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恋の女神は微笑まない (231)
2015.01.03 Sat
ちゃんと説明したのに、大和がちょっと困ったような顔をしている。
気を遣っているわけではない、とか言ったのがまずかったのだろうか。気を遣っていないんではなく、そういうことを気にしなければならないほど、別れたばかりではない、という意味だっただけれど。
そうだとしても、大和に対して言うには、適切でなかったか。
「あの…、一応言っておくと、別に大和くんのことを蔑にしてるわけじゃないからね? うまい言葉が出て来なかっただけで」
おかしいな、最後の最後だから、ちゃんとしようと思ったのに、何だかどんどんグダグダになっていく。
最初に千尋が、『上がってく?』なんて言っちゃったのが悪かったし、大和が突っ込みたくなるのも無理はないが、ふと思ったんだけれど、大和の突っ込みにだって、ちょっと物申したい。
大和は、千尋が『上がってく?』と言ったことに対して、勘違いする男がいると言ったけれど、だとしたら大和の発言だって大概だ。
千尋のことを大切な人だと言い、傷付けたから謝りたかったと言い、果ては、千尋のことを嫌いになっていないし、嫌いになる努力もしなくていいんだよね? なんて言ってきて。
こんなこと言われたら、普通は勘違いしちゃうと思う。
だって、別れた2人。
そんなことを言われたら、やり直したいんだと思うに決まっている。
別に千尋は勘違いしないけど。
大和の言葉を勘違いして、ちょっと期待して、でもそういうことでなかったから、期待を裏切られたのが悔しくて、こんなことを思っているわけじゃないけれど。
でも、相手が千尋じゃなかったら、きっと勘違いしちゃうよ、バカ。
「ちーちゃん、どうしたの?」
「何が?」
「泣きそうな顔してる」
「何で? してないよ」
どうして千尋が泣かないといけないのか。
大和に顔を覗き込まれそうになって、別に泣いていないし、泣きそうでもないし、何でもないのに千尋は顔を背けた。
「もう帰る。じゃあね大和くん、送ってくれてありがとう」
「待って、ちーちゃん」
急に逃げるような態度を取ったように見えたかもしれないけれど、もうこんな時間だし、家に着いたのにずっとこうしているのも変だから、千尋は早口でそう言って、ノブに手を掛けた。
それなのに、ドアが開きかかったのに、大和が千尋の腕を引くから、半ドアみたいになってしまった。
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気を遣っているわけではない、とか言ったのがまずかったのだろうか。気を遣っていないんではなく、そういうことを気にしなければならないほど、別れたばかりではない、という意味だっただけれど。
そうだとしても、大和に対して言うには、適切でなかったか。
「あの…、一応言っておくと、別に大和くんのことを蔑にしてるわけじゃないからね? うまい言葉が出て来なかっただけで」
おかしいな、最後の最後だから、ちゃんとしようと思ったのに、何だかどんどんグダグダになっていく。
最初に千尋が、『上がってく?』なんて言っちゃったのが悪かったし、大和が突っ込みたくなるのも無理はないが、ふと思ったんだけれど、大和の突っ込みにだって、ちょっと物申したい。
大和は、千尋が『上がってく?』と言ったことに対して、勘違いする男がいると言ったけれど、だとしたら大和の発言だって大概だ。
千尋のことを大切な人だと言い、傷付けたから謝りたかったと言い、果ては、千尋のことを嫌いになっていないし、嫌いになる努力もしなくていいんだよね? なんて言ってきて。
こんなこと言われたら、普通は勘違いしちゃうと思う。
だって、別れた2人。
そんなことを言われたら、やり直したいんだと思うに決まっている。
別に千尋は勘違いしないけど。
大和の言葉を勘違いして、ちょっと期待して、でもそういうことでなかったから、期待を裏切られたのが悔しくて、こんなことを思っているわけじゃないけれど。
でも、相手が千尋じゃなかったら、きっと勘違いしちゃうよ、バカ。
「ちーちゃん、どうしたの?」
「何が?」
「泣きそうな顔してる」
「何で? してないよ」
どうして千尋が泣かないといけないのか。
大和に顔を覗き込まれそうになって、別に泣いていないし、泣きそうでもないし、何でもないのに千尋は顔を背けた。
「もう帰る。じゃあね大和くん、送ってくれてありがとう」
「待って、ちーちゃん」
急に逃げるような態度を取ったように見えたかもしれないけれど、もうこんな時間だし、家に着いたのにずっとこうしているのも変だから、千尋は早口でそう言って、ノブに手を掛けた。
それなのに、ドアが開きかかったのに、大和が千尋の腕を引くから、半ドアみたいになってしまった。
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