スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
恋の女神は微笑まない (214)
2014.12.15 Mon
『ちーちゃん? あの、やっぱりヤダった、かな…?』
「え、何が?」
『その…、会うの…』
「いや、別にそうじゃない、けど…………ぶえっくしゅんっ!」
『…………え?』
はっきりと答えない千尋の態度が、会いたくなさそうな雰囲気に感じ取られたのか、大和にそんなふうに言われたので、否定しようとしたら、最後は盛大なくしゃみになった。
大和に電話するのにあたふたして忘れていたけれど、結構寒かったんだ…。
「ジュビ…」
『ちょっ…ちーちゃん、大丈夫?』
「だいじょぶくない…、寒い…」
『え? 寒い、て……今どこ? 家じゃないの?』
「駅、前…。……後ろ?」
駅前てよく言うけれど、ならば反対側は駅後ろとでも言うのか、いや、やっぱりそっち側だって駅前だよね…と、千尋は意味のないことを考える。
もう、はっきり言って、自分の頭が何を考えているのか、自分でも分からない。
『え、ちーちゃん、今外いるの?』
「外にいるよ。駅前だからね。駅後ろかもしんないけど、駅ナカじゃないからね」
『う、うん…。あ、これから家に帰るところだった? 今まで仕事だったの? お疲れさ…』
「仕事じゃなかったよ。ハルちゃんちにいたのに、水落が来たから追い返されたんだよ」
『えっ!?』
「なのに、終電乗り遅れちゃうし、タクシー乗ろうにも、通りまで出なきゃ拾えねぇしっ」
本当は大和から文句を言われる立場だったのに、遥希の家にいて、琉が来た辺りからのことを思い返していたら、気持ちが高ぶって来て、つい愚痴をぶちまけてしまった。
『え? え? ちーちゃん、じゃあ駅前て、自分ちの近くの駅じゃなくて、ハルちゃんちの…』
「そーだよ!」
千尋が、こんな時間に遥希の家を出るはめになったのは琉のせいで、終電に間に合わずに未だ自宅に帰れずにいるのは、大和が『会いたい』なんていうメッセージを送って来たからで……でもまぁ、千尋が勝手に電車に乗り遅れたのだから、大和に直接非があるわけではないけれど、でも何か言わずにはいられない。
『えっ…、あ…、え…?? じゃあ、これからどうやって……あ、タクシー拾……え? 拾えるの? タクシー』
「………………」
しかし、思った以上に慌てふためく大和に、逆に千尋のほうが冷静になってくる。
千尋が終電に乗り遅れたのが、そんなに驚きだっただろうか。そう滅多にあることではないが、終電を逃したのは、別にこれが初めてのことではない。
あぁ、大和くらいのスーパーアイドルになれば、電車なんか乗らないから、終電に乗り遅れるということが、相当な大事に思えるのかもしれない(いや、千尋にとっても、十分大事だけど)。
back next
「え、何が?」
『その…、会うの…』
「いや、別にそうじゃない、けど…………ぶえっくしゅんっ!」
『…………え?』
はっきりと答えない千尋の態度が、会いたくなさそうな雰囲気に感じ取られたのか、大和にそんなふうに言われたので、否定しようとしたら、最後は盛大なくしゃみになった。
大和に電話するのにあたふたして忘れていたけれど、結構寒かったんだ…。
「ジュビ…」
『ちょっ…ちーちゃん、大丈夫?』
「だいじょぶくない…、寒い…」
『え? 寒い、て……今どこ? 家じゃないの?』
「駅、前…。……後ろ?」
駅前てよく言うけれど、ならば反対側は駅後ろとでも言うのか、いや、やっぱりそっち側だって駅前だよね…と、千尋は意味のないことを考える。
もう、はっきり言って、自分の頭が何を考えているのか、自分でも分からない。
『え、ちーちゃん、今外いるの?』
「外にいるよ。駅前だからね。駅後ろかもしんないけど、駅ナカじゃないからね」
『う、うん…。あ、これから家に帰るところだった? 今まで仕事だったの? お疲れさ…』
「仕事じゃなかったよ。ハルちゃんちにいたのに、水落が来たから追い返されたんだよ」
『えっ!?』
「なのに、終電乗り遅れちゃうし、タクシー乗ろうにも、通りまで出なきゃ拾えねぇしっ」
本当は大和から文句を言われる立場だったのに、遥希の家にいて、琉が来た辺りからのことを思い返していたら、気持ちが高ぶって来て、つい愚痴をぶちまけてしまった。
『え? え? ちーちゃん、じゃあ駅前て、自分ちの近くの駅じゃなくて、ハルちゃんちの…』
「そーだよ!」
千尋が、こんな時間に遥希の家を出るはめになったのは琉のせいで、終電に間に合わずに未だ自宅に帰れずにいるのは、大和が『会いたい』なんていうメッセージを送って来たからで……でもまぁ、千尋が勝手に電車に乗り遅れたのだから、大和に直接非があるわけではないけれど、でも何か言わずにはいられない。
『えっ…、あ…、え…?? じゃあ、これからどうやって……あ、タクシー拾……え? 拾えるの? タクシー』
「………………」
しかし、思った以上に慌てふためく大和に、逆に千尋のほうが冷静になってくる。
千尋が終電に乗り遅れたのが、そんなに驚きだっただろうか。そう滅多にあることではないが、終電を逃したのは、別にこれが初めてのことではない。
あぁ、大和くらいのスーパーアイドルになれば、電車なんか乗らないから、終電に乗り遅れるということが、相当な大事に思えるのかもしれない(いや、千尋にとっても、十分大事だけど)。
back next
- 関連記事
-
- 恋の女神は微笑まない (215) (2014/12/16)
- 恋の女神は微笑まない (214) (2014/12/15)
- 恋の女神は微笑まない (213) (2014/12/14)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。