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恋の女神は微笑まない (235)
2015.01.07 Wed
「…ゴメン、無理。ちーちゃんのこと、嫌いになんかなれないよ」
「何で!」
何度も千尋に謝ってくれるくせに、千尋のお願いは全然聞いてくれないなんて。
何で嫌いになってくれないの? 嫌いになってくれたら、もう会えなくても、これで離れ離れになっても、平気でいられるのに。
「何で、て…。ちーちゃんこそ、何で? 何でそんなに、嫌いになれって言うの? 確かに最初のときからそう言ってたけど」
「ッ…」
「答えられないならいいんだけど、でも、さっきも言ったけど、ちーちゃんのこと嫌いになるなんて無理だから。前のときみたいに、嫌いになる努力をしろって言われても、それは無理。ちーちゃんのこと忘れる努力はするけど、でも…」
どうして大和は、千尋の思っているのとは違うふうに話を進めて行ってしまうんだろう、と思ったけれど、それは言うまでもなく、千尋が自分の思っていることすべてを、大和に言わないからだ。
大和は千尋ではないから、伝えないことは分からない。分かったような気になることはあっても、正確にすべてが分かるわけではなくて、思い違いだってする。
今日まで2人が、互いの気持ちを誤解していたように。
「忘れないでよっ!」
「え…」
大和が1人で話を進めて行ってしまいそうだったから、千尋は何とか間に口を挟んだけれど、うまく言葉を纏められず、感情のままに言ったものだから、何だか変なセリフになったかもしれない。
体を離して、大和の顔を見れば…………ホラ、大和も戸惑っている。
けれど、もういい。大和だって、自分のしたいようにしたんだから、千尋だってそうする。言いたいことを言う。
「何で忘れるとか言うの、大和くんのバカっ…」
「だって…………好きなのに、もう会えないんだよ? 忘れなかったら、ツラいじゃん」
「………………え?」
千尋は、感情のままに変なことを言っていたかもしれないけれど、それに対する大和の返答も変…というか、千尋にとって意外なものだったので、驚いて、高ぶった気持ちも収まってしまった。
「え?」
「ん?」
千尋がきょとんとなったからか、大和もつられてきょとんとなった。
つい数秒前まで、一見しただけでは修羅場かと思えるような雰囲気だったのに、2人とも相手が何に疑問を感じているのかが分からないせいで、頭の中を「?」でいっぱいにしてしまって、それどころではなくなってしまった。
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「何で!」
何度も千尋に謝ってくれるくせに、千尋のお願いは全然聞いてくれないなんて。
何で嫌いになってくれないの? 嫌いになってくれたら、もう会えなくても、これで離れ離れになっても、平気でいられるのに。
「何で、て…。ちーちゃんこそ、何で? 何でそんなに、嫌いになれって言うの? 確かに最初のときからそう言ってたけど」
「ッ…」
「答えられないならいいんだけど、でも、さっきも言ったけど、ちーちゃんのこと嫌いになるなんて無理だから。前のときみたいに、嫌いになる努力をしろって言われても、それは無理。ちーちゃんのこと忘れる努力はするけど、でも…」
どうして大和は、千尋の思っているのとは違うふうに話を進めて行ってしまうんだろう、と思ったけれど、それは言うまでもなく、千尋が自分の思っていることすべてを、大和に言わないからだ。
大和は千尋ではないから、伝えないことは分からない。分かったような気になることはあっても、正確にすべてが分かるわけではなくて、思い違いだってする。
今日まで2人が、互いの気持ちを誤解していたように。
「忘れないでよっ!」
「え…」
大和が1人で話を進めて行ってしまいそうだったから、千尋は何とか間に口を挟んだけれど、うまく言葉を纏められず、感情のままに言ったものだから、何だか変なセリフになったかもしれない。
体を離して、大和の顔を見れば…………ホラ、大和も戸惑っている。
けれど、もういい。大和だって、自分のしたいようにしたんだから、千尋だってそうする。言いたいことを言う。
「何で忘れるとか言うの、大和くんのバカっ…」
「だって…………好きなのに、もう会えないんだよ? 忘れなかったら、ツラいじゃん」
「………………え?」
千尋は、感情のままに変なことを言っていたかもしれないけれど、それに対する大和の返答も変…というか、千尋にとって意外なものだったので、驚いて、高ぶった気持ちも収まってしまった。
「え?」
「ん?」
千尋がきょとんとなったからか、大和もつられてきょとんとなった。
つい数秒前まで、一見しただけでは修羅場かと思えるような雰囲気だったのに、2人とも相手が何に疑問を感じているのかが分からないせいで、頭の中を「?」でいっぱいにしてしまって、それどころではなくなってしまった。
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