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恋の女神は微笑まない (206)
2014.12.07 Sun
「結局お前、あれか? 返事したくなくてぐずってるわけ?」
『ぐずっ…! はぁっ? テメェ、何抜かして…』
「いや、大和から何てメール来たのか知らねぇけどさ、普通に返事すりゃいいじゃん。それか、連絡来た意味分かんねぇから返事出来ねぇっつーならしなきゃいいんじゃね?」
『え…? だってそんな、返事しないとかまずくない…?』
大和がどんな気持ちで千尋に連絡したかを知っているだけに、琉としては、千尋に返事をしてほしいとは思うが、千尋がそれを嫌だと言うのなら仕方がない。
もともと千尋は、恋人だろうと友人だろうと、相手が誰であれ、基本的にメールやメッセージの返事をしない人間なのだ。
だとすれば、大和から連絡が来て意味が分からなくても、そもそも返事をしないのだから、困ることは何もない、いつもどおり、そのまま放っておけばいいだけだ。
「は? だってお前、いつもそうなんだろ? メールとか返信しねぇの」
『あ、そ…そっか…』
「おい、『そっか』じゃねぇよ。自分のことだろうが」
自分のいつもの行動だというのに、琉に言われてようやく気が付いたような返事をするから、琉はガックリ来る。
大和から連絡が来たことが、相当に千尋を動揺させているようだ。
それにしても、千尋は、大和に対する気持ちを遥希から聞かれても、何だか有耶無耶にしていたみたいだけれど、今の態度で、答えがバレバレなことに気付いていないのだろうか。
メールの返信はしないのが基本スタンスの千尋が、返信をしないのはまずいと考えている時点で、大和のことを嫌っていたり、どうでもいいと思っていたりしているわけがない。
返信がまめな人でも、本当に嫌っている人からメールが来たら、返信してやろうとはなかなか思わないものだし、例えば、内心は嫌っているけれど、仕事で係わらなくてはいけない、とかだったら悩むだろうけど、千尋にとっての大和は、そういった相手でもないし。
『でっ…でも、何か返事が…』
「あ?」
『返事したほうがいいみたいな内容なんだけど、どうしよう…』
「…………」
『会いたいけど、いつなら会える? て書いてある…』
「えっと…」
途中で琉が黙ったのは、思い掛けず千尋が琉に相談するような言葉を発して、それに驚いたからで、大和からのメールの内容を話せ、と雰囲気で促したわけではない。
しかし千尋はそう受け止めたのか、琉が何も言わないうちに、自分からその内容を打ち明けた。
おいおい、どうした、村瀬千尋。お前、そんなキャラだったか? もしかしたら遥希や南條や大和の前ではそうだったかもしれないけれど、少なくとも琉の前ではそんな姿、絶対に見せなかっただろうに。どれだけ動揺しているんだ。こっちまで狼狽えてしまいそうだ。
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『ぐずっ…! はぁっ? テメェ、何抜かして…』
「いや、大和から何てメール来たのか知らねぇけどさ、普通に返事すりゃいいじゃん。それか、連絡来た意味分かんねぇから返事出来ねぇっつーならしなきゃいいんじゃね?」
『え…? だってそんな、返事しないとかまずくない…?』
大和がどんな気持ちで千尋に連絡したかを知っているだけに、琉としては、千尋に返事をしてほしいとは思うが、千尋がそれを嫌だと言うのなら仕方がない。
もともと千尋は、恋人だろうと友人だろうと、相手が誰であれ、基本的にメールやメッセージの返事をしない人間なのだ。
だとすれば、大和から連絡が来て意味が分からなくても、そもそも返事をしないのだから、困ることは何もない、いつもどおり、そのまま放っておけばいいだけだ。
「は? だってお前、いつもそうなんだろ? メールとか返信しねぇの」
『あ、そ…そっか…』
「おい、『そっか』じゃねぇよ。自分のことだろうが」
自分のいつもの行動だというのに、琉に言われてようやく気が付いたような返事をするから、琉はガックリ来る。
大和から連絡が来たことが、相当に千尋を動揺させているようだ。
それにしても、千尋は、大和に対する気持ちを遥希から聞かれても、何だか有耶無耶にしていたみたいだけれど、今の態度で、答えがバレバレなことに気付いていないのだろうか。
メールの返信はしないのが基本スタンスの千尋が、返信をしないのはまずいと考えている時点で、大和のことを嫌っていたり、どうでもいいと思っていたりしているわけがない。
返信がまめな人でも、本当に嫌っている人からメールが来たら、返信してやろうとはなかなか思わないものだし、例えば、内心は嫌っているけれど、仕事で係わらなくてはいけない、とかだったら悩むだろうけど、千尋にとっての大和は、そういった相手でもないし。
『でっ…でも、何か返事が…』
「あ?」
『返事したほうがいいみたいな内容なんだけど、どうしよう…』
「…………」
『会いたいけど、いつなら会える? て書いてある…』
「えっと…」
途中で琉が黙ったのは、思い掛けず千尋が琉に相談するような言葉を発して、それに驚いたからで、大和からのメールの内容を話せ、と雰囲気で促したわけではない。
しかし千尋はそう受け止めたのか、琉が何も言わないうちに、自分からその内容を打ち明けた。
おいおい、どうした、村瀬千尋。お前、そんなキャラだったか? もしかしたら遥希や南條や大和の前ではそうだったかもしれないけれど、少なくとも琉の前ではそんな姿、絶対に見せなかっただろうに。どれだけ動揺しているんだ。こっちまで狼狽えてしまいそうだ。
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