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恋の女神は微笑まない (216)
2014.12.17 Wed
『えっと…、ちょっと待って、ちーちゃん』
「いいよ。もうここまで来たら、いくらでも待つよ。でも寒いから、なるべく早くして」
『いや、あ、うん。いや…、寒くないところに避難できないの?』
「駅の入り口、シャッター降りた」
『ファミレスとか、コンビニとか』
「こっち、通りの裏側だからさぁ。向こうにコンビニぽいのが見えないでもないけど……まぁいいから、早くして」
なるほど。こんな寒い外に突っ立っていなくても、そういうところに入っていればよかったのか。
でも、ただの寒さ凌ぎだけならいいけれど、大和と電話しているのに、中に入るというのも…。
というか、大和からのメッセージに気付いて、ビックリしてすぐに琉に電話したけれど、そういうことを、全部家に帰ってからすれば、終電にも乗り遅れなかったし、今もこんなに寒い思いをしないで済んだのだ。今さらだけど。
『それであの…、彼女て……ゴメン、誰のこと言ってんの?』
「誰て……今付き合ってる人。だって、こないだ言ってたじゃん」
『こないだ!? いつのこないだ!?』
「コンサートのとき。大切な人が…とか言ってたじゃん。そういう人がいるのに、俺なんかがコンサート見に行ったから…、それで文句言いたくて連絡して来たんでしょ?」
『……………………』
千尋が思っていることを全部話したら、大和は黙ってしまった。
『文句が言いたくて』なんて、ちょっとはっきり言い過ぎただろうか。アイドルにしたら、イメージダウンもいいところだし。
「あ、あの、大丈夫! 別に大和くんに文句言われたとか、誰にも言わないから!」
『いや…』
千尋なりに、先ほどの発言をフォローしたつもりだったが、大和からの反応は薄い。
一体どうしたんだろう。千尋の信用、そこまでないんだろうか。
『………………ちーちゃん……』
「何?」
『駅の何口にいるって?』
「は?」
『ハルちゃんちの近くの駅だよね? すぐ行くから、絶対にそこから動かないで!』
千尋から居場所を聞き出した大和は、キョトンとしている千尋にそう告げて、電話を切った。
「え??」
千尋は自分のことを、そこまで頭の回転の遅い人間だとは思っていないが、今ばかりは、この展開にまったく付いていけなかった。
確かに大和は、千尋に会いたいと言って、そして迎えに行くようなことも言っていたけれど…。
よく分からないが、とにかく大和がこれからここに来ることは間違いないようだった。
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「いいよ。もうここまで来たら、いくらでも待つよ。でも寒いから、なるべく早くして」
『いや、あ、うん。いや…、寒くないところに避難できないの?』
「駅の入り口、シャッター降りた」
『ファミレスとか、コンビニとか』
「こっち、通りの裏側だからさぁ。向こうにコンビニぽいのが見えないでもないけど……まぁいいから、早くして」
なるほど。こんな寒い外に突っ立っていなくても、そういうところに入っていればよかったのか。
でも、ただの寒さ凌ぎだけならいいけれど、大和と電話しているのに、中に入るというのも…。
というか、大和からのメッセージに気付いて、ビックリしてすぐに琉に電話したけれど、そういうことを、全部家に帰ってからすれば、終電にも乗り遅れなかったし、今もこんなに寒い思いをしないで済んだのだ。今さらだけど。
『それであの…、彼女て……ゴメン、誰のこと言ってんの?』
「誰て……今付き合ってる人。だって、こないだ言ってたじゃん」
『こないだ!? いつのこないだ!?』
「コンサートのとき。大切な人が…とか言ってたじゃん。そういう人がいるのに、俺なんかがコンサート見に行ったから…、それで文句言いたくて連絡して来たんでしょ?」
『……………………』
千尋が思っていることを全部話したら、大和は黙ってしまった。
『文句が言いたくて』なんて、ちょっとはっきり言い過ぎただろうか。アイドルにしたら、イメージダウンもいいところだし。
「あ、あの、大丈夫! 別に大和くんに文句言われたとか、誰にも言わないから!」
『いや…』
千尋なりに、先ほどの発言をフォローしたつもりだったが、大和からの反応は薄い。
一体どうしたんだろう。千尋の信用、そこまでないんだろうか。
『………………ちーちゃん……』
「何?」
『駅の何口にいるって?』
「は?」
『ハルちゃんちの近くの駅だよね? すぐ行くから、絶対にそこから動かないで!』
千尋から居場所を聞き出した大和は、キョトンとしている千尋にそう告げて、電話を切った。
「え??」
千尋は自分のことを、そこまで頭の回転の遅い人間だとは思っていないが、今ばかりは、この展開にまったく付いていけなかった。
確かに大和は、千尋に会いたいと言って、そして迎えに行くようなことも言っていたけれど…。
よく分からないが、とにかく大和がこれからここに来ることは間違いないようだった。
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