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恋の女神は微笑まない (226)
2014.12.28 Sun
「じゃあ、俺がコンサートで言った『大切な人』が誰なのかは、分かってくれた?」
「…俺のこと傷付けたから、俺に謝りたい、て思ってたの? 俺がめっちゃ怒ったから…」
「そうだよ。まぁ、ちーちゃんが怒ってるから謝るんじゃなくて、傷付けちゃったから謝りたいんだけどね。…………週刊誌の件、本当にゴメン。今さら言うのも何だけど」
その今さらを分かっていて、連絡したんだけれど。
その言葉を言うために、まったく予想外のところで、随分と時間を要してしまった。
「…大和くんが謝るなら、俺も謝んなきゃだね」
「え、何で?」
大和が謝ったことに対して、許すとか許さないとか、そういった類の返事があるかと思ったのに、ひどく考え込んだ表情の千尋が言ったのは、またしても大和の思いも寄らない言葉だった。
千尋がコンサートを見に来たことも、千尋が電話で大和に対して言ったことも、大和は怒ってなどいないから、千尋が謝る必要などない……ということは、もう分かってくれたと思っていたのに。
「だって…」
「いや、さっきも言ったけど、俺は別に怒ってないし、そもそもちーちゃんに何か言われても仕方のないことしたんだから、ちーちゃんが謝ることなんかないよ」
「じゃあ大和くんだって、謝ることないっ。大和くんがしたことレベルで謝らなきゃなら、俺のほうがもっといっぱい謝んなきゃじゃん。俺、あんなに言ったのに、大和くん、全然何ともないの? 全然傷付いてないの?」
「それは…」
「でしょ!? なのに、大和くんばっか謝って、俺が何もしないなんておかしい!」
「…………」
こぶしまで握って、力強く言って来る千尋に、大和はちょっと唖然となる。
そんな…フェアかどうかを気にする場面ではないと思うのだが…。
「…大和くん?」
熱くなっている千尋とは対照的に、大和は返事に困って黙ってしまったが、そんな大和に、千尋は心配そうに声を掛けてくる。
これまでに自分の思っていたことが、ことごとく勘違いだったことが分かった今、またしても、何か違うふうに考えているのでは…と思ったのかもしれない。
まぁ、勘違いはないのだけれど、そういう発想で来るか…! という思いはある。
「俺、また変なこと言った? 何か……大和くんはいろいろ俺のこと考えてくれて、いろいろしてくれんのに、俺は全然ダメだね。全然大和くんの気持ちを分かってあげらんない…」
「そんなことはないと思うけど…」
「そんなことあるよ。やっぱ俺のがひどいヤツだね。これでもう、完全に俺のこと嫌いになったでしょ?」
大和が謝ったことで、2人が仲直りして、すべてが丸く収まる……なんて都合のいい展開は期待していなかったけれど、まさかこんなふうに話が進んでいくとも思っていなかった。
やはり千尋は、どうしても大和が千尋に対して怒りを覚えていたり、嫌いに思っていたりする…と考えてしまうようだ。
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「…俺のこと傷付けたから、俺に謝りたい、て思ってたの? 俺がめっちゃ怒ったから…」
「そうだよ。まぁ、ちーちゃんが怒ってるから謝るんじゃなくて、傷付けちゃったから謝りたいんだけどね。…………週刊誌の件、本当にゴメン。今さら言うのも何だけど」
その今さらを分かっていて、連絡したんだけれど。
その言葉を言うために、まったく予想外のところで、随分と時間を要してしまった。
「…大和くんが謝るなら、俺も謝んなきゃだね」
「え、何で?」
大和が謝ったことに対して、許すとか許さないとか、そういった類の返事があるかと思ったのに、ひどく考え込んだ表情の千尋が言ったのは、またしても大和の思いも寄らない言葉だった。
千尋がコンサートを見に来たことも、千尋が電話で大和に対して言ったことも、大和は怒ってなどいないから、千尋が謝る必要などない……ということは、もう分かってくれたと思っていたのに。
「だって…」
「いや、さっきも言ったけど、俺は別に怒ってないし、そもそもちーちゃんに何か言われても仕方のないことしたんだから、ちーちゃんが謝ることなんかないよ」
「じゃあ大和くんだって、謝ることないっ。大和くんがしたことレベルで謝らなきゃなら、俺のほうがもっといっぱい謝んなきゃじゃん。俺、あんなに言ったのに、大和くん、全然何ともないの? 全然傷付いてないの?」
「それは…」
「でしょ!? なのに、大和くんばっか謝って、俺が何もしないなんておかしい!」
「…………」
こぶしまで握って、力強く言って来る千尋に、大和はちょっと唖然となる。
そんな…フェアかどうかを気にする場面ではないと思うのだが…。
「…大和くん?」
熱くなっている千尋とは対照的に、大和は返事に困って黙ってしまったが、そんな大和に、千尋は心配そうに声を掛けてくる。
これまでに自分の思っていたことが、ことごとく勘違いだったことが分かった今、またしても、何か違うふうに考えているのでは…と思ったのかもしれない。
まぁ、勘違いはないのだけれど、そういう発想で来るか…! という思いはある。
「俺、また変なこと言った? 何か……大和くんはいろいろ俺のこと考えてくれて、いろいろしてくれんのに、俺は全然ダメだね。全然大和くんの気持ちを分かってあげらんない…」
「そんなことはないと思うけど…」
「そんなことあるよ。やっぱ俺のがひどいヤツだね。これでもう、完全に俺のこと嫌いになったでしょ?」
大和が謝ったことで、2人が仲直りして、すべてが丸く収まる……なんて都合のいい展開は期待していなかったけれど、まさかこんなふうに話が進んでいくとも思っていなかった。
やはり千尋は、どうしても大和が千尋に対して怒りを覚えていたり、嫌いに思っていたりする…と考えてしまうようだ。
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