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恋の女神は微笑まない (217)
2014.12.18 Thu
yamato
南條に家まで送ってもらった後、一か八かで千尋にメッセージを送ってみた。
もともと千尋は、メールやメッセージを殆どしないどころか、受信しても、返事もロクにしないタイプだから、そんな千尋に今さらメッセージを送ったところで反応はなさそうだけれど、何も行動しないわけにはいかないから。
一応千尋は、返事はしなくても見ることは見るし、返事が必要ならちゃんと返信する性格だから、今回もそういうメッセージを送れば、返事が来るかもしれない…なんて、少しの期待を込めて。
送った後、メッセージに既読マークが付くのを待つなんて、思春期みたいなことをしながら千尋からの返信を待ったけれど、既読になってもなかなか返信は来ず、諦めて風呂に入ったら、電話が鳴っていた。
まさか千尋からとは思わずに無視していたのに、着信履歴を見れば、そのまさかで。
このチャンスを逃すわけにはいかないと、会いたいことを告げると、千尋は不承不承といった感じながらもそれを了承してくれたので、ひとまずはホッとした。
しかし、千尋の気が変わらないうちに約束の日時まで決めてしまおうと思ったら、何と千尋は自宅ではなく、遥希の家の最寄駅にいて、終電を逃したと言うから、心配になって迎えに行くと申し出たら、千尋が恐ろしいことを口走ったのだ。
『彼女に悪いしね』
そこまでの話の主な登場人物は大和と千尋だけで、この場合の『彼女』は女友だちでなく恋人で、それは大和の彼女ということだろうが、一体全体どうしてそういうことになるのか、意味が分からない。
千尋と別れて以来、大和には新しい彼女も、新しい彼氏も、誰も出来てはいないのに、どうして千尋の中では、大和に新しい恋人が出来たことになっているのか。
何とか千尋の考えを理解しようと、いろいろと確認していくと、千尋が何ともとんでもないことを思っていることが判明した。
どうやら千尋は、コンサートで大和が言った『大切な人』を、大和の新しい彼女だと思い込んでいるうえに、大和にそうした存在がいるにもかかわらず、元カレである自分がコンサートを見に行ったから、大和はそれについて文句を言うために千尋に連絡をして来た、と思っているようなのだ。
人間、本気で驚くと、絶句するしかないのだと、大和はこのとき初めて知った。いや…、何か言いたくても、全然言葉が出て来なかった。まったく。
黙り込んだ大和に、千尋は『別に大和くんに文句言われたとか、誰にも言わないから!』なんて見当違いなことを言って来るし…。きっと『文句を言う』という部分、が大和の気に障ったと勘違いしているのだろう。
千尋が大和のことを嫌っているのは仕方がないとしても、大和の気持ちをそんなふうに誤解していてほしくない。
遥希や琉は、これまでも千尋と会う機会はあったはずで、そのときに何も言ってくれなかったのかと思ったが、言ったところで千尋が聞き入れなかったことは、何となく想像が付く。意外と千尋は頑固だから。
となれば、大和が自分で――――自分の言葉で、分かってもらえるまで説明するしかない。
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南條に家まで送ってもらった後、一か八かで千尋にメッセージを送ってみた。
もともと千尋は、メールやメッセージを殆どしないどころか、受信しても、返事もロクにしないタイプだから、そんな千尋に今さらメッセージを送ったところで反応はなさそうだけれど、何も行動しないわけにはいかないから。
一応千尋は、返事はしなくても見ることは見るし、返事が必要ならちゃんと返信する性格だから、今回もそういうメッセージを送れば、返事が来るかもしれない…なんて、少しの期待を込めて。
送った後、メッセージに既読マークが付くのを待つなんて、思春期みたいなことをしながら千尋からの返信を待ったけれど、既読になってもなかなか返信は来ず、諦めて風呂に入ったら、電話が鳴っていた。
まさか千尋からとは思わずに無視していたのに、着信履歴を見れば、そのまさかで。
このチャンスを逃すわけにはいかないと、会いたいことを告げると、千尋は不承不承といった感じながらもそれを了承してくれたので、ひとまずはホッとした。
しかし、千尋の気が変わらないうちに約束の日時まで決めてしまおうと思ったら、何と千尋は自宅ではなく、遥希の家の最寄駅にいて、終電を逃したと言うから、心配になって迎えに行くと申し出たら、千尋が恐ろしいことを口走ったのだ。
『彼女に悪いしね』
そこまでの話の主な登場人物は大和と千尋だけで、この場合の『彼女』は女友だちでなく恋人で、それは大和の彼女ということだろうが、一体全体どうしてそういうことになるのか、意味が分からない。
千尋と別れて以来、大和には新しい彼女も、新しい彼氏も、誰も出来てはいないのに、どうして千尋の中では、大和に新しい恋人が出来たことになっているのか。
何とか千尋の考えを理解しようと、いろいろと確認していくと、千尋が何ともとんでもないことを思っていることが判明した。
どうやら千尋は、コンサートで大和が言った『大切な人』を、大和の新しい彼女だと思い込んでいるうえに、大和にそうした存在がいるにもかかわらず、元カレである自分がコンサートを見に行ったから、大和はそれについて文句を言うために千尋に連絡をして来た、と思っているようなのだ。
人間、本気で驚くと、絶句するしかないのだと、大和はこのとき初めて知った。いや…、何か言いたくても、全然言葉が出て来なかった。まったく。
黙り込んだ大和に、千尋は『別に大和くんに文句言われたとか、誰にも言わないから!』なんて見当違いなことを言って来るし…。きっと『文句を言う』という部分、が大和の気に障ったと勘違いしているのだろう。
千尋が大和のことを嫌っているのは仕方がないとしても、大和の気持ちをそんなふうに誤解していてほしくない。
遥希や琉は、これまでも千尋と会う機会はあったはずで、そのときに何も言ってくれなかったのかと思ったが、言ったところで千尋が聞き入れなかったことは、何となく想像が付く。意外と千尋は頑固だから。
となれば、大和が自分で――――自分の言葉で、分かってもらえるまで説明するしかない。
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