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恋の女神は微笑まない (255)
2015.01.27 Tue
…と、本気で思いながら、千尋はふとんの中に潜り込んだが、なかなかチャイムは鳴りやまない。
しつこく連打するというほどでもなく、そこそこの間隔を置いて鳴るチャイムに、千尋は、相手に帰る気がないのではないかと思い始める。
荷物が届く予定はないから宅配便ではないだろうし…………もしかして千尋が家にいるのを分かっているから、ここまでチャイムを鳴らしているのではないだろうか。
千尋が家にいることを知っているのは、店長と今日仕事に入っている同僚――――そして大和だ。
まさか…と、千尋は期待と不安の入り交じった気持ちで起き上がり、ようやく玄関へと向かった。
芸能人のお仕事の仕組みはよく分からないが、昼からだと言っていた仕事が、もう終わるなんてことがあるんだろうか。
(…いや、ないな)
いくら何でも、そんなにあっさり終わるはずがない。名前の売れていないような芸能人ならともかく、大和は押しも押されもせぬスーパーアイドルなのだ。
ということは、このしぶとい訪問者は、どうしても今荷物を置いていきたい宅配業者か、しつこい勧誘か何かなのだろう。
こんなことなら居留守を使い続ければよかった。…いや、今からでも遅くはない。静かにベッドまで引き返せばいいだけの話だ。
(でも…)
もし、そういうのでなくて、千尋のことを心配して…………その思いが、千尋の回れ右をしようとした足を引き止め、玄関のドアを開けさせた。
「何だ、いるんじゃないか」
「………………」
「千尋?」
「………………」
ドアを開け、立っていた男を見た瞬間、千尋はドアノブを握り締めたまま固まった。
どうせ宅配便か勧誘だろうと思いながらも、心のどこかで期待していた部分も少なからずあったようで、突然目の前に突き付けられた現実に、どう反応していいのか分からないのだ。
だって、そこにいた人物が、あまりにも思い掛けないものだったから。
「おい、千尋、大丈夫か?」
「………………大丈夫に見えるか…………このヤロウ~~~~っっ」
「え? え? 何だよ? 何!? えぇっ!?」
別に相手は何も悪くない、多少しつこかったかもしれないが、玄関のチャイムを鳴らし、千尋が出て来るのを待っていただけだ。そして、様子のおかしい千尋を心配しただけなのに。
いきなり胸倉を掴み上げられた南條は、驚きのあまり、素っ頓狂な声を上げた。
「ちょっちょっ千尋!? 何だぁ~~~!!??」
「うるせぇっ、近所迷惑なんだよっ」
「イダッ」
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しつこく連打するというほどでもなく、そこそこの間隔を置いて鳴るチャイムに、千尋は、相手に帰る気がないのではないかと思い始める。
荷物が届く予定はないから宅配便ではないだろうし…………もしかして千尋が家にいるのを分かっているから、ここまでチャイムを鳴らしているのではないだろうか。
千尋が家にいることを知っているのは、店長と今日仕事に入っている同僚――――そして大和だ。
まさか…と、千尋は期待と不安の入り交じった気持ちで起き上がり、ようやく玄関へと向かった。
芸能人のお仕事の仕組みはよく分からないが、昼からだと言っていた仕事が、もう終わるなんてことがあるんだろうか。
(…いや、ないな)
いくら何でも、そんなにあっさり終わるはずがない。名前の売れていないような芸能人ならともかく、大和は押しも押されもせぬスーパーアイドルなのだ。
ということは、このしぶとい訪問者は、どうしても今荷物を置いていきたい宅配業者か、しつこい勧誘か何かなのだろう。
こんなことなら居留守を使い続ければよかった。…いや、今からでも遅くはない。静かにベッドまで引き返せばいいだけの話だ。
(でも…)
もし、そういうのでなくて、千尋のことを心配して…………その思いが、千尋の回れ右をしようとした足を引き止め、玄関のドアを開けさせた。
「何だ、いるんじゃないか」
「………………」
「千尋?」
「………………」
ドアを開け、立っていた男を見た瞬間、千尋はドアノブを握り締めたまま固まった。
どうせ宅配便か勧誘だろうと思いながらも、心のどこかで期待していた部分も少なからずあったようで、突然目の前に突き付けられた現実に、どう反応していいのか分からないのだ。
だって、そこにいた人物が、あまりにも思い掛けないものだったから。
「おい、千尋、大丈夫か?」
「………………大丈夫に見えるか…………このヤロウ~~~~っっ」
「え? え? 何だよ? 何!? えぇっ!?」
別に相手は何も悪くない、多少しつこかったかもしれないが、玄関のチャイムを鳴らし、千尋が出て来るのを待っていただけだ。そして、様子のおかしい千尋を心配しただけなのに。
いきなり胸倉を掴み上げられた南條は、驚きのあまり、素っ頓狂な声を上げた。
「ちょっちょっ千尋!? 何だぁ~~~!!??」
「うるせぇっ、近所迷惑なんだよっ」
「イダッ」
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