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恋の女神は微笑まない (210)
2014.12.11 Thu
とはいえ、さっきは焦って忘れていたけれど(おかげで琉に電話をしてしまった!)、千尋はもともと、相手が誰であれメールやらメッセージに返信をしない人なのだから、今回だって、必ずしも大和に返事をしなければいけないわけではない。
確かに内容は返事を必要とするものだから、いつもの千尋だったら返事をしているところだが、それは千尋の中のポリシーなだけであって、義務でも何でもないんだから、嫌なら無視すればいいだけのことだ。
なのに千尋は、大和からのこのメッセージに対して返事をしない、とスパッと決断できなくて、いつまでもぐずぐずしている。
メッセージを表示してしまったから、大和のスマホにも『既読』のマークが付いているはずで、読んでいるのに返事をしないのも何だかアレだし……て、そういうことを気にしないのが千尋のキャラなのに…。
「う゛~~~に゛ゃ~~~~…………コホンッ」
どうしていいか分からずに、頭を掻き毟っていた千尋は、通行人に不審げな視線を向けられたのに気が付いて慌てて取り繕ってみたが、遅かった。
「はぁっ…」
こんなに悩むくらいなら、さっさと返事をしてしまおう。そうすれば、心置きなく家に帰ることが出来る。
もちろん、返事をしないという選択肢もあるけれど、そうしたら何だかいつまでも心にしこりが残りそうだし…。
いや、それは別に大和に申し訳ないからとかでなくて、『返事が必要な内容なのに返事をしない』という、いつもと違うことをするのが、何かもやっとするからで…。
「うぬぬ…」
1人で勝手に心の中で言い訳をしつつ、千尋はスマホの電源を入れた。
念のために大和からのメッセージをもう1度読み返してみても、千尋に会いたいという内容に変わりはない。その次には、いつなら会えるのかと尋ねる文章。
やはり、千尋が酔っ払っていて見間違えたわけでも、寝惚けていたわけでもなかった。
「返事…、………………返事かぁ…」
大和のメッセージを見つめながら、どんな返事にしようか頭を悩ませているうち、画面がスリープ状態に戻る。仕方なく千尋は電源を入れ直すが、考えているうちに再び画面が暗くなり、また電源を入れ…………3回くらいそれを繰り返したところで、面倒くさくなってアプリを終了させた。
文字にしようとするから、いろいろ煩わしいことになるのだ。そもそも文字を打つのが面倒くさい。
「よし、電話だ」
そのほうが早い。
思い立ったら即行動が千尋だ。そして、自分ではよく考えているつもりでも、実は何にも考えていないまま行動するのも、千尋だ。
今ここで大和に電話をするのが最善の策だと信じて疑わず、千尋はアドレス帳から大和の名前を探して電話を掛けた。
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確かに内容は返事を必要とするものだから、いつもの千尋だったら返事をしているところだが、それは千尋の中のポリシーなだけであって、義務でも何でもないんだから、嫌なら無視すればいいだけのことだ。
なのに千尋は、大和からのこのメッセージに対して返事をしない、とスパッと決断できなくて、いつまでもぐずぐずしている。
メッセージを表示してしまったから、大和のスマホにも『既読』のマークが付いているはずで、読んでいるのに返事をしないのも何だかアレだし……て、そういうことを気にしないのが千尋のキャラなのに…。
「う゛~~~に゛ゃ~~~~…………コホンッ」
どうしていいか分からずに、頭を掻き毟っていた千尋は、通行人に不審げな視線を向けられたのに気が付いて慌てて取り繕ってみたが、遅かった。
「はぁっ…」
こんなに悩むくらいなら、さっさと返事をしてしまおう。そうすれば、心置きなく家に帰ることが出来る。
もちろん、返事をしないという選択肢もあるけれど、そうしたら何だかいつまでも心にしこりが残りそうだし…。
いや、それは別に大和に申し訳ないからとかでなくて、『返事が必要な内容なのに返事をしない』という、いつもと違うことをするのが、何かもやっとするからで…。
「うぬぬ…」
1人で勝手に心の中で言い訳をしつつ、千尋はスマホの電源を入れた。
念のために大和からのメッセージをもう1度読み返してみても、千尋に会いたいという内容に変わりはない。その次には、いつなら会えるのかと尋ねる文章。
やはり、千尋が酔っ払っていて見間違えたわけでも、寝惚けていたわけでもなかった。
「返事…、………………返事かぁ…」
大和のメッセージを見つめながら、どんな返事にしようか頭を悩ませているうち、画面がスリープ状態に戻る。仕方なく千尋は電源を入れ直すが、考えているうちに再び画面が暗くなり、また電源を入れ…………3回くらいそれを繰り返したところで、面倒くさくなってアプリを終了させた。
文字にしようとするから、いろいろ煩わしいことになるのだ。そもそも文字を打つのが面倒くさい。
「よし、電話だ」
そのほうが早い。
思い立ったら即行動が千尋だ。そして、自分ではよく考えているつもりでも、実は何にも考えていないまま行動するのも、千尋だ。
今ここで大和に電話をするのが最善の策だと信じて疑わず、千尋はアドレス帳から大和の名前を探して電話を掛けた。
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