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恋の女神は微笑まない (256)
2015.01.28 Wed
誰のせいで大きな声を上げるはめになったというのか、しかし千尋はそう吐き捨てて、乱暴に南條から手を離した。
いきなりの先制パンチに、南條は突っ込むことも出来ず、ただ唖然と千尋を見つめた。しかし、それはそれで、千尋が『何見てんだよ』とでも言いたげに睨んで来るので、すぐに目を逸らすはめになる。
「何しに来たんだよ」
千尋は、湧き上がったイライラを、理不尽にも南條にぶつける。
というか、突然の南條に驚いて喚き散らしてしまったが、千尋自身も、何でそんなことをしたのかよく分からなかった。でも、何となく後には引けなくて、同じ態度を貫き通した。
「何しに、て……お前が風邪引いて寝込んでるとか言うから」
「えっ」
「ったく、何で俺がお前の世話しに来ないといけないんだよ」
「たっ…頼んでねぇし」
千尋が風邪で寝込んでいることは、それこそ店の人間と大和しか知らないわけで、その中でFATEのマネージャーである南條と繋がりがあるのは、大和しかいない。
南條のセリフに瞬時にそのことを悟った千尋は、思わず嬉しそうな声を出してしまったが、すぐにツンの返事を返した。けれど、言うとおり、別に千尋は南條に来てほしいだなんて頼んだ覚えはない。
「一ノ瀬に頼まれたんだよ。朝、めっちゃ具合悪そうだったから、様子見て来てほしい、て」
「…!」
南條は面倒くさそうに言ったが、その言い方よりも、言った内容に千尋はついときめいてしまう。だって、スマホにメッセージもくれたけれど、心配して、南條を寄越してくれたのだ。
どうしよう、さっき年が明けたら新しい人間に生まれ変わるつもりでいたけれど、いや、もう生まれ変わったつもりでいたけれど、すごく嬉しいし、やっぱり好きだという気持ちを再確認してしまった。
「それなのに、ドア開いた途端、殴られそうになるしな」
「あ、」
「チャイム鳴らしても全然反応ねぇから、具合悪すぎて倒れてんじゃねぇかとか思って、心配したのに」
「だってっ…………ゴメンなさい」
確かに、あれはまずかった。南條は何も悪くないのに、勝手な思い込みでガッカリして、わざわざ来てくれた南條に、とんでもないことを仕出かしてしまった。
さすがに千尋も申し訳なく思って、素直に謝る。あれはないわ。
「で、具合はどうなんだよ。見たところ、そんなに具合悪そうでもないけど、大丈夫じゃないのか?」
「いや……もう大分いいけど…」
先ほど、大丈夫に見えるか、と南條に食って掛かったのは、体調とは関係のないことだったので、千尋はごにょごにょとごまかした。南條に余計なことは知られたくない。
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いきなりの先制パンチに、南條は突っ込むことも出来ず、ただ唖然と千尋を見つめた。しかし、それはそれで、千尋が『何見てんだよ』とでも言いたげに睨んで来るので、すぐに目を逸らすはめになる。
「何しに来たんだよ」
千尋は、湧き上がったイライラを、理不尽にも南條にぶつける。
というか、突然の南條に驚いて喚き散らしてしまったが、千尋自身も、何でそんなことをしたのかよく分からなかった。でも、何となく後には引けなくて、同じ態度を貫き通した。
「何しに、て……お前が風邪引いて寝込んでるとか言うから」
「えっ」
「ったく、何で俺がお前の世話しに来ないといけないんだよ」
「たっ…頼んでねぇし」
千尋が風邪で寝込んでいることは、それこそ店の人間と大和しか知らないわけで、その中でFATEのマネージャーである南條と繋がりがあるのは、大和しかいない。
南條のセリフに瞬時にそのことを悟った千尋は、思わず嬉しそうな声を出してしまったが、すぐにツンの返事を返した。けれど、言うとおり、別に千尋は南條に来てほしいだなんて頼んだ覚えはない。
「一ノ瀬に頼まれたんだよ。朝、めっちゃ具合悪そうだったから、様子見て来てほしい、て」
「…!」
南條は面倒くさそうに言ったが、その言い方よりも、言った内容に千尋はついときめいてしまう。だって、スマホにメッセージもくれたけれど、心配して、南條を寄越してくれたのだ。
どうしよう、さっき年が明けたら新しい人間に生まれ変わるつもりでいたけれど、いや、もう生まれ変わったつもりでいたけれど、すごく嬉しいし、やっぱり好きだという気持ちを再確認してしまった。
「それなのに、ドア開いた途端、殴られそうになるしな」
「あ、」
「チャイム鳴らしても全然反応ねぇから、具合悪すぎて倒れてんじゃねぇかとか思って、心配したのに」
「だってっ…………ゴメンなさい」
確かに、あれはまずかった。南條は何も悪くないのに、勝手な思い込みでガッカリして、わざわざ来てくれた南條に、とんでもないことを仕出かしてしまった。
さすがに千尋も申し訳なく思って、素直に謝る。あれはないわ。
「で、具合はどうなんだよ。見たところ、そんなに具合悪そうでもないけど、大丈夫じゃないのか?」
「いや……もう大分いいけど…」
先ほど、大丈夫に見えるか、と南條に食って掛かったのは、体調とは関係のないことだったので、千尋はごにょごにょとごまかした。南條に余計なことは知られたくない。
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