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恋の女神は微笑まない (232)
2015.01.04 Sun
「…何?」
抵抗するのも何だか狼狽えているみたいなので、千尋は特に声色を変えるでもなく、普通に大和に聞き返した。
先ほど大和が、泣きそうな顔をしていると言って、千尋は顔を隠したけれど、そんなことないって見せつけるために、千尋はわざと大和のことをまっすぐに見つめた。
「待って、ちーちゃん」
「待ってるよ、何」
「もうちょっと…………もうちょっとでいいから、ちーちゃんと話したい」
「…………」
何で、とは言葉が続かなかった。
さっき明日は普通に仕事だって言ったじゃん。もう忘れたの? と言ってやろうと思ったけれど、千尋は何も言えなかった。
千尋は頷きもしなかったけれど、首を横にも振らなかった。何を話したいのかは知らないが、大和の次の言葉を待った。
大和が、半ドアになっていた助手席のドアを閉め直したから、ルームライトが消えて、車内が暗くなる。
「…最後に教えて? 結局のところ、ちーちゃんは俺のこと嫌い? 好き?」
「え…」
「まぁ、週刊誌のことともあったし、好意を持たれてるとは思ってないけど…、ものすごく大嫌いなのか、そこまで嫌いじゃないけど付き合うほどじゃないとか…………どのくらい?」
「そんなの…」
大和の突然の質問に、千尋は激しく動揺した。
自分で自分の顔は見えないから分からないけれど、きっと表情だけで、その戸惑いが大和にばれてしまうくらいには、動揺している。
だってそんな。
そんなこと聞いて、どうするの? これで大和と会うのは最後なのに。これでもう、大和と千尋が会うことはないのに、千尋の気持ちを知ってどうするの?
この状況で『嫌い』と言ったら気まずい空気になるだろうに、最後の最後にそんな別れ方するの? ここまで、別れてしまった2人とはいえ、ここまで何となくいい流れで来たのに。
それとも、そういう状況だから聞いてきたとか? 嫌いとは言いづらい雰囲気だから、わざと聞いて来たの?
だからって、好きだと言われたって困るでしょう? 縒りを戻したいわけじゃない、と言った手前、今さら千尋に好きだと言われたって。
いや、それ以前に、大和は千尋のことを嫌いになっていないと言っただけで、別に好きだとも言っていないんだから、そういう意味でも、好きと言われたら困るだろう。
大体、『週刊誌のことともあったし、好意を持たれてるとは思ってないけど…』とか、千尋の気持ちを勝手に決め付けないでほしい。
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抵抗するのも何だか狼狽えているみたいなので、千尋は特に声色を変えるでもなく、普通に大和に聞き返した。
先ほど大和が、泣きそうな顔をしていると言って、千尋は顔を隠したけれど、そんなことないって見せつけるために、千尋はわざと大和のことをまっすぐに見つめた。
「待って、ちーちゃん」
「待ってるよ、何」
「もうちょっと…………もうちょっとでいいから、ちーちゃんと話したい」
「…………」
何で、とは言葉が続かなかった。
さっき明日は普通に仕事だって言ったじゃん。もう忘れたの? と言ってやろうと思ったけれど、千尋は何も言えなかった。
千尋は頷きもしなかったけれど、首を横にも振らなかった。何を話したいのかは知らないが、大和の次の言葉を待った。
大和が、半ドアになっていた助手席のドアを閉め直したから、ルームライトが消えて、車内が暗くなる。
「…最後に教えて? 結局のところ、ちーちゃんは俺のこと嫌い? 好き?」
「え…」
「まぁ、週刊誌のことともあったし、好意を持たれてるとは思ってないけど…、ものすごく大嫌いなのか、そこまで嫌いじゃないけど付き合うほどじゃないとか…………どのくらい?」
「そんなの…」
大和の突然の質問に、千尋は激しく動揺した。
自分で自分の顔は見えないから分からないけれど、きっと表情だけで、その戸惑いが大和にばれてしまうくらいには、動揺している。
だってそんな。
そんなこと聞いて、どうするの? これで大和と会うのは最後なのに。これでもう、大和と千尋が会うことはないのに、千尋の気持ちを知ってどうするの?
この状況で『嫌い』と言ったら気まずい空気になるだろうに、最後の最後にそんな別れ方するの? ここまで、別れてしまった2人とはいえ、ここまで何となくいい流れで来たのに。
それとも、そういう状況だから聞いてきたとか? 嫌いとは言いづらい雰囲気だから、わざと聞いて来たの?
だからって、好きだと言われたって困るでしょう? 縒りを戻したいわけじゃない、と言った手前、今さら千尋に好きだと言われたって。
いや、それ以前に、大和は千尋のことを嫌いになっていないと言っただけで、別に好きだとも言っていないんだから、そういう意味でも、好きと言われたら困るだろう。
大体、『週刊誌のことともあったし、好意を持たれてるとは思ってないけど…』とか、千尋の気持ちを勝手に決め付けないでほしい。
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