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恋の女神は微笑まない (233)
2015.01.05 Mon
――――千尋の気持ち?
そもそも、千尋の気持ちって何だ?
例えばこの場の空気とか、大和への配慮とか、そういうものを一切抜きにして、千尋の気持ちって…………本心て?
嫌いではないけれど付き合いたいほどではない、という気持ちから始まって、しかし週刊誌の件で、大和とは付き合いたくないと思うようになったわけで。
ならば、週刊誌のことがなかったら、そのまま大和のことを好きになっていたんだろうか。お付き合いしたいと思えるほどに。
確かに、大和と一緒にいるのが嫌だったことはないし、楽しかったと思う。
あの週刊誌の件がなかったら、お試しでなく、ちゃんとお付き合いしたい、と思えるようになっていたかもしれない――――けれどそれは、飽くまで可能性の話だ。
週刊誌の件は実際にあったことで、それを抜きにして考えるなんて出来はしない。どうしたって、そのことを踏まえて考えてしまうに決まっている。
今だって、別に大和のことをすごく大嫌いなわけじゃないし、恋愛感情云々はともかく、これでもう会えなくなると思ったら、寂しさを感じるくらいには好きだけれど。
けれど、大和とお付き合いをしたら、また、あの週刊誌のときのような思いをするかもしれないと思ったら、大和とは付き合えない。
まだ起こってもいないことを気にしたり、心配したりするのはバカげているし、確かそんなことを遥希に言ったこともあるけれど、千尋の場合、1度は経験しているのだから、仕方がない。
千尋は、自分らしく生きられないのが、一番嫌だと思う。
自分のセクシャリティを否定されるのは嫌だし、髪型を変えたのはあの週刊誌のせいではないけれど、そんなふうに見た目も気にしなければならないとか、絶対に嫌だ。
だから、やっぱり大和とは付き合えないのだろう。
大体、1度は『お付き合いしない』と断言しているのだ。今さらなかったことになんて出来ないし。
いや…、今大和は、好きか嫌いかを聞いているだけで、付き合うかどうかの話なんてしていないから、そこまでは考えなくていいのか。
好きなら、その後には付き合うかどうかの問題が出て来ると思ったけれど、そもそも大和は、千尋と縒りを戻したいわけではないと言っていたのだから、そこは考えずに、単純に好きかどうかだけを言えばいいのかな。
「…ゴメン、最後に困らせた。いいよ、答えなくても。分かったから」
「……」
千尋がなかなか答えなかったから、大和は困ったように笑って、そう言って来た。
答えなくていいのはいいけれど、『分かったから』て何だろう。千尋の気持ちが分かったってこと? 今、こんなにいろいろ考えて、悩んだことみんな分かったの?
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そもそも、千尋の気持ちって何だ?
例えばこの場の空気とか、大和への配慮とか、そういうものを一切抜きにして、千尋の気持ちって…………本心て?
嫌いではないけれど付き合いたいほどではない、という気持ちから始まって、しかし週刊誌の件で、大和とは付き合いたくないと思うようになったわけで。
ならば、週刊誌のことがなかったら、そのまま大和のことを好きになっていたんだろうか。お付き合いしたいと思えるほどに。
確かに、大和と一緒にいるのが嫌だったことはないし、楽しかったと思う。
あの週刊誌の件がなかったら、お試しでなく、ちゃんとお付き合いしたい、と思えるようになっていたかもしれない――――けれどそれは、飽くまで可能性の話だ。
週刊誌の件は実際にあったことで、それを抜きにして考えるなんて出来はしない。どうしたって、そのことを踏まえて考えてしまうに決まっている。
今だって、別に大和のことをすごく大嫌いなわけじゃないし、恋愛感情云々はともかく、これでもう会えなくなると思ったら、寂しさを感じるくらいには好きだけれど。
けれど、大和とお付き合いをしたら、また、あの週刊誌のときのような思いをするかもしれないと思ったら、大和とは付き合えない。
まだ起こってもいないことを気にしたり、心配したりするのはバカげているし、確かそんなことを遥希に言ったこともあるけれど、千尋の場合、1度は経験しているのだから、仕方がない。
千尋は、自分らしく生きられないのが、一番嫌だと思う。
自分のセクシャリティを否定されるのは嫌だし、髪型を変えたのはあの週刊誌のせいではないけれど、そんなふうに見た目も気にしなければならないとか、絶対に嫌だ。
だから、やっぱり大和とは付き合えないのだろう。
大体、1度は『お付き合いしない』と断言しているのだ。今さらなかったことになんて出来ないし。
いや…、今大和は、好きか嫌いかを聞いているだけで、付き合うかどうかの話なんてしていないから、そこまでは考えなくていいのか。
好きなら、その後には付き合うかどうかの問題が出て来ると思ったけれど、そもそも大和は、千尋と縒りを戻したいわけではないと言っていたのだから、そこは考えずに、単純に好きかどうかだけを言えばいいのかな。
「…ゴメン、最後に困らせた。いいよ、答えなくても。分かったから」
「……」
千尋がなかなか答えなかったから、大和は困ったように笑って、そう言って来た。
答えなくていいのはいいけれど、『分かったから』て何だろう。千尋の気持ちが分かったってこと? 今、こんなにいろいろ考えて、悩んだことみんな分かったの?
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