだけでいっか、まぁ」
「風邪引いてんだから、お湯溜めて入れよ。あったまれっ!」
普段からわりとシャワーで済ませがちなので、今だってシャワーでもいいんだけれど、この状況でシャワーだけなのは風邪を悪化させるかな、と思ったら、南條にも釘を刺された。
仕方なく千尋は、風呂のスイッチを入れに行く。こんなことなら、ご飯の前にスイッチを入れておけばよかった。
「南條ー」
「ん?」
千尋が戻って来ると、南條はタブレットで何か確認していた。
先ほど千尋は、昼から仕事の大和が、こんな時間に仕事が終わるわけがないと思ったけれど、その大和たちのマネージャーをしている南條だって、本当はまだ仕事中なのかもしれない。
大和に頼まれたとはいえ、仕事中にこんなところに来ていていいのかな、と千尋は今さらながらに心配になって来る。
「…仕事は?」
「今さら聞くか」
「だって」
千尋は南條の隣に座って、まったくの無遠慮に南條のタブレットを覗き込む。
南條は『何だ?』という顔で千尋を見たものの、タブレットの画面を見る千尋にやめろとは言わなかった。見られても困らないものなのか、見たところで千尋には分からないと思ったのか、それは知らない。
「今、番組の収録中だけど、スタジオに事務所の人間がいるから、とりあえず抜けて来たんだよ」
「…大和くんに頼まれたの?」
「そうだけど…………お前、一ノ瀬と別れたんじゃねぇの?」
「別れたよ」
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