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恋の女神は微笑まない (207)
2014.12.08 Mon
『何かだって返事しなきゃじゃん、これじゃ』
「あー……まぁ…、うん…」
そういえば千尋は、基本的にメールには返信しない人だが、返事を要する内容にはちゃんと返事をする人でもあったのだ。こんなときに、そんな生真面目さを発揮しなくてもいいと思うのだが、千尋は真剣に悩んでいるらしい。
いや…、いつの間にか普通に友だちから恋の相談を受けているみたいになっているけれど、これは琉が千尋に、返事をしたほうがいいとかどうとか、アドバイスをしてやるべきなんだろうか。
「えっと…、えー……」
すっかり琉からの意見を待つ姿勢になっている千尋に、琉は困惑しつつも、必死に言葉を探す。
しかし申し訳ないが、こればかりは琉にも答えが出せない。いや、大和の友人である琉の立場からすれば、千尋に返事をしてもらいたいとは思うが、最終的な判断は千尋にしか出来ないことだ。
「えっと、だからぁ…」
琉は大きく息をついて、気を落ち着けた。
「お前が大和に会うつもりがあるなら、聞かれてるとおりに、会える日を答えればいいし、会いたくなきゃ会いたくないて言えばいいだけのことじゃね?」
『…うん』
「それか、お前が大和のこと嫌いで、返事すんのも嫌なら、返事したほうがいいみたいな内容だけど、そのまま無視すれば?」
『…………』
出来れば最後の提案は避けてもらいたいところだが、これだって選択肢の1つではある。
というか、何だか三択クイズみたいになってしまったけれど、こんなこと、わざわざ琉が提案するまでもないことだし、自分の気持ちに素直な千尋なら、琉に聞くまでもないことのはずだ。
先ほども思ったけれど、こうも千尋が悩み、1人で答えが出せないでいるというのは、大和のことが好きだからだと、千尋もいい加減、自覚すればいいのに。
でもこれを琉が指摘したところで、千尋には伝わらないんだろうなぁ…。
「何かお前にアドバイスみたいなことしてて変な感じだけど…、お前、もともと何でも自分の好きなようになるヤツじゃん? 今さら悩むなよ」
『…ホントだよ、何で俺、お前なんかに話聞いてんの?』
「お前が言うな」
千尋が琉の言うことを素直に聞くなんて、絶対に一生何があってもないであろうと思っていたが、今だけは琉の言葉がすんなりと入って来たのか、どうやら千尋は心を決めたようだった。
「琉、琉、ちょっと代わって?」
琉にピトッとくっ付いて、琉と千尋のやり取りを聞いていた遥希は(聞き耳を立てるつもりはなかったのだが、千尋のことが気になるのと、千尋の声が大きいのとで、結局聞こえていた)、クイクイと琉の袖を引いた。
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「あー……まぁ…、うん…」
そういえば千尋は、基本的にメールには返信しない人だが、返事を要する内容にはちゃんと返事をする人でもあったのだ。こんなときに、そんな生真面目さを発揮しなくてもいいと思うのだが、千尋は真剣に悩んでいるらしい。
いや…、いつの間にか普通に友だちから恋の相談を受けているみたいになっているけれど、これは琉が千尋に、返事をしたほうがいいとかどうとか、アドバイスをしてやるべきなんだろうか。
「えっと…、えー……」
すっかり琉からの意見を待つ姿勢になっている千尋に、琉は困惑しつつも、必死に言葉を探す。
しかし申し訳ないが、こればかりは琉にも答えが出せない。いや、大和の友人である琉の立場からすれば、千尋に返事をしてもらいたいとは思うが、最終的な判断は千尋にしか出来ないことだ。
「えっと、だからぁ…」
琉は大きく息をついて、気を落ち着けた。
「お前が大和に会うつもりがあるなら、聞かれてるとおりに、会える日を答えればいいし、会いたくなきゃ会いたくないて言えばいいだけのことじゃね?」
『…うん』
「それか、お前が大和のこと嫌いで、返事すんのも嫌なら、返事したほうがいいみたいな内容だけど、そのまま無視すれば?」
『…………』
出来れば最後の提案は避けてもらいたいところだが、これだって選択肢の1つではある。
というか、何だか三択クイズみたいになってしまったけれど、こんなこと、わざわざ琉が提案するまでもないことだし、自分の気持ちに素直な千尋なら、琉に聞くまでもないことのはずだ。
先ほども思ったけれど、こうも千尋が悩み、1人で答えが出せないでいるというのは、大和のことが好きだからだと、千尋もいい加減、自覚すればいいのに。
でもこれを琉が指摘したところで、千尋には伝わらないんだろうなぁ…。
「何かお前にアドバイスみたいなことしてて変な感じだけど…、お前、もともと何でも自分の好きなようになるヤツじゃん? 今さら悩むなよ」
『…ホントだよ、何で俺、お前なんかに話聞いてんの?』
「お前が言うな」
千尋が琉の言うことを素直に聞くなんて、絶対に一生何があってもないであろうと思っていたが、今だけは琉の言葉がすんなりと入って来たのか、どうやら千尋は心を決めたようだった。
「琉、琉、ちょっと代わって?」
琉にピトッとくっ付いて、琉と千尋のやり取りを聞いていた遥希は(聞き耳を立てるつもりはなかったのだが、千尋のことが気になるのと、千尋の声が大きいのとで、結局聞こえていた)、クイクイと琉の袖を引いた。
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