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恋の女神は微笑まない (227)
2014.12.29 Mon
「いや…、別に嫌いにはなってないけど…」
これまでいろいろあったのに、こんなことくらいで嫌いになるなんてこと、あるわけがない。
このくらいで千尋を嫌いになるなら、きっともっと前から嫌いになっていただろうし、わざわざ謝ろうと連絡なんかしていない。
「てか、ちーちゃん、別に俺たちもう、お試しのお付き合いしてるわけじゃないから、俺、ちーちゃんのこと嫌いになる努力はしなくていいんだよね?」
「えっ、それは…。あ、で、で、で、でも、俺、大和くんとは付き合わない、てゆった…!」
千尋が、大和の意表を突くようなことばかり言うから、大和も、千尋が思いも寄らないであろうことを言ってみたら、案の定、千尋は口をポカンと開けて驚いた後、困ったように言葉を吐き出した。
千尋の今の気持ち……大和に対する気持ちはよく分からないけれど(『大嫌い』ではない、とは信じたい)、千尋はアワアワしながらも、前に電話で言ったのと同じことを言って来る。
動転していても、そのときのことを思い出して言って来るということは、きっとそれが千尋の本心なのだろう。
…悲しいけれど、それは仕方のないことだ。
大和だって、それを分かっていて千尋に連絡したのだ。今日、千尋が会ってくれたこと以上の何かを、望んだりはしない。
「…うん、分かってる」
「え…?」
「別にこれを機に、ちーちゃんと縒りを戻したいとか思ってるわけじゃないから。そういうつもりで謝ったんじゃないし、それを口実にちーちゃんに連絡したわけじゃないから」
「そ…そうなの??」
いつも千尋に驚かされてばかりだから、ちょっと…ほんのちょっと意趣返しのつもりで言っただけで、大和の気持ちに変わりはない。初めから、これが最後の対顔のつもりでいたのだ。
けれど、そう考えると大和は、随分と独りよがりな行動をしたものだと思う。
最終的には千尋の判断で、2人はこうして会うことになったわけだけれど、謝りたいなんて、結局は単に自分の後悔の念を消したいがためのことでしかないのかもしれないし。
…だとすれば、ひどいヤツなのは、千尋ではなく、大和のほうだ。
「はい、とうちゃーく」
「えっ」
千尋を困惑させたまま、とうとう車は千尋の家に到着してしまった。
大和が考えていたように、千尋に謝ることは出来たし、思ってもみなかった千尋の誤解も(恐らくは)解くことが出来た。これですべてが終わりだ。
「ゴメンね、ちーちゃん」
車を停めた大和は、千尋のほうを向き直って、もう1度謝罪の言葉を口にした。
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これまでいろいろあったのに、こんなことくらいで嫌いになるなんてこと、あるわけがない。
このくらいで千尋を嫌いになるなら、きっともっと前から嫌いになっていただろうし、わざわざ謝ろうと連絡なんかしていない。
「てか、ちーちゃん、別に俺たちもう、お試しのお付き合いしてるわけじゃないから、俺、ちーちゃんのこと嫌いになる努力はしなくていいんだよね?」
「えっ、それは…。あ、で、で、で、でも、俺、大和くんとは付き合わない、てゆった…!」
千尋が、大和の意表を突くようなことばかり言うから、大和も、千尋が思いも寄らないであろうことを言ってみたら、案の定、千尋は口をポカンと開けて驚いた後、困ったように言葉を吐き出した。
千尋の今の気持ち……大和に対する気持ちはよく分からないけれど(『大嫌い』ではない、とは信じたい)、千尋はアワアワしながらも、前に電話で言ったのと同じことを言って来る。
動転していても、そのときのことを思い出して言って来るということは、きっとそれが千尋の本心なのだろう。
…悲しいけれど、それは仕方のないことだ。
大和だって、それを分かっていて千尋に連絡したのだ。今日、千尋が会ってくれたこと以上の何かを、望んだりはしない。
「…うん、分かってる」
「え…?」
「別にこれを機に、ちーちゃんと縒りを戻したいとか思ってるわけじゃないから。そういうつもりで謝ったんじゃないし、それを口実にちーちゃんに連絡したわけじゃないから」
「そ…そうなの??」
いつも千尋に驚かされてばかりだから、ちょっと…ほんのちょっと意趣返しのつもりで言っただけで、大和の気持ちに変わりはない。初めから、これが最後の対顔のつもりでいたのだ。
けれど、そう考えると大和は、随分と独りよがりな行動をしたものだと思う。
最終的には千尋の判断で、2人はこうして会うことになったわけだけれど、謝りたいなんて、結局は単に自分の後悔の念を消したいがためのことでしかないのかもしれないし。
…だとすれば、ひどいヤツなのは、千尋ではなく、大和のほうだ。
「はい、とうちゃーく」
「えっ」
千尋を困惑させたまま、とうとう車は千尋の家に到着してしまった。
大和が考えていたように、千尋に謝ることは出来たし、思ってもみなかった千尋の誤解も(恐らくは)解くことが出来た。これですべてが終わりだ。
「ゴメンね、ちーちゃん」
車を停めた大和は、千尋のほうを向き直って、もう1度謝罪の言葉を口にした。
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