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恋の女神は微笑まない (238)
2015.01.10 Sat
大和にはそんな覚えがないけれど、千尋があまりにも変だと言うから、機嫌を損ねるとは思いつつ何のことなのか尋ねれば、先の大和の発言のことを言っているのだった。
理屈としては、別におかしなところはないと思うのだが…。
しかし、好きでもない相手から、今さら好きだと言われるのは、やはりいい気はしないだろうから、無理もないことか。
「…ゴメン。ホントは言うつもりはなかったんだけど、ちーちゃんが『何で忘れるとか言うの?』て聞くから、つい…。最後に嘘つきたくないし」
「………………。ちょ待って。は? 意味分かんない。嘘つきたくない、てどういうこと? 本気で言ったってこと? 言うつもりはなかったって? は??」
大和が説明すればするほど、千尋を困惑の淵に追い遣ってしまうようで、矢継ぎ早に聞き返された。
意味が分からないと言われても、千尋と会うのはこれが最後だから、自分の気持ちに嘘をつきたくなかったのであって、もちろん本気で言ったに決まっている。
言うつもりがなかったのは千尋を困らせたくなかったからで、大和が千尋のことを忘れると言ったことに対して、千尋があんなに食い付いて来なかったら、わざわざ明かさなかった。
それに、相手が自分に好意を持っていないと分かっているのに、あえてそこで好きであることを告げる気力はない。
「ちーちゃん…? え? あの…、大丈夫…?」
しかし、千尋にそれを伝えようにも、あまりにも千尋が狼狽しているので、大和の口を衝いて出たのはそんな言葉だった。
「大丈夫なわけないじゃん! マジで何言ってんの、大和くん!」
「ごゴメン…! あの、ゴメン、やっぱ忘れて! ナシ! さっき言ったことはナシで!」
「はぁ~~~!? ナシ~~!? どういうこと、やっぱ好きじゃないってこと? 何なの!? マジで意味分かんないっ!」
どうやら千尋は全然大丈夫ではなかったようで、すごい勢いで反論され、それに気圧されて大和が先の発言を撤回しようとしたら、ますます千尋をヒートアップさせてしまった。
千尋は頭を掻き毟りながら、どさりとシートに身を投げた。
「もういいよっ、もういいじゃん、俺のこと嫌いってことで。何、嫌いにはなれない、て。嫌いでいいよ、俺も大和くんのこと嫌いになるし。それでいいじゃん、これでバイバイできる」
「ちょっ…そんな勝手に決めないでよ。俺がちーちゃんのこと嫌いみたいな感じで終わりにしないでよ」
「でも嫌いなんだから、いいじゃん、それで」
「嫌いじゃないよ、好きだよっ」
「ナシて言った!」
「あわわわ」
千尋が勝手に大和の気持ちを決め付けるから、大和はすかさずそれを否定したけれど、先ほどの『ナシ』発言を持ち出されると、一気に立場が弱くなる。
いや、あれは千尋の勢いに押されて、ついそう言ってしまっただけで、本心ではない。千尋に好きと言ったことをナシにするつもりはないんだ。
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理屈としては、別におかしなところはないと思うのだが…。
しかし、好きでもない相手から、今さら好きだと言われるのは、やはりいい気はしないだろうから、無理もないことか。
「…ゴメン。ホントは言うつもりはなかったんだけど、ちーちゃんが『何で忘れるとか言うの?』て聞くから、つい…。最後に嘘つきたくないし」
「………………。ちょ待って。は? 意味分かんない。嘘つきたくない、てどういうこと? 本気で言ったってこと? 言うつもりはなかったって? は??」
大和が説明すればするほど、千尋を困惑の淵に追い遣ってしまうようで、矢継ぎ早に聞き返された。
意味が分からないと言われても、千尋と会うのはこれが最後だから、自分の気持ちに嘘をつきたくなかったのであって、もちろん本気で言ったに決まっている。
言うつもりがなかったのは千尋を困らせたくなかったからで、大和が千尋のことを忘れると言ったことに対して、千尋があんなに食い付いて来なかったら、わざわざ明かさなかった。
それに、相手が自分に好意を持っていないと分かっているのに、あえてそこで好きであることを告げる気力はない。
「ちーちゃん…? え? あの…、大丈夫…?」
しかし、千尋にそれを伝えようにも、あまりにも千尋が狼狽しているので、大和の口を衝いて出たのはそんな言葉だった。
「大丈夫なわけないじゃん! マジで何言ってんの、大和くん!」
「ごゴメン…! あの、ゴメン、やっぱ忘れて! ナシ! さっき言ったことはナシで!」
「はぁ~~~!? ナシ~~!? どういうこと、やっぱ好きじゃないってこと? 何なの!? マジで意味分かんないっ!」
どうやら千尋は全然大丈夫ではなかったようで、すごい勢いで反論され、それに気圧されて大和が先の発言を撤回しようとしたら、ますます千尋をヒートアップさせてしまった。
千尋は頭を掻き毟りながら、どさりとシートに身を投げた。
「もういいよっ、もういいじゃん、俺のこと嫌いってことで。何、嫌いにはなれない、て。嫌いでいいよ、俺も大和くんのこと嫌いになるし。それでいいじゃん、これでバイバイできる」
「ちょっ…そんな勝手に決めないでよ。俺がちーちゃんのこと嫌いみたいな感じで終わりにしないでよ」
「でも嫌いなんだから、いいじゃん、それで」
「嫌いじゃないよ、好きだよっ」
「ナシて言った!」
「あわわわ」
千尋が勝手に大和の気持ちを決め付けるから、大和はすかさずそれを否定したけれど、先ほどの『ナシ』発言を持ち出されると、一気に立場が弱くなる。
いや、あれは千尋の勢いに押されて、ついそう言ってしまっただけで、本心ではない。千尋に好きと言ったことをナシにするつもりはないんだ。
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