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恋の女神は微笑まない (215)
2014.12.16 Tue
『ハルちゃんちの近くの駅にいるんだよね?』
「そうだけど」
『今から行く、迎えにっ』
「…………は?」
それなりに大和の声が大きかったから、もちろん聞こえなかったわけではないし、言っている意味が分からなかったわけでもないが、何がどういう発想でそうなって、大和が千尋を迎えに来ることになるのか分からなくて、つい聞き返してしまった…………ぶっきらぼうな言い方で。
「ちょっと待って。何で大和くんが迎えに来んの? タクシーで帰る、つってんじゃん」
『ダメ?』
「いや、ダメとかじゃなくて。そうする意味が…」
『会ってくれるって言ったじゃん。それ、今じゃダメ?』
「いや、だから…」
なるほど、大和の言い分も一理ある。
大和と千尋はいつかどこかしらで会うことだけは決めたけれど、いつ、どこで会うとは決めていなくて、だからそれが、今、ここになったとしても、おかしなことではない。
おかしなことではないけれど、でもやっぱり、何だか変な気もする。
千尋が大和に会いに行くのではなくて、大和が千尋を迎えに来てくれるの? 何でそんな面倒なことを申し出てくれるんだろう。
『ちゃんと、気を付けるから』
「何を?」
『だから、その…、前みたいに写真に撮られないように…』
「…………あぁ! いや、まぁ、俺はいいけど…、だったらなおさら来ないほうがいいんじゃない?」
大和が迎えに来ると言い出したことに驚いて、咄嗟には気が付かなかったけれど、そうだ、千尋と大和は、週刊誌にばっちり写真を撮られた間柄だったんだ。
大和が元カレ(仮)とまたゴシップされたら、今の彼女に申し訳なさすぎるから、わざわざ来ることもないのに…。
『でも、ちーちゃんに会いたいし…』
「そうなの? じゃあいいけど…、じゃあうんと気を付けないと……彼女に悪いしね」
『…………。彼女? えっと…、ちーちゃん今、彼女て言った?』
「言った」
『………………。ゴメン、誰の?』
「大和くんの」
何だかひどく考え込んだ様子の後、大和が今さらなことを聞き返してくるから、千尋は不思議に思って、首を傾けた。
だって、理由はどうあれ、元カレ(仮)と会うのだ。普通、それだけだって嫌だろうに、万が一にもまた週刊誌に載ることになったら、堪ったものではないだろう。
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「そうだけど」
『今から行く、迎えにっ』
「…………は?」
それなりに大和の声が大きかったから、もちろん聞こえなかったわけではないし、言っている意味が分からなかったわけでもないが、何がどういう発想でそうなって、大和が千尋を迎えに来ることになるのか分からなくて、つい聞き返してしまった…………ぶっきらぼうな言い方で。
「ちょっと待って。何で大和くんが迎えに来んの? タクシーで帰る、つってんじゃん」
『ダメ?』
「いや、ダメとかじゃなくて。そうする意味が…」
『会ってくれるって言ったじゃん。それ、今じゃダメ?』
「いや、だから…」
なるほど、大和の言い分も一理ある。
大和と千尋はいつかどこかしらで会うことだけは決めたけれど、いつ、どこで会うとは決めていなくて、だからそれが、今、ここになったとしても、おかしなことではない。
おかしなことではないけれど、でもやっぱり、何だか変な気もする。
千尋が大和に会いに行くのではなくて、大和が千尋を迎えに来てくれるの? 何でそんな面倒なことを申し出てくれるんだろう。
『ちゃんと、気を付けるから』
「何を?」
『だから、その…、前みたいに写真に撮られないように…』
「…………あぁ! いや、まぁ、俺はいいけど…、だったらなおさら来ないほうがいいんじゃない?」
大和が迎えに来ると言い出したことに驚いて、咄嗟には気が付かなかったけれど、そうだ、千尋と大和は、週刊誌にばっちり写真を撮られた間柄だったんだ。
大和が元カレ(仮)とまたゴシップされたら、今の彼女に申し訳なさすぎるから、わざわざ来ることもないのに…。
『でも、ちーちゃんに会いたいし…』
「そうなの? じゃあいいけど…、じゃあうんと気を付けないと……彼女に悪いしね」
『…………。彼女? えっと…、ちーちゃん今、彼女て言った?』
「言った」
『………………。ゴメン、誰の?』
「大和くんの」
何だかひどく考え込んだ様子の後、大和が今さらなことを聞き返してくるから、千尋は不思議に思って、首を傾けた。
だって、理由はどうあれ、元カレ(仮)と会うのだ。普通、それだけだって嫌だろうに、万が一にもまた週刊誌に載ることになったら、堪ったものではないだろう。
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